- 本 ・本 (480ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103066088
作品紹介・あらすじ
すべての推理が裏切られる快感! 誰もこの「館」(ミステリ)から抜け出せない――。湖畔にある洋館を友人と共に訪れた月島。殺人事件の犯人を当てる、脱出型の謎解きゲームが開催されるという。だが、男女8人の参加者たちの前で、本当の殺人が起きる……。戦慄の最終章に備えよ! 大人気シリーズ「心霊探偵八雲」著者が全身全霊をかけて読者に挑む、一頁先さえ予測不能のノンストップ・ミステリ。
感想・レビュー・書評
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館での脱出型の謎解きゲームのはずが… 凝りに凝った構成とストーリーが秀逸なミステリ #ラザロの迷宮
■あらすじ
推理作家である主人公は、友人と脱出型の謎解きゲームに参加するためペンションを訪れていた。発生する事件の謎を解くといった趣旨のゲームだったはずが、発見されたのは凄惨な死体だった。
一方、とある警察署に、全身が血みどろになった男が意識朦朧の状態で入ってくる。事件の関係者もしくは被害者か、刑事たちは尋問を試みるが、彼は記憶喪失になっているようで…
■きっと読みたくなるレビュー
かなり凝ったプロット、読者を楽しませる工夫がいっぱいですね。神永先生の力がこもった作品だと思います。
シンプルかつストレートな描写やセリフが多く、淀みなく世界観が脳みそに入ってきます。登場人物のイメージもつきやすく、人間関係も分かりやすいのが魅力ですね。
本作の一番の推しどころとしては、やはりストーリーです。館もの+警察ものかしら? と思いながら読み進めることになるのですが、いや待て… 途中からは想像してなかった道のりを歩むことになるのですが、詳しくは読んでのお楽しみです。プロットの組み方、筋の通し方、伏線、複雑な人間関係を描き切ったのは、まさに作家デビュー20周年のプロの技でした。
物語の出来がよいので忘れがちなんですが、事件の裏にある背景が筆舌に尽くしがたい。現実にここまでの悲劇は少ないのでしょうが、近い事件は現代でも、たびたび聞く内容です。情報化社会が生み出した口実としての正義… 人間の厭らしさや下品さには際限がなく、ほんと反吐がでそうになる。
そして終盤にかけては、本書の装画のように美しく幕間を引いていく。事件に関係したすべての人たちが、これからの人生、幸せになってほしいと願いました。
■ぜっさん推しポイント
私はこれまで、大きな事件や事故に巻き込まれたことはありません。日々流れてくるニュースを見ても、胸が痛むことはあっても、実害はまったくなく、無責任に言いたいことを言っている。こんな安定した生活を送れているのは、ただ運が良かっただけなんだろうと思っています。
もし家族や友人が事件に巻き込まれてしまったら、自分はどんな人間になってしまうか、どんな行動をしてしまうか、想像だにできません。強く生きることの難しさが胸に沁みました。 -
先日は、この本を読みたいが為に、この本がシリーズモノだと思い込み、心霊探偵八雲を購入してしまったが、シリーズモノでは無いと知り、直ぐに購入。
私の大好物のヤツですよ。
クローズドサークル、フーダニットo(^▽^)o
世界中の本がクローズドサークル、フーダニットになればいいのに!!と思うほど、こういうジャンルが自分は好きなのだと思う♪
世の中にはまだまだ私の知らないクローズドサークルものがあるんだな。幸せだぁ〜(^^)
世の中にクローズドサークルが溢れてくると、まぁだいたいパターンは決まってきちゃって、作家さんも大変だよなぁと思うのだが、次々と、新しいプロットをよく考えられるよね。本当に凄い。
このパターンもちょっと思いつかないクローズドサークルだった。
その世界観も初めてだったし、みなさんが仰っているように、最後に二転三転。
とーっても読みやすくて一気読み。
やっぱり私はミステリが好きだなo(^▽^)o-
makiさん
何を読んだのか忘れてしまう恐ろしい書物…w
makiさんにとっての短編はまさに恐怖ですね!makiさん
何を読んだのか忘れてしまう恐ろしい書物…w
makiさんにとっての短編はまさに恐怖ですね!2024/06/16 -
一休さん
一休さんは短編でも覚えていられるのですか!?
私にはどうやらそういう能力が無いらしくて。。。
長い時間一緒に居られないと...一休さん
一休さんは短編でも覚えていられるのですか!?
