無人島のふたり: 120日以上生きなくちゃ日記

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103080138

作品紹介・あらすじ

お別れの言葉は、言っても言っても言い足りない――。急逝した作家の闘病記。これを書くことをお別れの挨拶とさせて下さい――。思いがけない大波にさらわれ、夫とふたりだけで無人島に流されてしまったかのように、ある日突然にがんと診断され、コロナ禍の自宅でふたりきりで過ごす闘病生活が始まった。58歳で余命宣告を受け、それでも書くことを手放さなかった作家が、最期まで綴っていた日記。

感想・レビュー・書評

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  • 私が、自転しながら公転するを読んでいる時には、既に山本文緒先生はこの世に居を去られていた。

    凄い力作だなぁと思ったし、もっとこの作家さんを読んでみたいと思ったのだが、とても残念だ(ToT)

    この本は、膵臓癌で治療法は無く、進行を遅らせることしか出来ない状況で、緩和ケアを選択された山本文緒先生の生々しい逃病生活を綴った日記だった。
    闘病ではなく、逃病らしい。

    最後まで日記を書き、本にしようと思う意欲、さすが作家さんだなぁ。。。

    凄く正直な文体で、引き込まれるように読み入ってしまった。

    余命を宣告されて、はい、そうですか!とはならないよな。。。

    事実を綴った日記だろうからか?その苦しみがより伝わってきて読んでいて辛くなるし、終わりが近づくと怖くなる(ToT)

    そんな苦しい中でも、たくさんの本を読まれるんだなぁ。。。本が本当にお好きなのだろうな。


    山本文緒先生の、こんな苦しい中でも伝えようというお気持ちに★×5 を捧げたい。

    • bmakiさん
      K村さん

      昨日から、私のtypoが酷くてすみません(^◇^;)
      昨日からではなく、かなり前からですが(^◇^;)

      このiPho...
      K村さん

      昨日から、私のtypoが酷くてすみません(^◇^;)
      昨日からではなく、かなり前からですが(^◇^;)

      このiPhone、以前から思うように変換してくれないんですよねー( *`ω´)

      会社のイントラネットで読んだんだったか??
      女性はアルコール分解能力が男性より弱いから、ビールは一日500mlでも多すぎるとか!?そんなことが書いてあって、大変不愉快でした(笑)
      が、健康を考えたら飲酒量を減らすしかないんでしょうけど(^◇^;)

      K村さん、年齢到達されていましたか。
      私は今年50歳になりますが、ここのところ体のあちこちに衰えを感じます(-。-;

      お互い気をつけて生活しなくてはいけませんね(^◇^;)
      健康に、美味しく飲んで死んでいきたいですo(^▽^)o
      2024/02/23
    • ハッピーアワーをキメたK村さん
      まきさん

      ん?typoですか?
      全く気付きませんでしたよ(*^^*)
      あっても人のは気にしていません
      私はよく間違えるのであまり酷いヤツだ...
      まきさん

      ん?typoですか?
      全く気付きませんでしたよ(*^^*)
      あっても人のは気にしていません
      私はよく間違えるのであまり酷いヤツだけはペンマークの所押して修正していますけど、基本ご愛嬌という事で。。。へへへ

      子供の頃にTVで活躍していた人が最近亡くなる事が多くて、ニュースを見る度に驚いてしまいます
      そして死んでもいない人を勝手に殺したりしています
      え?死んでいないよ、と娘からツッコミが入ります
      同僚と話していると、えーあの人生きてるっけ?と言う話題になりスマホで検索したりしてます
      記憶力もやばいです笑

      500mlなんて。。。
      大変不愉快ですよねꉂꉂ(๑˃▿˂๑)アハハ
      いつまでも美味しいもの食べて飲んでいたい☆
      2024/02/23
    • bmakiさん
      K村さん

      K村さんは懐が深い方ですねo(^▽^)o

      確かに!
      芸能人で亡くなったのか、生きてるのかわからなくなることがあります...
      K村さん

      K村さんは懐が深い方ですねo(^▽^)o

      確かに!
      芸能人で亡くなったのか、生きてるのかわからなくなることがあります(笑)
      wikiで調べちゃいますね( ̄∇ ̄)

      今日は寒くて冷たい雨で、どインキャの私は外に出るにも億劫だったのですが、焼きたてパンのお店で凄く美味しいパンが水木金しか売っていなくて、普段食べられないので買いに出かけました( ̄▽ ̄)

