スカラムーシュ・ムーン

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (409ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103065753

作品紹介・あらすじ

僕は、日本という国家を治療したい――海堂サーガ、遂にクライマックスへ! もうすぐ「ワクチン戦争」が勃発する!? 新型インフルエンザ騒動で激震した浪速の街を、新たな危機が襲った。霞が関の陰謀を察知した医療界の大ぼら吹き・彦根新吾は壮大な勝負を挑むべく、欧州へ旅立っていく。浪速を、そしてこの国を救うことはできるのか。医療の未来を切り拓く海堂エンタメ最大のドラマが幕を開ける!

感想・レビュー・書評

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    僕は、日本という国家を治療したい――海堂サーガ、遂にクライマックスへ! もうすぐ「ワクチン戦争」が勃発する!? 新型インフルエンザ騒動で激震した浪速の街を、新たな危機が襲った。霞が関の陰謀を察知した医療界の大ぼら吹き・彦根新吾は壮大な勝負を挑むべく、欧州へ旅立っていく。浪速を、そしてこの国を救うことはできるのか。医療の未来を切り拓く海堂エンタメ最大のドラマが幕を開ける!
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    「たまごのお城」でバイトするナナミエッグの娘・まどかの話しから始まったので、医療問題と何がどうつながるのか、と興味津々で読み進んだ。浪速府、日本三分の計、インフルエンザワクチン騒動、警察との駆け引きと、さまざまな問題を含み、彦根が日本全国から海外にまで飛び回って策略を巡らす。今回の彦根は、片時もじっとしていない。浪速府と警察と厚労省の利権がらみの駆け引きにはいささかうんざりしつつも、まどかたちの有精卵作りを手に汗握りながら応援することで、物語にメリハリができて愉しめた。彦ねの次の登場が愉しみになる一冊でもある。

  • 「ナニワ・モンスター」続編。でもそれだけじゃなく、これまでのいろいろなシリーズが関わっています。モンテカルロだとか極北だとか、馴染みのある地名もいっぱい。そして今まで登場しながらもいまいちキャラの良くわからなかったスカラムーシュ・彦根が大活躍。
    医療よりも政治的な色合いの強い物語なのだけれど。ワクチン戦争って……医療関係者としては「なんてことするんだ!」って印象です。そんなの政治の駆け引きに使うなよ!
    駆け引きの部分は面白くは読めるものの、登場人物がどれもこれも腹黒いやつばっかりで(苦笑)。そんな中で奮闘するナナミエッグのパートにはなんだかほっこりさせられました。

  • ラストが~~~!!!
    いっつも、最後にああゆう場面を持ってきて、妄想させてくれますね。(笑)
    シオンが離れた理由が、イマイチぴんときてなかったから、ともかく良かった。
    一気に、ナナミエッグのみんなのこと、飛んでしまいました。
    ベネチアでの、巡礼者のような旅。たどり着いたのは、信念という根っこの部分。
    彦根は強いなぁ。その信念があるから、いくら策で負けても、その信念が根付いていくんだよ。
    雨竜、マサチューセッツには、曽根崎さんが待ってるよ!こてんぱんにヤラレテ下さい!
    あと、一人は、田口先生を戦車に乗せた?東堂さんかしら?

  • 『ナニワ・モンスター』の続きであり、『ケルベロスの肖像』の裏の話といった感じ。
    タマゴの話から始まり、彦根が浪速と桜宮を行き来し、あのモナコに行って亡き天城の資金を譲り受け、ジュネーブのWHOに赤十字、ベネチアと幅広く移動。
    天城の話が出てくると、スリジエ以降今でもちょっと切ない。
    浪速の村雨を中心に西日本構想を立ち上げるつもりが霞が関の反撃に遭い、季節が一巡りする間に桜宮のAiセンターは『ケルベロス…』の話の通りに崩壊したりと目まぐるしく終わり、彦根は浪速を去ることに。
    その政治的な話の間にあるキャメルインフルのワクチン準備の話は面白く、有精卵事業を立ち上げた三人の話はまた読みたいです。クロスオーバーの好きな作家さんなのでまたどこか出てくるかもしれませんが。
    そして、彦根の傍にはやはりあの人がいないとね。

  • 「ナニワ・モンスター」の続編になるのかなぁ・・・ワクチンの話は面白かったけど、それに政治的な話が乗ってきて、結局ワクチンの大量生産はフェイクに太刀打ちするためとか、よく分からない話だった。でも、おいしいたまごが食べたくなった。

  • 今回も海堂尊さんの思想がふんだんに溢れててう〜んって感じるところが多かった
    そちら方面は賛同できるところできないところ色々だったけど読み物として面白かったかな
    スカラムーシュ彦根はこれからどうなって行くんだろう?