私にはどうやらそういう能力が無いらしくて。。。
長い時間一緒に居られないと全然覚えていられないのです(-。-;
よほど強烈な内容でないと。
辻村深月のパッとしない子くらい衝撃的なヤツは今でも頭に残っていますが( ̄▽ ̄)2024/06/16 -
makiさん
私の小粒の脳ミソで覚えておけるはずがありません!( ー`дー´)キリッ
長編も短編も読んでは忘れて、忘れては思い出せずの繰り...makiさん
私の小粒の脳ミソで覚えておけるはずがありません!( ー`дー´)キリッ
長編も短編も読んでは忘れて、忘れては思い出せずの繰り返しでございます!2024/06/16
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あおいさん
図書館本だったので気づかなかったですが
購入してたら、ワクワクする作りですね♪( ´θ`)ノ
よかったら読んでみてください♪あおいさん
図書館本だったので気づかなかったですが
購入してたら、ワクワクする作りですね♪( ´θ`)ノ
よかったら読んでみてください♪2024/09/08 -
確かに帯、気になりますよね。最近の帯は本を売ろうとする出版社さん側の意図が透けて見える気がして作家さんの意図と合ってるかな?と気になることも...確かに帯、気になりますよね。最近の帯は本を売ろうとする出版社さん側の意図が透けて見える気がして作家さんの意図と合ってるかな?と気になることもあります。著名人絶賛!みたいな。
昔は帯ついててもそんな感じを受けることはなかった気がするのは私だけでしょうか。。2024/09/09 -
あやたろさん コメントありがとうございます♪
作家さんが関与してるかどうか気になりますね_φ(・_・
なんか流行りの文言とかもありますよ...あやたろさん コメントありがとうございます♪
作家さんが関与してるかどうか気になりますね_φ(・_・
なんか流行りの文言とかもありますよね
なかなか本が売れなくなってて、
出版業界もあの手この手を駆使してるということでしょうか(´-`).。oO
2024/09/09
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神永学さん作家デビュー20周年記念作の『ラザロの迷宮』の概要と感想になります。
概要です。
新人賞を獲った若きミステリ作家の月島は、友人の永門と湖畔に建つ洋館で開催される謎解きイベントに向かっていた。一方で行方不明になった女性の事情を訊いていた刑事の美波紗和は、署に突然現れた血塗れの男性の「助けて」という呟きに困惑する。まったく異なる出来事は次第に1つの結末へ導かれていく。
感想です。
『心霊探偵八雲』シリーズが話題の神永学さんは今作が初読みですが、何回転したか分からなくなるほどの想像を超えた作品でした。ミステリ愛好家の読者さんは賛否両論あるかもしれませんが、夕木春央さんの『方舟』の作風が好きな方にはオススメします♪
(ネタバレではないので、ご安心下さい。)-
初コメですo(^▽^)o
おっと、マメムさん、★5ですね!!
マメムさんで、ミステリで★5とくれば、これは間違いなさそう!
今...初コメですo(^▽^)o
おっと、マメムさん、★5ですね!!
マメムさんで、ミステリで★5とくれば、これは間違いなさそう!
今日ノワール・レヴナントが家に到着しました。
凄い厚み!もうこれだけでワクワクします!
数冊本を隣の叔母から借りてしまったので、その後に読みますね!いつもご紹介頂きありがとうございますm(_ _)m2024/05/09 -
bmakiさん、コメントありがとうございます。
私の中での通称『デブっちょ』が届いたのですね♪
辻村深月さんの『冷たい校舎の時は止まる』も...bmakiさん、コメントありがとうございます。
私の中での通称『デブっちょ』が届いたのですね♪
辻村深月さんの『冷たい校舎の時は止まる』もデビュー作が上下巻で分厚かったですが、厚さ並みの面白さがあったので『ノワール・レヴナント』のレビューを楽しみに待ってます♪
本作は読者を選ぶかもですが、次第に浮き上がる真相にゾワッとする系統でした♪2024/05/09 -
2024/05/09
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パタン、パタン、パタン…。
二転三転どころではない。
何度ひっくり返されたかな?
