デカルコマニア

著者 :
  • 新潮社
3.59
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本棚登録 : 437
感想 : 57
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103068129

感想・レビュー・書評

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  • 何度でも余韻を楽しめそうな小説。
    年表と家系図がほしい。
    長野まゆみ風タイムトラベラー。

  • 時間軸を気ままに行き来して、ある一族を描いたSF。
    物事の本質を暈して紛れ込ませる手管はさすが。
    やや難解。

  •  長野まゆみさんの小説は初めて読みました。全く予備知識なしなしに読んだためか、正直言って、ほとんど入り込むことが出来ませんでした。難しい。メモを取りながら、2回、3回と読めば、感じることも出来るような気はします。でも、それをするのであれば、他の本を読むかな~。
     ただ独特の世界観。こういったものを好きな方にはたまらないんだろうな。とも思います。

  • やはり一筋縄ではいかない。
    かなり翻弄されたけど、暑さにバテ気味の頭の回転をギュッと締めなおしてもらった。

  • 2011/8

    ちょっと最後まで読んだところで、もう一度読んだらよくわかりそう。
    今回はあんまり趣味嗜好は…とか思ってたら最後女王さまが入ってきて、あ、ですよね、って思った。このままじゃ終わらない長野節^^


    夏になるとサマーキャンプを読みたくなります…。

  • なんか…面白かったけど、誰が誰だかわかんなくなっちゃいますね。
    すべてが繋がれば、すんげー面白いと思います。

  • イタリア語デカルコマニアとは・・・一般的にはデカルコマニー(décalcomanie)、フランス語で「転写法・転写方式・転写画」を意味する用語であり、シュルレアリスムにおける美術技法を指すそうです。物語は読者から見て250年後の未来から110年前の過去の間で繰り広げられる、まさに転写絵画です。文体は洋書文学を彷彿とさせる比喩や揶揄が多くつかわれ面白く心理描写や状態描写がされています。
    登場する一族の家系図と関係図(異なる同一人物)をメモに書き出しながら読みすすめました。とある事情から250年後に生を受けたことになっている過去の年寄りに手ほどきを受けながら謎の手記が物語の中で読み解かれていきます。著者 長野まゆみ氏 によるタイムパラドックスへの挑戦とも読み取れる物語は時空のメビウスの帯やエッシャーの不可能なキューブの中を彷徨わされた気分になります。
    タイムトラベル、タイムスリップものにありがちな、つじつまの破綻を感じさせない巧妙なストーリーテーリングは不思議な時空の旅に、いざなってくれました。

    読後感=透明なガラスに転写された不可思議な風景に顕在感あり・・・・

  • 長野まゆみの近未来ものを読んでいつも思うのは、もう一度読み返したい、ということだ。読み返してみても新たな発見がないこともある(分からないところは何度読んでも分からない)けれど、それでももう一度最初から読み返したい衝動に駆られる。
    デカルコマニアによって、メビウスの輪のような奇妙な家系図を持つこととなった家族の物語。
    物語は300年くらいの時間を行ったり来たりするので時系列での理解が混乱してしまうし、変装をして様々な人に成りすますので誰と誰が同一人物かも混乱してしまう。そんな中でこの物語を理解するのは難しい。しかし、それでも長野まゆみの言葉の魅力は失われない。彼女の使うモチーフ、イメージ。そして、レモン伯父さんのたちの悪い冗談かもしれない《デカルコマニア》を本当かもしれないと思わせ、地中海地方の団欒のような快活な雰囲気で締めくくられる。真実など自身で選べば良いのだと言わんばかりに。

  • 神秘的世界に引きずり込まれる!もう一度じっくり読みたい作品

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著者プロフィール

長野まゆみ(ながの・まゆみ)東京都生まれ。一九八八年「少年アリス」で第25回文藝賞を受賞しデビュー。二〇一五年『冥途あり』で第四三回泉鏡花文学賞、第六八回野間文芸賞を受賞。『野ばら』『天体議会』『新世界』『テレヴィジョン・シティ』『超少年』『野川』『デカルコマニア』『チマチマ記』『45°ここだけの話』『兄と弟、あるいは書物と燃える石』『フランダースの帽子』『銀河の通信所』『カムパネルラ版 銀河鉄道の夜』「左近の桜」シリーズなど著書多数。


「2022年 『ゴッホの犬と耳とひまわり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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