スティグマータ

著者 :
  • 新潮社
3.93
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本棚登録 : 993
感想 : 185
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  • Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103052555

作品紹介・あらすじ

得体の知れない過去の幻影が、ペダルを踏む足をさらう。それでもぼくたちはツールを走る。すべてを賭けて! 黒い噂が絶えない、堕ちたカリスマの復活。選手やファンに動揺が広がる中、今年も世界最高の舞台(ツール・ド・フランス)が幕を開ける。かつての英雄の真の目的、選手をつけ狙う影、不穏なレースの行方――。それでもぼくの手は、ハンドルを離さない。チカと伊庭がツールを走る! 新たな興奮と感動を呼び起こす、「サクリファイス」シリーズ最新長編。

感想・レビュー・書評

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  • ニコラが叫んだ
    「チカ!きみが行け!」

    「駄目だ。きみが行くんだ」

    チカが素敵すぎる。゚(゚´Д`゚)゚。

    ニコラ勝ったのかなぁ…
    今回も良かった〜*\(^o^)/*

  • とうとうサクリファイスシリーズを読み終えてしまった。アシスト役に徹するチカや伊庭がツール・ド・フランスで活躍する姿に胸が熱くなる。日本人は心の片隅に「日の丸」を背負っていて、これこそがサムライ・スピリットなんだ。チカは完全に二コラを優勝させる役割。チカの良い所はチーム内の雰囲気をよくするということも担う。そのためには敵との交渉にも応じる。このチカの性格により、二コラのマイヨ・ジョーヌ(総合優勝)が目前に迫る。最後、ニコラはどうなったんだ!このシリーズでロードレースではアシスト役が重要だということを理解した。

  • 感想
    第5段。白石のヨーロッパでの話に戻って、さらにどう成長していくのか?気になる。

    フィジカルはもちろんだが、身を削るような心理戦。超高速の世界でそれが繰り広げられると思うと驚く。

    最後はレースの行方書いてくれないんかい!

    あらすじ
    フランスのバイヨンヌに居を構える白石は、弱小チームに所属していた。同じチームには3年前にツールを沸かせたニコラも所属している。また、日本で友達だった伊庭もフランスのチームに移籍してきた。

    伊庭と同じチームに5年前に薬物事件で引退したメネンコが電撃復活し、ツールは不穏な空気に包まれていた。また、白石も活躍する伊庭とは対照的にアシストに徹する自分にヤキモキしていた。

    四度目のツール・ド・フランスが始まる。レジェンドのメネンコにレースは掻き回される。ニコラは序盤の劣勢を挽回して、白石のアシストもあり、終盤に1位に躍り出る。久しぶりのフランス人王者の誕生なるか!?

  • 白石誓の海外生活も5年となる
    スペインのバルセロナに始まり、フランス、ピカルデイ地方のアミアンという街、ポルトガルのリスボン、それからまた、フランスに戻ってバイヨンヌ

    グラン・ツール・・・ジロ・デ・イタリア、ツール・ド・フランス、プエルタ・ア・エスパーニャという三つのステージレース

    白石はプエルタを二回、ツールを三回走っている
    なんだかんだ言いながら、5年も海外で走れるのは、アシストとしての力を買われ、実績をあげているからだろう

    このシリーズの最終巻にふさわしく、ツール・ド・フランスの三週間に絞った各精鋭の凌ぎ合い、人間模様、
    特に、ドミトリー・メネンコの物語、かつては自転車界の憧れの存在だったが、ドーピングでその座を追われ、またこのレースに復活してきた

    メネンコの周辺に広がるきな臭い気配、白石はそれにどう対応するのか
    チームメイトとなったニコラをアシストとしてどうサポートするのか
    なかなかの読み応えだった

  • 久しぶりにチカに会えた。
    一年後の契約がどうなるか不安の中、
    アシストに全力を注ぐ姿。
    やっぱり、チカは最高!