二つの物語が交互に語られる。
ひとつは、湖畔の洋館が舞台。
犯人解明の謎解きゲームが行われる。
もうひとつの場所は、警察署。
ほぼ同時に二つの事件が舞い込む。
行方不明女性の捜査依頼と、
血だらけで現れた
記憶喪失の男の捜査。
それぞれの場所で起こる出来事が
先の読めない謎に満ちていて
本を閉じることができなくなる。
洋館では本物の殺人事件が起こり、
行方不明女性は輪郭さえ掴めない。
記憶喪失の男には
特別な療法が施される。
久賀刑事の言葉、
「心神喪失状態にあったとしても、
罪はそこに存在する」は、
議論の余地ありだと思います。
精神疾患認定で無罪になっては
被害者遺族は納得できないですよね。
警察官の久賀と美波が真相に迫り
バラバラのピースが集約されます。
この作品の題名にある「ラザロ」は
イエスによって復活した男の名前。
このテーマもきっちり具現化します。
拍手喝采といきたいところですが
伏線回収の手法にモヤモヤが…。
「それってありですかぁ?!?」
と言うのが正直な感想。
でも、
大変面白く読ませていただきました。-
了解です。
BSテレ東でやってる「あの本、読みました?」です。
仲間が増えたかな☆彡
みんなで盛り上がると、楽しいですね♪了解です。
BSテレ東でやってる「あの本、読みました?」です。
仲間が増えたかな☆彡
みんなで盛り上がると、楽しいですね♪2024/05/20 -
2024/05/20
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毎週、私達にピッタリな知的な会話が繰り広げられていますわよ(๑•̀᎑<๑)و
うふふふ毎週、私達にピッタリな知的な会話が繰り広げられていますわよ(๑•̀᎑<๑)و
うふふふ2024/05/20
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話の繋がり方と展開の仕方が衝撃的で、とんでもない発想力のもとに生まれた作品であるように感じました。
本作は主人公である小説家が大学時代の友人とともに、脱出ゲームに参加することから始まります。その脱出ゲームでは、3件の殺人事件が発生すること、殺人犯が集められた6人の中に存在し、その犯人を当てるまで、屋敷から出られないというルール。
そしてとうとう、「第1の事件」が発生してしまうのですが、なんとそこの事件現場にはリアルな死体が置かれていて…
そして主人公たちは、館から脱出するため、連続殺人犯を特定しようと捜査を開始するというストーリー。
ミステリーを読むようになって、ミステリーっていうのは本当に無駄の少ないジャンルの小説だと思うんですよね…
会話1つとっても、日常を描く以外に物語の進行に関係のない会話やストーリーを妨げるような無駄な会話をしてはいけないような暗黙のルールが存在してる世界だと思うんですよ。
そういううがった偏見のもとで読んでしまってるので、途中でなんとなく察しがついちゃったってことがありまして…
この内容はあんまり好きじゃないけどまさか、この部分が繋がらないよなって思ってたら案の定なこともあって…
作品としては面白いとは思うのですが、個人的には好みでなかった感じがありました。まぁ展開の察しがついても、その設定を受け入れる大人の心を持ってれば評価も少しは変わったのかな… -
ミステリー書評
読書レベル 初級〜中級
ボリューム 478頁
ストーリー ★★★★
読みやすさ ★★★★★★!
トリック ★★★
伏線・展開 ★★★★★★!
知識・教養 ★★★
読後の余韻 ★★★★
一言感想:
特殊設定ミステリが好きな方、ガツンと打たれるような刺激的な展開が好きな方にオススメの一冊です!
こんな展開もありかーっと。特に第五章で、「んっ?」、「えっ??」、「えーーっ!」となること間違いなし!ノンストップで最終章まで突っ走る感じでページを捲る手が止まりません(笑。「ラストの衝撃」に備えた分かりやすい伏線も何箇所かあるので、勘のいいミステリ好きの方なら気付くかも。
文章は、難しい表現もほとんどないので、読書初心者の私でもサラサラっと読めました。ただ、最後の解決編あたりから、「ラストの衝撃」を味わうためか、犯人当てのフーダニットがあっけなく解決してしまったなーと感じました。
(私の知識レベルですが)読後に何となく、「シックス・センス」「白夜行」「エレファントヘッド」を思い出しました。共感していただける方がいたら嬉しいです。 -
面白かったー。
複雑だったけど二転三転あり、最後の最後まで騙された。
まったく!予想できず、、、(+_+)
現実ではちょっと考えられないけど映画とかにはなりそう。
著者プロフィール
神永学の作品





