砂の上のあなた

著者 :
  • 新潮社
2.83
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本棚登録 : 368
感想 : 70
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  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103056522

作品紹介・あらすじ

ひとかけらでいい。僕が死んだら、愛する女性の骨と一緒に眠らせてほしい。最愛の父に愛人がいた…。見知らぬ男からもたらされたのは、娘が最も知りたくなかった事実。しかし亡き父の妄執は、35歳の主婦・美砂子の結婚生活にまで影を落としていく。ぬるく濁った世の中を貫けるのは、時間の流れをもねじ伏せるほどの「強い感情」だけなのか-。圧倒的長編小説。

感想・レビュー・書評

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  • なんというお話
    そこまでがんじがらめにしなくても・・・
    それより美砂子の子は?

  • 文は上手くてどんどん読めるし引き込まれたのに、この作者が言いたい世界観がつまらないし私はそんな感覚で捉えていないので最後の方残念な感じでした。

  • 図書館でなんとなくジャケ借り(装丁借り?)した作品。

    途中から、何なの、何の話してんの…と、読むのがしんどくなってしまいました。いろいろ繋げすぎじゃないかと。新たな事実が次々と明らかになってくるけど、みなみが西村の子を妊娠していると分かったときがピークでそれ以降はもうお腹いっぱいでした。
    冒頭の、理屈っぽい主人公の性格を指摘するエピソードが、何度も頭をよぎりました。

  • 珍しく女性主人公の話で、男性主人公の話より共感しやすい。

  • いろいろマテリアルをそろえてごった煮した結果不味かったって話。
    構成も悪いし構造も悪いし構想も悪い
    あげくのはてテンポも悪いし展開も悪い
    悪いづくしがこれだけそろった小説も珍しいw

  • うむむ
    すごい繋がり。
    繋がりすぎるくらい繋がる、美砂子と、父、夫、父の愛人だった紘子、父の手紙を持って来た浩之、元婚約者、紘子の孫、そこから波及して様々。

    子供を得ること、運命、
    でも誰の子でもいいって訳ではないから、
    そこは理解不能。

  • 前半は白石節がいい感じに展開していってたんですけど後半はちょっと関連付けがクドかったかな…
    前半、「女の人生とは…」的な子供を産むことみたいな…この話は納得という気持ちもあるけど、男の私には一方的な言い分で理解できませんでした。

    後半のあの人とこの人がここで繋がって、、、
    誰それと彼それがこういう間柄だった、、、みたいな展開で読んでいて途中で辟易としてしまって
    結局、間男だった彼の件は、要するに子供を産んでこそ女は一人前…って事が言いたかったのかなぁ~
    ちょっとばかし理解に苦しむ、、、
    血縁や因果みたいな関係性の複雑さ、面白さ、奇怪さを書こうとしたのかな?題材としては面白いんですけど物語としてはあまり面白くなかった印象です。

  • 白石一文の作品を幾つか読んできたが、初めて女性が主人公のものに当たった。そのせいか、生む性としての女性とそうでない男性の関係とか、そういう本質が隠されている社会の実態というところに焦点が当てられている気がする。その上で思うのは、白石作品には、世の中の悲惨な状況を救わなければならない、というメッセージを持つものが多いということ。本作でも、血を分けた子供を生み育てることも大切だが、だからといって、家族という小さい集団さえ幸福ならば、その外で悲惨な境遇にいる弱者を無視してよいわけではない、というメッセージを感じた。
    このほか、本作は、人と人との不思議な縁について、一見関係ないように見えても実はどこかでつながっているということを小説らしい手法で描き出し、そのスリリングな展開には惹かれるのだが、残念ながら、登場人物が多すぎて、名前や関係性が覚えられず、しばしば戸惑った。そうやって、すんなりと読み進められなかったのは、少し残念。

  • この人の本は、運命の巡り合わせが鍵になっている話が多い。
    良くも悪くもまたかと思う。

  • 人の執念が他の人の人生のシナリオを動かすというのがテーマか。この人の話は、独特の深い思索へのインスピレーションがもらえたりするけど、作者もまだ悩みの中(真っ只中というより、解決の希望がみえたかなと思ってるくらい)で書いているような、後味が悪いというか、病気をうつされたような、負の思考に陥りがちかも(私は)。

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著者プロフィール

1958年、福岡県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。文藝春秋に勤務していた2000年、『一瞬の光』を刊行。各紙誌で絶賛され、鮮烈なデビューを飾る。09年『この胸に深々と突き刺さる矢を抜け』で山本周五郎賞を、翌10年には『ほかならぬ人へ』で直木賞を受賞。巧みなストーリーテリングと生きる意味を真摯に問いかける思索的な作風で、現代日本文学シーンにおいて唯一無二の存在感を放っている。『不自由な心』『すぐそばの彼方』『私という運命について』など著作多数。

「2023年 『松雪先生は空を飛んだ 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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