  • チカのツール再び。
    訳ありの過去のスター選手メネンコがでてきてミステリー色満載。
    過去に敵だったニコラと同じチームだったり友達の伊庭がヨーロッパチームにきたりで。
    相変わらずのチカ人気。本人が気がついていなさそうなのもいい。物語が続けばいいな。

  • 細々と読んでしまったせいなのか、エデンやサクリファイスより、なんか「重たい」感じがした。
    レースそのものよりレース以外の展開内容が多い気がして。
    チカと伊庭くんのレースでの動きをもっと読みたかった…。他の方のコメントでチカ、年取ったねと書いてましたが、そのオトナの重みが出てるのか。

    個人的に、おいおい元チャンピオンだからって、チカに変な事頼むなよ〜レースに集中させろよ〜と勝手にイラっとしましたが…そこをチカが冷静に受けてたのが、やっぱチカだわ〜と頷いたり(笑)

    とか言って、普段電車の中で一番集中して読めるのだが、これはまだ文庫でないので家でちょいちょい読んでて集中できなかったから、スピード感を感じる取ることができなかっただけかな?

    それでもやっぱりこのシリーズは面白いです。
    サクリファイスから再読かな。

  • 自転車ロードレースシリーズの『サクリファイス』シリーズの最新刊。
    ようやく読みました。
    過去を思い出しながら読み、改めてロードレースというものが一般的なスポーツと異なる『サクリファイス』な要素を持つということを理解しつつも、そこまで自分をコントロールするストイックな姿勢に感銘を受ける。
    参加するチーム、個人がそれぞれ異なる思いを持ち競う世界を、観戦するだけで体感できるのかな?と思う部分もあります。
    が、百聞は一見に如かずとある通り、観ないとダメですね。
    面白そう。

  • 自転車レースを舞台にしたシリーズ第4作目。前作でポルトガルのチームに移ったチカが再びフランスのチームに戻り、かつてのライバル・ニコラのアシストとして、ツール・ド・フランスに臨む。作品が進むに連れ、自転車レースの醍醐味が分かりやすくなっているのか、慣れて来たのか、分からないけど、相変わらず、物語に引き込まれる。これまでの登場人物の関係性も丁寧に描かれており、つい、気持ちも入り込んでしまう。チカのネガティブは健在だけど、アシストとしての自信も描かれ、成長した様子も伺える。物語の設定上、これ以上、プロの世界での活躍は難しいのかもしれないけど、まだまだチカのこれからを読んでいきたい。ラストは・・・ちょっとじらし過ぎ。

  • 自転車のロードレースを舞台にした「サクリファイス」シリーズの第5作目。
    個人的には、第1作だけ読了。第1作を読んでから結構経っていた為、ほぼ初見の気持ちで読んでいました。
    この本だけでも楽しめますが、第1作から順番に読んでから、この本を読むことをお勧めします。
    登場人物のバックボーンをしっかり把握してからの方が、より一層楽しめます。または、最悪Wikipediaを見てからでも良いかと思います。シリーズに出てきた人物も再登場するので、興奮度は上がると思います。

    また個人的に、外国の選手が多く登場するため、なかなか人物像を想像しにくいかなという印象でした。

    ミステリーよりもロードレースでの抜きつ抜かれつの接戦が繰り広げられるスポーツ小説として楽しめました。帯にある新たな惨劇というのは、大袈裟ですが、それよりもレースでのそれぞれの選手の心理戦が面白かったです。
    欲を言えば、熱線の模様をもっと描いて欲しかったです。
    レース数が多いため、あっという間に終了して、次のレースへと変わるので、もう少し詳細に読みたかったです。

    アシストとして奔走する主人公。主役として、エースとしてではなく、チームのために。一人一人の役目があるからこそ、勝利に導いていく姿には、見習うものがあるなと思いました。

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著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。1993年『凍える島』で「鮎川哲也賞」を受賞し、デビュー。2008年『サクリファイス』で、「大藪春彦賞」を受賞。「ビストロ・パ・マル」シリーズをはじめ、『おはようおかえり』『たまごの旅人』『夜の向こうの蛹たち』『ときどき旅に出るカフェ』『スーツケースの半分は』『岩窟姫』『三つの名を持つ犬』『ホテル・カイザリン』等、多数発表する。

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