- Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103070214
作品紹介・あらすじ
過ぎていく日々、去っていく大切な人々。それでも私の人生は続く。軽やかに、上機嫌に!芸術家一家に育った女優が綴る、真面目で、可笑しく、滋味あふれるエッセイ集。
感想・レビュー・書評
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岸田今日子さん(1930.4.29~2006.12.17 享年76)、富士眞奈美さん(1938.1.15~)と大の仲良しで(だった)3人で国内外の旅行を楽しんだ吉行和子さん(1935.8.9~)の楽しいエッセイ「老嬢は今日も上機嫌」(2008.6)を読みました。天真爛漫、明るい老嬢?の様子がうかがえますw。ただ、妹・理恵さんが治るはずの癌で半年の入院中に命を落とした悲しみ、それを、元気なあまりころんで大腿骨を折り入院中の母に伝えるときの気持ちと母の憔悴した姿のくだりには、思わず追体験をしてしまいました。
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人柄の良さがうかがわれる、妹さんを亡くされて、今まで怖かった死が怖くなくなったと、同じ、分かる、分かる!
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914.6
父・エイスケ、兄・淳之介、妹・理恵、そして岸田今日子さんとの思い出。100歳を迎えた母・あぐりのこと… -
「あぐり」ファンなので。
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トークショウを機に読了。
さらりと書かれたように見える文章の集まりなのだが、内容的にも読み応えがあり、しみじみと読んだ。彼女の刻んだ年齢と生き方のせいだろう。
淳之介や理恵さんのことあぐりさんのことなど家族のことにもふれてあった。
現在は、俳句を楽しんでいるそうだ。彼女が句会へ行くきっかけになった句は、龍之介の「青蛙 おのれもペンキ 塗りたてか」だそうだ。こうしたページも自分の興味と重なった。 -
女優吉行和子さんのエッセイ集。さらっと読めてああそうだったのかと思う。
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母上のあぐりさんは百歳を迎えても、矍鑠たるもの。自立した生活力と娘・理恵さんの遺稿集を編むなど本当にびっくりの気丈な方。料理苦手な和子さんにお袋の味を御馳走してくれる。
和子さんの身辺雑記エッセーは自然体だ。
子どもの頃、妹の理恵さんと大きな鏡を床に置い覗き込みながら物語を演じるというのは、私の子ども時代の同じような鏡との記憶が蘇る。
理恵さんのがん闘病時、あの世とこの世を行き来する二人の会話は不思議なほどに違和感がない。なんだかとても幸せなのだ。だから和子さんは「・・・そんなものは飛び越えて妹に会いに行ける術を身につけた。もう恐いものはない」と、老嬢は今日も上機嫌なのだと結ぶ。