紫式部本人による現代語訳「紫式部日記」

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  • 新潮社 (2023年11月29日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (160ページ) / ISBN・EAN: 9784103060802

作品紹介・あらすじ

『源氏物語』の作者・紫式部の肉声が甦る。一千年を繋ぐ魂のトリビュート。一条天皇の后が里帰り先で臨月に。その父で朝廷の最高権力者・藤原道長を始め、皆が固唾を飲んで見守る中、后に仕えるわたしはなぜかブルーで、グルーミィ。そのわけをあなたにお伝えします。二〇二四年大河ドラマで大注目、世界的文学を書いた当時の最先端女性のすっぴんダイアリーを、現代の「同業者」がリ・リリース!

感想・レビュー・書評

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  • 人を選びそうな本だけど、
    私はめちゃめちゃおもしろかった!

    「紫式部日記」の中からいくつかの文章を、紫式部本人が、そのときの状況や背景など現代人に説明しながら現代語訳してくれる。

    「紫式部日記」の行間に漂う、
    こじらせた紫式部のグルーミィ。
    (陰鬱な気持ちをこう表現している)
    「なんだか、こじらせてるなあ」とかおもいますか?
    って自分で言っちゃってる。
    心のままを聞かせてくれているようで、
    臨場感がすごい!

    現代人が想像するよりずっと「つよい、固いシステム」で男性性が確立されていた時代、女人たちにゆるされた軽い文字「ひらがな」で著された日記。
    この時代をどんな心持ちで生きていたのか、少しわかった気がした。

  • 倫子が若返る菊の花を紫式部に持ってきてくれたっていうエピソード(解釈の仕方はいろいろあるとはいえw)が早々に出てきて、このあたりからのめりこんでいった

    グルーミィさを優先して現代語訳
    記録としての日記
    グルーミィをさらけだす日記
    だって。いいですね。


    有名な“お前が男であったなら…”のくだりは、紫式部日記の後半だったか
    大河でも当然ながらこのシーンありまして感無量です


    漫画でも読む紫式部日記、的なものより
    本書の方が日記を読んでいるという実感が湧きました

    “ミセス自粛なし”にはクスッとした。自分で言う?笑

    筆で書かれている現代語訳部分はもちろん
    ペン(私にはiTouchに見える)で書かれている、紫式部が私たちと同じ現代に立って書いている部分には、書かれている内容についての案内やおそらく考察というか定説になりつつあることを盛り込んでいる。
    ここから口調が変わっているとか日付という楔(くさび)が入っていないとか手紙文のようにして張り合っているとか!

    有名エピソードも改めて読めて面白かったです!

  • 古川日出男による、ちょっとパンクな紫式部日記の再構成。
    他者の文学を題材にするとなんでも独自色にしてしまう古川さんなので、迂闊に引きずられまいと、口語訳に原文掲載と解説もセットになった講談社学術文庫の「紫式部日記(全訳注)」を先に読んでから本書を読んだのだけど、かなり改変されている。やっぱり古川カラー、あまりにも強い。

    かなり省略・要約されているし、21世紀の視点を持った紫式部が当時を語る、という形式をとって、原典にはないオリジナルの解説パートがたくさん差し込まれている。

    序盤からやたらと古川紫式部が「グルーミィ」、「グルーミィ」と連呼しており、最初はいまいち意味が掴めなかったのだけど、「Gloomy(憂うつな、塞ぎ込んだ)」のことだと後半になってからようやく思い当たった。

    古川さんは、華やかな場所にいてもなお湧き上がってやまない彼女の憂うつの原因に明確な原因を持たせたかったようで、原文ではそこまで明確頻繁な記載はなかったのに、ことあるごとに、「(夫と死別した)シングルマザーの不安感」を強調している。そして、原典でも短くも有名な、清少納言をけなした箇所や同僚女房への評価欄などにわりと気合を入れてページを割いている。

    この改変の辺り、失礼だけど、憂うつや人を批判的に見てしまうことに明確な理由を持たせようとする人って、きっと、ネクラ人間の気質を理解しきれない社交性に溢れたタイプなのでは、とイヤなことを思ってしまった。
    ネクラ人間は、明確な理由がある時もない時も憂うつだし、不安になるし、人付き合いに尻込みして自分の殻に閉じこもってぐちぐちしてるもんなんですよ…とネクラ人間としては声を大にして言いたくなってしまった。

    また、心情や他者への評価には筋道をつけたがっているのに、原文で多くの部分を占めていた当時の儀式や服飾に関する描写はバッサリ省いている。
    古川的紫式部の人間像というか心模様は描きたかったけど、人物像に影響を与えない記録描写は不要、という取捨選択かもしれない。

    解説パートはわかりやすくて面白かったのだけど、オリジナルから離れた古川色が多分に出ているので、紫式部日記を読みたい人は、素直に他の本にした方がいいかと思いました。

  • TBSラジオアフター6ジャンクションで
    柴田元幸先生がおすすめの本を紹介するというので、どんな翻訳ものかと思ったら、
    古語から現代語への翻訳だった!