  • 表題の如く、“スカラムーシュ”・彦根先生がメイン。
    浪速の医療国家としての独立のため、日本国内だけでなく、モナコ・ベネツィア・ジュネーヴまで、移動距離ハンパなく飛び回っております。
    相変わらず頭がキレて、弁の立つ彦根先生ですが、いかんせん“孤軍奮闘感”が否めなく、敵も多いので、読んでいてハラハラさせられます。
    併せて、彦根構想に巻き込まれたかたちの、有精卵プロジェクトに取り込む若者達も危なっかしくてハラハラしつつ、そして応援しておりました。
    ラストは・・・まあ、亜麻色の髪の彼女が戻ってきてくれた。という事で良しとしますか。
    そして二人はどこへゆくのでしょう・・。

  • ナニワモンスターを読んでないので、早速読まねば!
    他の作品ともリンクしているので、読んでるはずなのに自分の記憶があやふやなのが悔しい!
    ナナミエッグの話が医療や政治の話とは異なったトーンで微笑ましく読ませてもらったが、この後彼等がどうなるのか・・・。
    そしてシオン・・・良かったあ。

  • 恋愛パートいるか?ってくらい雑。話の大筋は面白いけどちょいちょい説明口調なのが出てくるとだれる。野坂教授もスポットライト当てたわりには活躍あんまりしないし謎。誠一くんが飛び道具過ぎる。

  • 設定 大きくしすぎじゃないかしら。

  • 桜宮サーガの一冊。浪速を舞台にした『ナニワ・モンスター』の続編でスカラムーシュ彦根が大活躍する。

    就職試験の面接に全敗した名波まどかは、大学院に新しくできた『地域振興総合研究室』に潜り込む。まどかは養鶏場「ナナミエッグ」の跡取り娘。

    ある日『浪速大学医学部 社会防衛特設講座 特任教授』の肩書きの彦根新吾から、インフルエンザ・ウイルスのワクチン培養に必要な有精卵1日10万個の納品の打診を受ける。
    まどかは幼なじみで地元真砂運送のドラ息子、拓也と鳩村獣医院の長男で、獣医学生、誠一の協力のもと、新会社プチエッグ・ナナミを立ち上げる。
    新型インフルエンザ騒動で激震した浪速の街(『ナニワ・モンスター』)を、新たな危機が襲う。今度は「ワクチン戦争」が勃発しようとしていた──霞が関の陰謀を察知した異端の医師・彦根新吾は、ワクチン製造に必要な鶏卵を求めて加賀へ飛び、さらに資金調達のためにモンテカルロのエトワール、故天城雪彦の遺産を求め欧州へと旅立つ。果たして、彦根が挑む大勝負は功を奏するのか? ・・・

    Aiを巡る医学界と警察機構との軋轢は実際にこんなにも激しいものだったのか。筆者は実際の病理医でAiの研究に携わっているだけにその描写は細部に至るまで詳細委細を極め、読者のAiに対する理解を深めさせるだけでもこの小説は読む価値がある。

    長い話で読むのに苦労したけれど、読後感はすっきり。

  • ワクチン実現に関しては、現実的で読みやすかったけど、資金調達の流れはリアリティがなく、読みにくい。モナコ、ジュネーヴ、ベネチアって、結局虚構ストーリーをつくるため。

  • 2019.2 卵の話は青春ドラマ?バラバラな感じでした。

  • なんかワクワクする

  • 「たまごのお城」でがんばっているまどかちゃんと彼女を助ける幼なじみたちが頑張ってビジネスを立ち上げていく様子が何とも好ましい。政治のほうには興味が持てなかったが、彦根市先生の海外旅行も、なかなか奇抜で、過去のシリーズに登場した人たちが絶妙に絡んでくるのも楽しかった。

  • 速水先生とならぶ私の推し彦根先生(笑)。
    強引でも詐欺まがいでも方策がたてられ
    人や組織を動かして実行までもっていける
    頭の良さと行動力に憧れる。この人も大概人誑しというか。
    で、やっぱシオンさんとくっついたのね。お幸せに!

