人生、成り行き: 談志一代記

  • 新潮社
3.70
  • (7)
  • (13)
  • (16)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 107
感想 : 12
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103069416

作品紹介・あらすじ

「百年に一人」と賞される現代落語界の至宝、立川談志はその挿話と騒動の多彩さもまた国宝級である。戦時中の少年時代から真打昇進をめぐるごたごた、鳴り物入りの政界進出、落語協会脱退と立川流創設の裏話、そして芸談と私生活まで。立川志の輔もゲストに招いた、言い遺しておきたいことのすべて。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • わーわー言ってる

    予備知識がない僕にはこんな印象。

    落語家と政治家がいっぱい出てくる。

    立川談志さんについては、「ツッパっている」という子供時代のイメージのままだったので、落語を見たのも本を読んだのも今回が初めて。

    一言で言うと、
    「正直に生きた人」

    それと、則子夫人のエピソードが天然風でとてもかわいい。(79ページから)

    「眠れない」と談志のところにやってきて、枕元で落語を一席やらせて眠りにつく、とか、

    談志が癇(ひきつけ)を起こしたとき、なぜかガス栓を止めた、とか、

    相撲の貴乃花部屋のことを「貴乃花小屋」という、とか、

    銀行のカードの暗証番号を忘れたと、「暗証番号自体は覚えているけど、その覚え方を忘れてしまって・・・」という、とか

    さすがに予備知識がなくても楽しく読める。

    ☆はつけられないなぁ。

    前提を知ってから読むと、感想もずいぶん違ってくるだろうし。

    でも、立川談志さんや他の落語家さん、佐藤総理から福田総理までの政界の動きをある程度覚えている方は、読んで楽しめるかも。

  • 特典

  • 「この人」はと思う人を
    しっかり語り継ぐ
    ただ、もうそれだけで
    大切な「一つの芸」だと思う

    吉川潮さん
    お見事!

  •  本書、全編これ立川談志。
     なので、談志ファンは読むだろうし、落語ファンだっていままでの東京の落語界、そしてこの先どうなるといったところで読むんでしょう。とすれば、アタクシなんぞがこれ以上書くこともなくて、最後にいいもの読んだァ、と感嘆してお仕舞いでいいんです。小さん師匠との間柄についても、相手が吉川さんだから、そしてこの年になったからはじめて書けることもあったりして、企画としてもこれ以上無く、よかったんじゃないかなぁ……と。

  • 奥さんに関する話がほんわかしていて良かった。また、師匠が奥さんのことをちっとも悪く言わないどころか、良い所を挙げてストレートに褒めているのは素晴らしいと思う。

  • オレ的気になる人ランキング上位に位置していた立川談志。

    その談志がこの前死んだ。

    別にファンでもないし、落語は好きでちょこちょこ聞くが談志の落語は聞いたことがない。

    自分の中で談志の落語を聞くということは、音楽で言ったらマイルスデイビスを聞くことに等しい畏怖があった。

    自分が想像するにおそらく落語界の最高峰。

    談志の事は全く知らないので勝手な想像なのだが、談志以前と以後で世界が変わったような、そんな巨人をイメージしている。

    圧倒的な本物に対峙するためにはその深みにはまる覚悟が必要だ。好きになるにせよ、ならないにせよ、自分が持てる感性を最大限に引き延ばして本気で挑まなければわからないんだろうなという巨人攻略のための重たい覚悟が必要。

    そんな事を考えてしまうとどうも腰が重くなり、いつまでたってもマイルスは聞かないし、談志の存在にもいつまでも目をつぶっていた。たまに片目だけ開けてこっそり見たりもしてはいたが、まだ手を出すには早すぎると考えていた。

    この前、談志が死んだニュースを見て、いつか、聞いたことのない彼の落語を聞いた時、永遠に埋まることのない欲求不満を自分が持つことになってしまう可能性がうまれてしまった事実がショックで、なんだか取り返しがつかないことをしてしまった気分になった。

    ジェームスブラウンが死んだときの感覚に似てるのかな。

    なんでも生きてるうちが華で、その華を出来るだけ最高にキレイなうちに、もったいぶらずに見ておくべきだと思う。

    自分も他人も生きてるうちが華なのだ。

    そんな事を考えてしまった読書でした。

  • とにかく凄い人という印象。

  • 談志、ここに在りって感じが、もうあちこちから湧いてくる。
    衆議院落選後の参議院選での街宣車からのアピールはすごい。
    政策なんていらない。
    誰を信じるかだ。
    ぽんぽんと速射砲のように繰り広げられるアピール。
    これはなかなかいまの政治家にはできない。
    やったところで、嫌がられるだけ。
    テレビに出ている人であり、談志だからできるのだろう。

    人間の業の肯定からイリュージョンへ。

    第9回そして最後の志の輔との対談は、立川流家元の真髄である。

  • 3/4読了。

  • 20/10/20 100
    現実は事実

    ポリティカリー・コレクト・・・正しいことしか言ってはいけない社会になったアメリカでひどい犯罪が多発する。

    熱心に取り組んでも結果がでなけりゃ仕方ないけれども

全12件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

落語家、落語立川流創設者。1936年、東京に生まれる。本名、松岡克由。16歳で五代目柳家小さんに入門、前座名「小よし」を経て、18歳で二つ目となり「小ゑん」。27歳で真打ちに昇進し、「五代目立川談志」を襲名する。1971年、参議院議員選挙に出馬し、全国区で当選、1977年まで国会議員をつとめる。1983年、真打ち制度などをめぐって落語協会と対立し、脱会。落語立川流を創設し、家元となる。2011年11月逝去(享年75)。

著書には『現代落語論』(三一新書)、『談志百選』『談志人生全集』全3巻、『立川談志遺言大全集』全14巻(以上、講談社)、『談志絶倒 昭和落語家伝』(大和書房)、『談志 最後の落語論』『談志 最後の根多帳』『立川談志自伝 狂気ありて』(以上、ちくま文庫)、『談志が遺した落語論』『江戸の風』(以上、dZERO)などがある。

「2021年 『談志の日記1953 17歳の青春』 で使われていた紹介文から引用しています。」

立川談志の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ヴィクトール・E...
中島 京子
レイモンド・チャ...
冲方 丁
立川 談志
三浦 しをん
村上 春樹
村上 春樹
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×