12月の向日葵

著者 :
  • 新潮社
4.13
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本棚登録 : 86
感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (445ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103067726

作品紹介・あらすじ

運命が、親友二人を分けていく。警察小説、ノワール、青春小説の醍醐味満載の熱作! 警察と極道。高校柔道部の同期生・慎二と一は卒業後、対極の道に進んだ。互いの仕事と一人の女性をめぐり危うく交錯しながらも、絆を保ち続ける二人。だが、それぞれの世界で伸し上がっていく果てに、決定的な局面が待っていた……バブル期から暴対法施行までのアングラ社会を背景に、友情と愛憎渦巻く物語が疾走する圧倒的長編!

感想・レビュー・書評

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  • 「テーマ:ひまわり#6」です
    6作目はなんとノワール!ノワールとひまわり?食い合わせ悪そうだけども!

    はい、もうなんか和製ノワールのオールドタイプのお手本みたいなお話です
    まず基本を押さえてからいろいろ試しましょうね的な

    球種で言うとフォーシームです

    高校時代の親友2人、方や刑事に方や極道に
    そして2人が共に愛した女は刑事の妻

    うーん、フォーシーム(伝わらない表現に固執)

    そして、物語の展開もフォーシーム、結末もフォーシーム
    つまりはオートバックスということです
    間違えましたオーソドックスということです
    しかしながら、自分オーソドックス大好きなのであります!く(`・ω・´)

    えがっだ〜

    【ひまわり】『十二月の向日葵』ですからね
    真裏やん!っていうね
    どういうこと?って思いますよね
    思いました
    しかもしかも「向日葵」って最後の10ページくらいまで一切登場しませんからね
    読みてにどういうこと?でも向日葵だからなんとなくイメージとしては…とか考えるさせて最後の最後にその意味がわかって、(´;ω;`)ブワッです
    オーソドックスなお話にはオーソドックスな「向日葵」のイメージ
    そのかわりめちゃくちゃ引っ張るという変化です
    つまりフォーシームだとばっかり思ってたらツーシームだったということですな!(独りで納得)

    • 1Q84O1さん
      今中慎二のカーブぐらいの球速だから通用しますよ!
      その代わりひま師匠の投げるカーブは150キロですよね!w
      今中慎二のカーブぐらいの球速だから通用しますよ!
      その代わりひま師匠の投げるカーブは150キロですよね!w
      2023/07/08
    • ひまわりめろんさん
      ひまわりーターです
      150キロで種飛ばします
      ひまわりーターです
      150キロで種飛ばします
      2023/07/08
    • 1Q84O1さん
      恐っ!Σ(゚Д゚)
      恐っ!Σ(゚Д゚)
      2023/07/09
  • 冒頭------
    ちっきしょう。
     暑い。脳天が焦げそうだ。香坂一はのしかかる灰色のビル群を見上げ、浅黒い顔をしかめた。
     風がそよとも吹かない午後、灼けた熱がエアシャワーのように降り注ぎ、鉄もコンクリートも街路樹も、まとめて炙る。六本木の街が隅々まで暑く蒸し、もわっとした陽炎が湧く。人が、ビルが、クルマが、高速道路が、幻のように白く揺れる。

    高校時代、親友だった一と慎二。
    在学中からグレ始め、傷害事件で退学になった一はその後極道の世界へ、大学の柔道部に進んだ慎二は警察官にという正反対な道を歩むことになる。
    バブル真っ盛りの1989年に再会した二人は、不思議な信頼関係で結ばれていく。
    それでも、警察とやくざが通常の友人関係を築くのは世間が許さない。
    警察の秘密裏の側面、極道の凄まじい内情に翻弄されながらも、二人は一歩一歩階段を上っていく。
    同じ高校の同級生だった利恵を妻にした慎二には、一にも利恵にも言えない秘密があった。それは、いつになっても後ろめたさの残る傷とも言えるような秘密だった───。

    男同士の友情、家庭、家族の問題をも孕みながら、警察とやくざの抗争が凄まじい迫力で描かれ、話が進んでいく。
    ラスト、思わず涙が零れるのは、土壇場まで人間としての純粋さを失わなかった一人の男の姿が垣間見えたからだろうか。

    久々に骨太のピカレスクロマンを読んだ気がする。
    上下二段組み、450Pに及ぶ長編ながら、先が気になって仕方がなく、一気読みだった。
    タイトルの意味は最後の最後で分かる。
    なかなか重厚なストーリーで、この手の警察小説が好きな方にはお薦めです。

    • 杜のうさこさん
      こちらでもこんばんは~♪

      これ、良かったですよね!
      設定が設定だけに、暴力シーンとかは苦手でしたが…。
      最後、12月の向日葵の意味...
      こちらでもこんばんは~♪

