マドンナ・ヴェルデ

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 2319
レビュー : 356
  • Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103065722

感想・レビュー・書評

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  • 以前読んだ「ジーン・ワルツ」と表裏となるような作品。
    「ジーン・ワルツ」は、代理母問題の遺伝子上の母親・産婦人科医の立場から書かれた作品。
    この「マドンナ・ヴェルデ」は、実際に受精卵を宿す代理母の立場から書かれている。
    両方で一つの作品と言ってもいい。

    おなかに命を宿す「母」は強し。

  • ジーン・ワルツ、極東クレーマーほか海棠さんの本は好きでかなり読んでいるが、いろんな断片が登場するのも(再読しようかなぁ)面白かった。

  • 先月読了した「ジーン・ワルツ」と対になると知り、読むのがすごく楽しみだった。私が母親なら、理恵みたいなクール…コールドな娘は嫌だなあ。彼女には血液じゃなくてオイルが流れているのでは、と思ってしまう。母親も夫も自分の願いを断るわけがない、と疑わない傲慢さ。ジーン〜で見せた理恵の頭の良さと回転の速さに性格の歪さをプラスしたような印象を受けた。いい年した娘をちゃん付けで呼ぶのはどうよ?と思っていたけど、みどりが理恵の思うがままじゃなくて、きちんと双子のために行動したところに拍手したくなった。

  • 対になる「ジーン・ワルツ」、その後を描いた「医学のたまご」を読んだあとだったので総てが繋がった感じ♪

    みどりさんは、どんな時もお母さんという目線で理恵さんや薫くんと接していたんだね。
    ジーンやたまごではさらっと描かれていただけに、とても感慨深かった。
    それと伸一郎がメニューの内容を必ず列記する理由も意味があったんだね。

    いつも思うけど、時系列に沿って読み進めていけばいくほど
    ホント深い話になっていく。
    成長や心の葛藤を見守っていくのがたまないね♪

  • クール・ウィッチはやはり怖い、でも人の子。
    それが分かって、よかった。

    母親、とは。

  • 「ジーン・ワルツ」 と裏と表のような作品
    ぜひ 先に ジーンを読むと 本当に見事に繋がっていて面白い

    意見おだやかな母と思われる みどり だが
    なかなかどうして 最終的には強さが浮き出る
    母と娘の駆け引きと戦いのような作品でもある

  • 姉妹作であるジーン・ワルツを読んだ後にこの作品があることを知り即購入。
    この作品ではジーン・ワルツにでてきた登場人物の山咲みどりが主役となっており
    ジーン・ワルツの裏側というか登場人物の真意などさらに詳しく物語を知ることができます。

    ジーン・ワルツでは代理母出産、人工授精、中絶といったのが主なテーマでしたが
    今作品では代理母出産のみが主なテーマだったように思います。

    途中で代理母出産を頼まれたもう一つの理由を知ったみどりは娘の理恵にお腹にいる子供は渡さないと思うようになります。

    そしてみどりのお腹にいる子供が本当は誰の子供なのか。
    ジーン・ワルツで最後に双子の子供は片方が理恵に、もう片方がみどりが育てることになったのですがそれの経緯
    などなど、ジーン・ワルツを読んだ人なら更に楽しめると思います。
    ジーン・ワルツは評価を☆4にしたのですがこの作品ではさらに奥にのめり込めて読むのが楽しみになりました。☆5で

  • ジーン・ワルツと対になったお話。
    ジーン・ワルツでは最強を誇った論理だらけの理恵が、みどりに敗北する流れは予想通りとはいえ、納得感のある収束だった。また、伸一郎とみどりの関係性に、広がりを見せたことが面白かった。
    嫁姑の関係はよく話になるが、婿と義母の関係を書いてるところが新鮮かも。
    反面、妊婦の苦労の描写が足りないと感じる。50超えの妊婦が新幹線で検診に通うだろうか?発生学的な困難はたくさん書かれているが、妊婦のつわりに始まる生理的困難はほとんど描写されず、あっさり生まれてきたなーという感じ。

  • ジーンワルツの対となる物語。
    ジーンワルツが理論的な世界なら、こちらは情の世界。
    代理母の議論の中で根本的に欠けている
    「生まれてくる子供が幸せに生きる」という要素を突きつけてくる。
    お涙頂戴的な物語になっていない点が海堂尊の凄いところだと思う。
    独身の野郎が読んでも子供を生んで育てることを考えてしまう。

  •  ジーン・ワルツを山咲みどり側から描いたもの。著者が2冊著したことの意味をなんとなく感じ取ることができたように思う。
     理恵は、医学もとい医療に「純化」されている人物。みどりは、そんな理恵の「なにかが欠落している」「母にしてはいけない」危うさに、体当たりでぶつかっていく。それは母(理恵とふたごちゃんたちの)ゆえの愛情と責任からの行動である。
     緊張感のある小説だが、俳句や伸一郎との手紙のやりとりを読むとほっとする。そして私はみどりが食事を作るシーンがなぜかとても好きだ。
     女性(人間)として何を美徳とするのか、進んでいく科学とそれに追いつかない社会制度や人間の心、子どもを産みたいという願いを成就させる試みと子どもを守ろうとする母性…さまざまな二律背反を乗り越えようと努める人間の姿がすばらしいのだと思う。そしてこの親子のような議論がもっともっとなされるべきなのだろう。
     私は使命感に燃える理恵、人間は「感情で動くと」いうみどりのどちらにも共感する。しかし、自分が子どもを産んだことがないために、最終的には理解仕切れない部分もあるのだろうと想像する。
     NHKのTVドラマの松坂慶子と国仲涼子は上手だったのだなとわかった。

著者プロフィール

海堂 尊(かいどう たける)
1961年、千葉県生まれの作家、医師。医師としての所属は、国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構放射線医学総合研究所・放射線医学総合研究所病院勤務(2018年3月時)。
2005年に『チーム・バチスタの崩壊』で、第4回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、作家デビュー。
同作はのちに『チーム・バチスタの栄光』と改題して出版される。映画・テレビドラマ化もされた代表作となった。

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