      今日はそのパン齧りながら一杯やっております(´∀`)
      美味しい物食べながら、一生飲んでいたい〜╰(*´︶`*)╯
      2024/02/23
  • 余命宣告を受けた作家の最後の日記
    遺作になってしまう「ばにらさま」のこととか
    作中できてきた女流作家を中心に連作短編集を作りたかったことなど
    時間があればまだまだ素敵な作品を書いてくれたと思うと
    惜しまれます。
    作家仲間の唯川恵さんと若い頃一緒に高尾山に登ったエピソード
    とかが印象的でした。

    • かなさん
      しじみさん、今年もどうぞよろしくお願いします(^^)
      山本文緒さんの作品、私も何冊か読んでいますよ。
      もう亡くなられていることが残念でな...
      しじみさん、今年もどうぞよろしくお願いします(^^)
      山本文緒さんの作品、私も何冊か読んでいますよ。
      もう亡くなられていることが残念でなりません。
      でも沢山の作品を遺されているので
      また手にしてみようと思っています。
      2024/01/05
    • つくねさん
      かなさん、こんにちは!

      「ばにらさま」を読んで初めて知った作家さんなんですが
      「自転しながら公転する」も読んでみたいと思ってます。
      ...
      かなさん、こんにちは!

      「ばにらさま」を読んで初めて知った作家さんなんですが
      「自転しながら公転する」も読んでみたいと思ってます。

      2024/01/06
  • 山本文緒さんのプロとしての魂を見ました。自分は研究者の端くれ、社会に貢献する成果を出すのが「使命」で、それで1人でも救われるかもしれないと思っているので続けています。山本文緒さんは作家として、命を削っても書き続け、これが「使命」だと感じたのだと思います。さらに言うと、書くことが好きだったんだろうとも思います。好きなことが「使命」になるというのは幸せなことで、自分も幸せなことなんだと感じています。人間必ず死を迎えます。難しいことに、死がいつ来るかは分かりません。だからこの瞬間の幸せを感じて生きたいのです。⑤

  • ある日突然がんと診断され、余命宣告を受けても書き綴った最期の日記。

    山本文緒さんと言えば、「自転しながら公転する」が印象深く記憶にも新しい。
    そんな作家が、自ら書き残した記録。

    私の人生は充実したいい人生だったと彼女は言ってるのが切なく感じた。
    余命宣告を受ければ、なかなか普通の心情ではいられない。
    書き綴っていないこともきっとあったであろう。

    9月7日 兄の手を最後だから握った。兄の手にさわったなんて子供の頃以来だ。
    なんとも辛くて悲しい場面だと…涙してしまった

    9月11日 長年小説を書いてきてもういい加減「書かなくちゃ」という強迫観念から解き放たれたいと感じるかと思ったら、やはり終わりを目前にしても「書きたい」という気持ちが残っていて、それに助けられるとは思ってもいなかった。

    最期まで彼女は小説家であったと思わせる一文だった。

  • これは生きている人間すべて他人事ではない。

    山本文緒さんは、毎年健康診断を受けていたのにもかかわらず、ある日突然、ステージⅣの膵臓がんを宣告される。
    早速、抗がん剤を受けたときに、ずいぶん酷い副作用が出てしまい、早々に緩和ケアに移行する。

    この日記は、緩和ケアに移行してから、死の十日前までに書かれた、作家・山本文緒さんの‘逃’病日記である。

    夫さんや医師や看護師、周りの人たちに労れながらも、それに驕ることなく、優しく周りに気を使いつづけた山本さん。

    もう、そんなに気を使わなくていいですよ、と、胸が詰まった。

    がんの進行にともない、どんどん体が辛くなっていく。
    その辛さ大変さを綴りながらも、ユーモアを忘れない。
    なかなか出来ることじゃないですよね。

    最後まで文章を書くことを手放さなかった山本さん。
    死後に出す出す予定のこの本の企画を進めていく山本さん。

    どんな気持ちなのか想像できない。
    いや、想像はするのだけれど、想像しきれない。

    大切な人たちを残し、去っていくのは名残惜しいと思う。
    でも、山本さんはたくさんの著作を残して逝った。

    たくさんの読者のこの本の感想を、山本さんに読んでもらえいのは残念だけれども、確かなものを残してくださったことに感謝です。

    • naonaonao16gさん
      5552さん

      読みながら胸が詰まりそうになりました。
      山本文緒さんの訃報は衝撃でした。お若いしまだまだ現役の作家さんだったし、これからも多...
      5552さん

      読みながら胸が詰まりそうになりました。
      山本文緒さんの訃報は衝撃でした。お若いしまだまだ現役の作家さんだったし、これからも多くの作品に触れられそうだなと思っていた作家さんでした。