      これ、良かったですよね!
      設定が設定だけに、暴力シーンとかは苦手でしたが…。
      最後、12月の向日葵の意味がわかったときは、ジーンとしました。
      熱い男気の物語でしたよね。

      昨日、たぶんブログ更新されてると思い、お邪魔しました。
      でもなんかすぐにコメントできなくて…。

      桜…きれいですね…。
      さだまさしさんの詩に、大好きな一節があって、それを思い出しました。

      辛い冬でも、必ず次に春が来る
      必ず桜の花は咲く
      美しく悲しく「頑張れ」と咲く
      2016/03/12
    • koshoujiさん
      辛い冬でも、必ず次に春が来る
      必ず桜の花は咲く
      美しく悲しく「頑張れ」と咲く
      このような雰囲気で、あの年の千鳥ヶ淵の桜は咲いていたよう...
      辛い冬でも、必ず次に春が来る
      必ず桜の花は咲く
      美しく悲しく「頑張れ」と咲く
      このような雰囲気で、あの年の千鳥ヶ淵の桜は咲いていたような気がします。
      2016/03/13
  • 2020.12 この手の小説はあまり読まないんだけど、書評で読んでみた。グイグイくるノワールですな。分厚い量ながらページをめくる手が止まりませんでした。

  • 評価は4.

    内容(BOOKデーターベース)
    暴力団・東鬼会の構成員と、警視庁・浅草警察署の巡査。高校柔道部の同期生・香坂一と弓削慎二は卒業後、対極の道に進んだ。互いの仕事と一人の女性をめぐり危うく交錯しながらも、絆を保ち続ける二人。だが、それぞれの世界で伸し上がる果てに、決定的な局面が…警察小説、ノワール、青春小説の醍醐味満載の大熱作!

    ここまで自分を犠牲にして友情を守る人が果たして極道などになるのか?との疑問は残るが・・・
    納得いかないのは香里だね。旦那は警察官として懸命に働き、香坂君はヤクザとして不器用に生きているというのに高校時代の恨みで家庭を壊しちゃうなど、土岐じゃないが「とろい女房は張り倒せ」って気持ち凄く分かる。挙げ句の果て浮気だよ。全体的にいい話だったが奥さんが中途半端に出来が悪くてイライラした。もっと出来の悪い女か凄い出来のいい女でも良かったのでは?主人公じゃ無いし・・・。

  • 高校で同じ柔道部にいた二人が極道と警察官という全く別の人生を歩んだ1998年から2014年までを描いた物語。
    タイトルの意味が判明してからラストまでがあまりに切ない。

  • なんとすばらしい青春小説。
    ヤクザもんでイヤだと思った方も、なんとか最後まで我慢して読んでみてください。
    後悔させません!

  • 2016_03_28-0032

  • #読了。かつて同じ高校の柔道部に在籍した香坂と弓削は、退学~ヤクザ、卒業後に警察官と、対極の道を歩むことに。香坂に憧れていた利恵は弓削の妻に。3人の思いが交錯する中、信じられるものは。。。バブル期からの時代背景はちょうど同じような世代であり、懐かしかった。

  • 読みごたえがありました!
    暴力シーンが有りますが、面白かった!
    警察官の弓削慎二さん、奥さんの利恵さんと、極道の香坂一さんは高校の同級生
    極道の一さんはずっと慎二さんを陰から応援している

    百田尚樹さんの「影法師」を思い出しました

    一も慎二さんもカッコいいです!

  • 香坂一と弓削慎二は高校で柔道のライバル.松原利恵も同級生.喧嘩早い一は拉致された利恵を助けるため、喧嘩を仕掛ける.その結果退学し、消息不明となる.慎二は刑事となって厳しい生活を続けるが、利恵と世帯を持ち娘を授かる.一はヤクザとなって喧嘩の強さで幹部に進んでいく.成績の上がらない慎二に一は情報を与え、拳銃や覚醒剤の摘発ができた.そのアオリで慎二を助けるための殺人を犯し、15年の刑に服する.ヤクザと警察の内情もそれぞれ熾烈だが、一が刑期を終えて出てきて、慎二の娘を最終的に助ける場面は、ほろりとする.アクションもので2段組で445頁の大冊だが、面白くて一気に読破できた.

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著者プロフィール

永瀬隼介

1960年鹿児島県生まれ。國學院大學卒。週刊誌記者を経てフリージャーナリストとなり、祝康成名義で『真相はこれだ! 「昭和」8大事件を撃つ』を刊行するなど事件ノンフィクションを中心に活躍。2000年『サイレントボーダー』で小説デビュー。事件現場で培った取材力を活かし、現代の深部を抉る骨太のサスペンスや犯罪小説を発表している。近著に『帝の毒薬』『カミカゼ』『三日間の相棒』『白い疵 英雄の死』『12月の向日葵』など。ノンフィクションに『19歳 一家四人惨殺犯の告白』などがある。

「2022年 『殺し屋の息子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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