- Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103065722
感想・レビュー・書評
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以前読んだ「ジーン・ワルツ」と表裏となるような作品。
「ジーン・ワルツ」は、代理母問題の遺伝子上の母親・産婦人科医の立場から書かれた作品。
この「マドンナ・ヴェルデ」は、実際に受精卵を宿す代理母の立場から書かれている。
両方で一つの作品と言ってもいい。
おなかに命を宿す「母」は強し。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ジーン・ワルツ、極東クレーマーほか海棠さんの本は好きでかなり読んでいるが、いろんな断片が登場するのも(再読しようかなぁ)面白かった。
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先月読了した「ジーン・ワルツ」と対になると知り、読むのがすごく楽しみだった。私が母親なら、理恵みたいなクール…コールドな娘は嫌だなあ。彼女には血液じゃなくてオイルが流れているのでは、と思ってしまう。母親も夫も自分の願いを断るわけがない、と疑わない傲慢さ。ジーン〜で見せた理恵の頭の良さと回転の速さに性格の歪さをプラスしたような印象を受けた。いい年した娘をちゃん付けで呼ぶのはどうよ?と思っていたけど、みどりが理恵の思うがままじゃなくて、きちんと双子のために行動したところに拍手したくなった。
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対になる「ジーン・ワルツ」、その後を描いた「医学のたまご」を読んだあとだったので総てが繋がった感じ♪
みどりさんは、どんな時もお母さんという目線で理恵さんや薫くんと接していたんだね。
ジーンやたまごではさらっと描かれていただけに、とても感慨深かった。
それと伸一郎がメニューの内容を必ず列記する理由も意味があったんだね。
いつも思うけど、時系列に沿って読み進めていけばいくほど
ホント深い話になっていく。
成長や心の葛藤を見守っていくのがたまないね♪ -
クール・ウィッチはやはり怖い、でも人の子。
それが分かって、よかった。
母親、とは。 -
「ジーン・ワルツ」 と裏と表のような作品
ぜひ 先に ジーンを読むと 本当に見事に繋がっていて面白い
意見おだやかな母と思われる みどり だが
なかなかどうして 最終的には強さが浮き出る
母と娘の駆け引きと戦いのような作品でもある -
ジーン・ワルツと対になったお話。
ジーン・ワルツでは最強を誇った論理だらけの理恵が、みどりに敗北する流れは予想通りとはいえ、納得感のある収束だった。また、伸一郎とみどりの関係性に、広がりを見せたことが面白かった。
嫁姑の関係はよく話になるが、婿と義母の関係を書いてるところが新鮮かも。
反面、妊婦の苦労の描写が足りないと感じる。50超えの妊婦が新幹線で検診に通うだろうか?発生学的な困難はたくさん書かれているが、妊婦のつわりに始まる生理的困難はほとんど描写されず、あっさり生まれてきたなーという感じ。 -
ジーンワルツの対となる物語。
ジーンワルツが理論的な世界なら、こちらは情の世界。
代理母の議論の中で根本的に欠けている
「生まれてくる子供が幸せに生きる」という要素を突きつけてくる。
お涙頂戴的な物語になっていない点が海堂尊の凄いところだと思う。
独身の野郎が読んでも子供を生んで育てることを考えてしまう。