大人のための残酷童話

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 224
感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・本 (203ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103069041

感想・レビュー・書評

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  • 旧仮名遣いだとなんだか情感に奥行きが出るような気がする。

  • ブラックユーモアという香辛料で辛口に仕上げた童話集。私はこういったお話が大好物ですが、好き嫌いの分かれる内容かもしれません。

  • 童話というものは、ハッピーエンドで終わる物だけではない。読者に残酷さを感じさせながらも何でも易々と信じるなとか、恨みを買うこともあるといった教訓を感じさせるものである。と言いたげな童話の「原文」集。

  • 倉橋由美子らしい掌編がたくさん読めて嬉しい~!「全体として、残酷といふよりも救ひのない話が並んでゐますが、いづれも「自業自得」の世界に属しますから、愚行は罰せられ、賢い者はそれなりの正当な報いを手に入れる結果になつてゐます。これが全体を通じての教訓といふことになるかもしれません」に集約されていますが、自分に責任を持つという当たり前のこと、しかしともすると最近はそれが重いことであるかのように取られかねないことが堂々と書いてある。私は好きです。
    話として好きだったのは、「世界の果ての泉」「かぐや姫」「故郷」「天国へ行つた男の子」「鬼女の島」「飯食わぬ女異聞」「人は何によつて生きるのか」あたりですかね。グロテスクな話の方が、エロさ前面よりも好きだった。最後に太字で一文書かれている教訓が、いかにも倉橋節で最高でした。
    特に「世界の果ての泉」の真の愛とは醜いものを愛すること、つまり不可能といふこと、「天国へ行つた男の子」の神様とはつまりお化けなのです、とか好きだったなあ。老人のため~も読みたいです。

    それから素敵な挿絵は『城の中の城』と同じく山下清澄さん!すてき!好き

  • なんだかとても悲しい出来事が出てきました。もちろん因果応報的なものも多いですが。
    心が暗くなります。

  • 2018008冊目

    残酷なグリム童話。と言ってもこちらが、元祖になるのでしょうか。

    オチもない子供向けの童話に比べたら、世の中、そんなに甘くないよという感じで読めました。かぐや姫は宇宙人なのだから、見かけに騙されちゃいけない。一寸法師もこんな小さな人間がいたら、本当だったら気味悪がると思うのだけど。

    現実の厳しさを如実に表してる一冊でした。

  • '92.5読了。
    手放し本。
    お伽噺話をアレンジしてつまらなくするという悪い例。当時の読書メモは、この本にお金と時間を費やした腹立たしさで若さ故の汚い言葉があるため転記できず。

  • 童話や昔話、ギリシャ神話などをより残酷に、またはエロティックにした短編集。気持ち悪い話も多くて苦手。

  • 昔読んだ時の方がインパクトあったような気がする.全部で26話.古今東西の昔話や童話伝承の数々を著者独特のひねりを加えて,そうは問屋が卸さない的な,不幸へまっしぐらな結末へと向かう.その淡々としたそっけなさが魅力的である.山下清澄氏の装画がとてもいい.

  • グリム童話とか日本昔話などの有名なお話を倉橋由美子さんがアレンジした小品集なんだけど、どうもらじとしてはオリジナルよりも面白いとは思わなかった。

    似たようなコンセプトのものだと、太宰治さんの『新釈諸国噺』のほうがずっと面白かったよ。

    太宰さんのほうはユーモアがあって「世の中は童話のように甘くはないけれど、かと言ってそれほど悪いものでもないよ。鬼だって生きていかなきゃならないしさぁ~!」って感じでほっこりするんだよね。

    それに対してこの本は、童話独特の心に残る余韻のようなものを全部そぎ落として、エロとか人間の欲望を露骨に無機質に表現しているだけって気がしました。
    つまり、改変した部分のセンスがらじとは合わない。

    女性週刊誌とかスポーツ新聞のネタっぽいものが好きな人は楽しめるかもしれません。
    どうせやるなら、もう少し中身のあるお話にしてくれたら良かったのになぁ~。

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著者プロフィール

1935年高知県生まれ。大学在学中に『パルタイ』でデビュー、翌年女流文学賞を受賞。62年田村俊子賞、78年に 『アマノン国往還記』で泉鏡花文学賞を受賞。2005年6月逝去。

「2012年 『完本 酔郷譚』 で使われていた紹介文から引用しています。」

倉橋由美子の作品

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