• 新潮社 (2004年8月25日発売)
3.62
  • (5)
  • (5)
  • (9)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 64
感想 : 4
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (168ページ) / ISBN・EAN: 9784103077084

みんなの感想まとめ

自然に対する深い感受性と命の営みを描いた作品は、著者が木々に寄せる情熱を通じて、読者に心の安らぎをもたらします。著者は自身の経験を交え、木々の命の芽吹きや荒れた森の姿に感動し、時には涙を流すほどの真摯...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 幸田文さんが木へ向ける関心や感受性は、まるで人間に向けるそれ。
    命の芽吹きに感動し、荒れた森を見て涙する、こんなにも自然体で木に向き合う文章は初めてでした。

    自分の調子が悪かった時、死にたいとか消えたいとかよりも、木になりたいと思っていたのを思い出して、人間として生きることを少しは楽しめるようになった今をすごく幸せに感じました。

  •  日本の代表的な木を3本と問われると難しいですね。私の場合、松、桜、梅でしょうか・・・。幸田文「木」、2004.8発行。木に関する、木に由来する15のエッセイです。屋久杉とは樹齢千年以上の杉。なかでも縄紋杉は樹齢七千二百年、驚きです。全く別の話ですが、露伴が娘の文に財布を渡し、植木市で孫の玉が好きなものをと。玉は立派な藤の鉢植えがいいといったけど、文は小さい山椒の木に。帰宅して露伴の厳しい指導を。「金銭云々で子の栄養を考えない処置にはあきれてものも言えない」と。確かに、草木に心をよせる、大切な感性ですね。

  • だいぶ年配になってからの著作だと思うのだけど、すごい好奇心と行動力。

    一冊前に読んだ作品では物静かな作家という印象を受けたけど、この本ではおきゃんな少女がそのまま育ったという印象だった。

  • 屋久島に行く準備の一環、その2。幸田さんは七十を過ぎて縄文杉に会いにいったらしいので。
    縄文杉のことを読もうとおもったけれど、「えぞ松の更新」が実によくて心にのこった。
    北の澄んで冷たい空気と水、倒木に一列に生える松の若木、その苗床になる老木…もっとも清冽なかたちの死生観と輪廻のような気がする

    「一つだけ、今度このたびおぼえた。日本の北海道の富良野の林中には、えぞ松の倒木更新があって、その松たちは真一文字に、すきっと立っているのだ、ということである」

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

1904年東京向島生まれ。文豪幸田露伴の次女。女子学院卒。’28年結婚。10年間の結婚生活の後、娘玉を連れて離婚、幸田家に戻る。’47年父との思い出の記「雑記」「終焉」「葬送の記」を執筆。’56年『黒い裾』で読売文学賞、’57年『流れる』で日本藝術院賞、新潮社文学賞を受賞。他の作品に『おとうと』『闘』(女流文学賞)、没後刊行された『崩れ』『木』『台所のおと』(本書)『きもの』『季節のかたみ』等多数。1990年、86歳で逝去。


「2021年 『台所のおと 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

幸田文の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×