  • 2018/04/28

  • ちょっと長いな・・ワクチンのところは途中で話が分からなくなってしまった(汗)(私の勉強不足菜だけだと思うけど。)
    最後の謎解きのところはすっきりとした。

  • 僕は、日本という国家を治療したい――
    海堂サーガ、遂にクライマックスへ! もうすぐ「ワクチン戦争」が勃発する!?
    新型インフルエンザ騒動で激震した浪速の街を、新たな危機が襲った。
    霞が関の陰謀を察知した医療界の大ぼら吹き・彦根新吾は壮大な勝負を挑むべく、欧州へ旅立っていく。
    浪速を、そしてこの国を救うことはできるのか。

    なんか、壮大なスケール感になってきたよね。。。

  • ナニワを襲ったキャメルウィルス騒動の後、彦根は加賀市にいた。ワクチン供給を可能にする有精卵を求めて。

    う・・うぅぅうん。
    官僚批判と、時事ネタ(維新の会モチーフ)と、青年起業を柱に、気障で古めかしい比喩や思わせぶりな仄めかしを散りばめたお話。
    故事成語やたとえ話やらなんやらはそこそこ知っているのだけど、「レミングの群れ」(聞いたことはあるけどウロ)「累卵の危機(正確には危うき)」はググりました。おかげさまで一つ賢くなれましたけれども。
    三本柱の中では「起業」の部分が一番身近だったためかおもしろかったです。鳥インフルエンザ禍に見舞われた養鶏農家の方々は、どんな思いで鶏たちを処分したのか、改めて考えさせられました。それに対する「鳥類」に鳥インフルエンザワクチンを打たせない理由も「なるほど」と、良策下策は別として現在のところ他に選択肢がないことを呑み込んだ。
    なんでかな、海堂センセの描く女の子はなぜか魅力的でない。ルックスは美人ばかり出てくるのだけど、「いやいや、もっと賢いだろ」と思ってしまうなぁ。
    それにひきかえ徳衛センセとか宇賀神総長とかじいさんは魅力的なんですよねぇ。
    思うに海堂センセは魅力的な先達には恵まれたが、女の子からはもてなかった・・というところだろうか。(失礼)
    そして天城センセイの幻影や世良センセが登場したのはうれしかったですが、彦根センセがヴェネツィアに行くとこ、いる?????
    気障ったらしさ満載で、それが天城センセテイストなのだけれども、それ、いる?????
    検察内部の権謀術数はもう退屈の極みで、その部分はイノセント・ゲリラ(ひいてはナニワ・モンスター)とリンクしてんだろうけど、もうイノセントゲリラ読んでから何年たってると思ってんの?!?!覚えてないわぁああああ!刊行間隔すら利用して幻惑してくんのヤメテ!
    わからせたいの、ケムにまきたいの、どっちや!
    と、主張しておきます。
    まどかちゃん、がんばってね!

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著者プロフィール

1961年千葉県生まれ。医師、作家。外科医・病理医としての経験を活かした医療現場のリアリティあふれる描写で現実社会に起こっている問題を衝くアクチュアルなフィクション作品を発表し続けている。作家としてのデビュー作『チーム・バチスタの栄光』(宝島社)をはじめ同シリーズは累計1千万部を超え、映像化作品多数。Ai(オートプシー・イメージング=死亡時画像診断)の概念提唱者で関連著作に『死因不明社会2018』(講談社)がある。近刊著に『北里柴三郎 よみがえる天才7』(ちくまプリマー新書) 、『コロナ黙示録』『コロナ狂騒録』(宝島社)、『奏鳴曲 北里と鷗外』(文藝春秋) 。

「2022年 『よみがえる天才8 森鷗外』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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