忍びの国

著者 :
  • 新潮社
3.70
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本棚登録 : 1895
レビュー : 355
  • Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103068815

作品紹介・あらすじ

伊賀一の忍び、無門は西国からさらってきた侍大将の娘、お国の尻に敷かれ、忍び働きを怠けていた。主から示された百文の小銭欲しさに二年ぶりに敵の伊賀者を殺める。そこには「天正伊賀の乱」に導く謀略が張り巡らされていた。史実に基づく壮大なドラマ、われらの時代の歴史小説。

感想・レビュー・書評

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  • 戦国時代の伊賀忍者と織田信雄軍のお話。

    和田さんの小説は初めてで、慣れていないせいか文体が散らかっている気がしてなかなか集中できませんでした。
    が、後半の伊賀攻めから急にきた。前半の諸々を全て消し去るほど、きました。

    一言。
    無門、やばーい!
    これに尽きる。

    「おのれらの欲のために、ようも我の想い女を危うき目に遭わせてくれたな」
    この台詞にきゅんきゅん。お国も素敵。
    お国のおかげで無門は人の心を取り戻し、お国は無門への愛情を自覚しますが、時すでに遅し。たまんない。

    そして大膳は迷いを捨て、信雄は一回り大きくなり、本当に救いようのない馬鹿者は命を落としていきます。
    命の重みを知ったものが一番強い。そういうことなのかなと思いました。
    信長が口元をゆるませた場面もよかったですね。

  • あ~面白かった(^^)
    「のぼうの城」より好きでした。和田竜さん、登場人物の説明がとてもとても丁寧で読み疲れたけど、後半の伊賀VS伊勢の戦は、臨場感タップリで一気読み!
    伊賀忍者について、ほとんど知らなかったので、すごく新鮮でした。忍者って、超非情。あまりにも”凄惨極まりない殺しざま”で驚いた。

  • のぼうの城に続く第2段。

    架空の下忍、無門を主人公にして史実としてあった織田信雄率いる北畠軍と伊賀の国の戦いである第一次伊賀の乱にスポットを当てている。
    無門のお国への接し方、信雄が本心を吐露した後の日置大善の態度、大敗に信雄を叱責する信長が感じる信雄の成長・・・こんな場面をニヤニヤしながら読めた作品。
    前作より面白かった。

  • この人の小説は、自分にとても合う。
    テンポよく読み切ってしまいました。
    のぼうの城の映画公開も待ち遠しい。
    地元の話なので、盛り上がりが楽しみです。

  • エンターテインメント性の高い歴史小説を書く和田竜作品なので、面白そうに思い、読んでみました。
    ただ、忍びの者が中心の話とあって、かなり残虐で、『小太郎の左腕』のように物語内に入り込むことはできませんでした。

    初めは主人公が誰かわからず、似たような名前の人物がたくさん登場したため、目が泳いでしまって困りました。
    どうやら主人公は、伊賀一の忍び、無門だとわかってからは、周りの人物配置がようやく分かるようになりました。

    織田信長の次男、北畠信雄(のぶかつ)による伊賀攻めを中心に、武士や忍び、元忍者の武士などが入り混じって、智謀策謀の限りを尽くす心理戦の様子が描かれています。
    作中にもありましたが、忍者というと、飛んだり跳ねたりというイメージがありますが、実際には綿密な策を巡らせることを得意とした集団だそうです。

    信雄が父織田信長に禁じられていた伊賀攻めにのりだし、大敗を喫したのは史実ですが、その原因は信雄が功を焦ったわけではなく、伊賀の策略によるものとして、話は動いていきます。実際のところはどうだったのでしょう。

    常に計算されつくした、血なまぐさいやりとりは、読んでいても息詰まるほどですが、その中で息抜きできるシーンである、無門と妻のお国との関係も、見所の一つです。
    伊賀一の実力を持っているのに、お国の尻に敷かれ、頭が上がらない無門。
    ただ、最後にそのわけを自分自身で知る光景には、とても切なくなります。

    無門と日置大膳(へき・だいぜん)との一騎打ちのシーンも手に汗握る迫力です。
    実在したこの武将の腕もかなりのもの。

    いろいろありましたが、本編が終了した後、織田信長が伊賀の国に攻めこみ、第二伊賀攻めとして、今度は伊賀を負かしました。
    時代がそうさせるといえばそれまでですが、結局虚しさばかりが残り、スッキリしない後味となりました。

    全体的に裏切り当然の非情な殺し合いが続けられるため、残念ながら私の好みではありませんでしたが、忍者小説としてはテンポのあるおもしろい話で、ファンは多いだろうと思います。
    最後の、無門と五右衛門が今日の三条橋ですれ違うシーンは、鮮やかな静と動の描写が、とても印象的でした。

  • 忍者といえば、まあ、時代劇とかそういうものだけだと思ってましたが、この小説を読んで、なんとなく彼らの人間くささというか、異形さというか。。。

    彼らなりの筋の通し方。
    わしにはよく分からんが、さもありなんと、引き込まれ、一気に読み切りました。

    どうしようもない金の亡者と思っていた「無門」の心内。
    何か、妙に共感。

  • 時代物とか読んでだいたい感じるのは、薄い。内容がペラペラ。人物像とか、動機とか。現代劇を置き換えただけの。

    御多分に洩れず。

    さらっと読めて何も残らない。

    そう言うものなのかなあ。
    このところ、繰り返して読みたいような小説って、あんまり出会わないな。

  • のぼうの城に引き続き、今作も小気味良いスピード感
    で伊賀vs伊勢の争いが描かれる。これも映画向きだなあ。

  • 何?この無門のカッコ良さ!!無門の他にも、大膳やらお国など、魅力的な登場人物たち。その魅力的なキャラクターがこの物語を一層面白いものにしているのは間違いない。
    和田竜さんの作品は『のぼうの城』以来。歴史小説に対し、苦手意識があった私に優しく手を差し伸べてくれたのが『のぼうの城』だった。物語の世界観と、壮絶な時代背景に圧倒された『のぼうの城』。皆さんのレビューを見ていると、その『のぼう』よりもこちらの方が面白かったという意見が多かったように思う。
    期待して読み始めてすぐに、圧倒的な強さと武士としての熱さを持つ大膳や、後の石川五右衛門の登場にニヤリとし、伊賀一の忍びと言われながらも、怠け者でお国に頭の上がらない無門が登場する頃には、完全にこの世界に取り込まれてしまった。

    物語は、伊賀の十二家評定衆の策略により、織田信雄率いる伊勢と伊賀が戦うことになった。伊賀側は、大膳がこの戦いには参戦しないという目論見があったのだ。その戦いに巻き込まれていく無門を始めとした伊賀の忍びたち。
    ただ、この物語の面白いところは、伊賀の忍びたちは、単に巻き込まれるだけではなく、金に欲が絡んで自らその戦いに巻き込まれていくところ。無門も金以外には興味がなく、それ以上にお国に頭が上がらない故、後々お国に小言を言われるのが嫌で一度匙を投げたこの合戦に舞い戻るという、尻に敷かれよう。
    その無門が強い強い。普段は怠け者で、お国には頭が上がらないという情け無いばかりの無門だが、いざ合戦となると、その強さは惚れ惚れするほど。
    お国をこの上なく大切にする無門だが、その理由を知り、またお国との別れのシーンには不覚にも涙が出てしまった。無門もお国も本当は分かり合えていたんだなと思うと、また涙。
    ラストもまたいい。最高のエンターテイメント歴史小説は、アッサリと『のぼうの城』を超えてしまった。

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