    柴田先生が言うには、古川日出男さんが、紫式部に憑依して現代語訳した。

    ということでした。

    まさに。
    最初に私たちにむけて古語の基本的なことを簡単に説明してくれてるんです、紫式部姉さんが。

    女房といったら、どの男のワイフ?と考えたりしませんか?それはゆゆしい事態です。局と口にしていたら、あなたはツボネとはなんだろうと眉をひそめますよね?
    とこんな感じで。
    局とは、しきられた部屋。
    房というのも同じ。
    つまり、女房と局は同じ女性のための仕切られた部屋。でも、女人たちのこともまた女房という…
    分かってるようで分かってなかったですありがとう姉さん。

    そして自己紹介。
    私は宣孝のワイフでした。998年にむすばれ、1001年に彼は死んだ。わたしは以来、ずっとシングル・マザーです。

    彼女はいつもブルー(感傷的)で、グルーミィなんです。なんか、素敵じゃん

    紫式部日記は紫式部さんが中宮の女房になってから書いているんですね、
    前半は中宮さまのご出産の様子がドラマチックに描かれ、周りの方々の事を敬ったり憧れたりというかんじ。

    しかーし、後半怪しくなります。
    有名な和泉式部や清少納言批判もありますが、
    ライバルの斎院さまの女房たちのはなしがいちばんおもしろいところ。
    いわゆる「日本書紀の御局」とはこのあたり。悪口をいいふらされるのです。

    まひろの弟、あのダメ弟 惟規の恋人、中将の君という女。この子が問題なのだ。

    憂し。

    ぜひ、中将の君があからさまに書いた手紙を、どこかから入手した紫式部姉さんのお怒りを読んでみてくださいね。

    ほんとジェンダー平等について書かれているわ。

    ラストに、殿である、道長とのやりとりもなんかほのめかしています。
    式部姉さんったらそれ、匂わせって言われちゃいますよ。

  • 読了。

  • 紫式部本人による紫式部日記、ということで、所々補足があって理解しやすい作りになっている。
    紫式部が小式部内侍のことがとても好きなこともしみじみ伝わってくるし、清少納言に対する苛立ちも現代的で面白い。
    けれども使っている言葉が「ワイフ」「グルーミィ」など、度々普段自分は使わないものに置き換えられていて気が散ってしまった。

    具体的にいうと、90ページの「大晦日の夜には鬼やらいがある」のところなんて、原文が「うちとけゐたるに」(くつろいでいたところに)が「いずれにしても、いつもはどこか冷めているわたしは、けれどもこの瞬間は、ただの冷静(チル)な物腰よりもチル・アウトをもとめていた。そう、くつろぎ。実際にそうしていた」ととても長く捕捉されていて、尚且つチルアウトと言われてもピンと来ず、余計にわかりにくく感じてしまった。
    逆に今10代20代の女性ならわかりやすいのだろうか。

  • 『紫式部日記』を読みたい、だけど、古文は絶対読み切れないと思い、現代語訳を探していた。
    当然、古文を読むよりは内容がわかる。だけど、何か英文の直訳を読んでるような雰囲気。そしてグルーミィって...現在に紫式部がいたら、どんよりした気持ちをこんな言葉で表すってことかしら。
    他の方の現代語訳紫式部日記も読んでみて比較したくなる感じ。

  • 初めての紫式部日記。不勉強ゆえどこからが原文の訳で、何が注訳で、どこが要約か分かりにくかった。他の紫式部日記訳を読めばまた解像度が上がるかも。
    読みにくいと感じた語尾の不統一性は、原文準拠らしいことも書いてあったし、この分かりにくさは元々の紫式部日記の性質なのかもしれない。

    星2にしようかと迷ったけど、上記のことから判断保留の意味も込めて星3。

  • とてもアクロバティックな現代語訳に思えるので、これはもう訳と言うより二次創作の域にまで片足突っ込んでるのかもしれません。けれど少なくとも、著者が伝えようとした紫式部日記の最もおいしいエッセンスは、現代の感覚でリアルに瑞々しく受け取れるように書かれていると思いました。
    読まれることを意識して書かれた、挑発的な日記文。「憂し」=「グルーミィ」、ことごとくクールな感性の紫式部の格好良さが感じられました。

  • 背ラベル:915.3-フ

  • 現代語訳というか古川日出男文体で紫式部が語る。
    思いがけずスルスル入ってくる。

  • おもしろい!
    翻訳本だ

  • 紫式部がルー大柴に…?
    日記上での紫式部は結構陰鬱(悪口&自虐)で、大河の「まひろ」とは結びつかず。ここからどんどん心がしんでゆくのか…?見逃せない!(←大河の感想になってしまった)

  • 2024年、大河ドラマとしても話題の紫式部。その紫式部日記を現代語訳、そこに著者の見解も交えた作品。かなりの超訳と感じるが、現代の若い人にはわかりやすいかもしれない。ただ、当時の風習や簡単であっても良いので、相関関係が理解できていないとわかりにくいかもしれない。

  • 平家物語の犬王の時のような、軽い口語なのですらすらと読めた。エキスをギュッとしたような印象なので、逆に全文はどんなだろう?と気になる。
    また、自作解題という名の後書き?が面白い。紫式部=パンク姉さん!紫式部トリビュートも読まなければ。また、批評を受けたという短編は書籍になってるのかな?気になる。

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著者プロフィール

1966年生まれ。著作に『13』『沈黙』『アビシニアン』『アラビアの夜の種族』『中国行きのスロウ・ボートRMX』『サウンドトラック』『ボディ・アンド・ソウル』『gift』『ベルカ、吠えないのか?』『LOVE』『ロックンロール七部作』『ルート350』『僕たちは歩かない』『サマーバケーションEP』『ハル、ハル、ハル』『ゴッドスター』『聖家族』『MUSIC』『4444』『ノン+フィクション』『TYOゴシック』。対談集に『フルカワヒデオスピークス!』。CD作品にフルカワヒデオプラス『MUSIC:無謀の季節』the coffee group『ワンコインからワンドリップ』がある。

「2011年 『小説家の饒舌 12のトーク・セッション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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