      わたしはご病気だったのも知らなかったので、このような作品を残されていることも知りませんでした。
      緩和ケアを受けられていたんですね。

      生きている間に、絶対に読んでおきたいと思うレビューでした。
      ありがとうございます。
      2023/03/09
    • 5552さん
      naonaonao16gさん

      私は、山本さんの作品は『恋愛中毒』以来、でしたが、この日記は、読まなくちゃ、と、思いました。
      Book...
      naonaonao16gさん

      私は、山本さんの作品は『恋愛中毒』以来、でしたが、この日記は、読まなくちゃ、と、思いました。
      Bookbangという、書評まとめサイトの角田光代さんの追悼文によると、山本さんは、「優しすぎるほど優しい」人だったそうです。
      その優しさがこの日記からも伝わってきて、堪らない気持ちになります。
      同業者からもファンからもとても慕われていた方だったんですね。
      naonaoさんは山本さんの作品もレビューされていましたよね。
      山本さんに思い入れが強ければ強いほど辛い記述もあると思いますが、生きている間に是非。


      2023/03/10
  • 昨年58歳で亡くなった作者の余命宣告を受けた時から、亡くなる直前までの日記。
    コバルト文庫の時からずっと好きな作家さんで、この作家さんの作品と共に年齢を重ねて来た気がする。
    せっかく「自転しながら公転する」が様々な賞を受賞し、久しぶりに話題作となった矢先の訃報に、ファンとしてはただただ呆然とし、悔しい思いしかなかった。
    自分も身近な人を、同じすい臓がんで亡くしており、初期症状や病気発覚から亡くなるまでの経緯もそっくりで、涙なしでは読めなかった。
    辛いはずなのに、気丈に綴られた日記。
    最後まで本を出すことを諦めなかった作者としての矜持。
    本人が一番悔しかったに違いないと思うけど、あなたの作品は間違いなく、この先も読み継がれていくと思います。
    素敵な作品をたくさん残してくれて、ありがとうございます。
    心よりご冥福をお祈りします。

  •  2021年4月にすい臓がんの末期と診断を受けられ、その後在宅にて緩和ケアを受ける選択をされた山本文緒さん…2021年5月から亡くなられる10日ほど前の2021年10月までの日記、享年58歳…。

     日記なので、山本文緒さんの思い、気持ちがそのまま伝わってきます…。そして刻々と変化する身体の状態も、読み取ることができます。ありのままを山本文緒さんが紡ぐ文章はつらいだけではなく、不思議とポジティブな考えをもたらしてくれます!最期まで大好きなご主人とご自宅で過ごせたこと、入院はいやだという思いを尊重できた結果だと感じました。

    「自転しながら公転する」の表紙になんだか惹かれて手にしたのは、山本文緒さんがすでに他界されたあとになります。その後「ばにらさま」を読みましたが、どちらも大好きです。これから沢山山本文緒さんの新作を読みたかった気持ちもありますが、沢山の作品を遺されていますので、そちらを読みたいと思っています。

  • これは闘病記ではなく逃病記、としみじみ語る山本文緒さん。病から逃げ出したくなる気持ち、分かります。逃げられるものなら逃げたいですよね。
    けれどその一方で「うまく死ねますように」という文章もあって、山本さんの冷静に病と向き合う姿勢に驚いた。

    膵臓がんステージ4。余命4ヶ月。
    2021年10月13日ご自宅にて永眠。享年58歳。
    日記の最後の日付は10月4日となっていて、亡くなるちょっと前まで筆を置くことのなかったことが分かる。
    執筆したい小説の内容も幾つか頭の中にある、と書かれてあって…最後の最後まで"小説家"だったんですね。

    化学療法ではなく緩和ケアをする、とご自身が決断され、そこから旦那様と二人三脚のような日々。
    山本さんの旦那様がほんとに素晴らしい方で、山本さんへの接し方が優しくて愛情しか感じられなくて、ほんと泣けてくる。

    緩和ケアのクリニックのスタッフさんも良い方たちばかり。もし自分も山本さんのような状態になったら緩和ケアにしたい、と思ったくらい。

    この作品を読む前、正直怖かった。最後まで読み切るメンタルが保てるか…。取り敢えず何とか読み切ったんだけれど、色々思うことがありすぎてうまく文章にできません。
    山本さんの作品は未読のものがまだあるので、これから少しずつ読んでいきたいと思います。合掌。

  • 58歳の余命宣告。死の淵でも救いはある。山本文緒さん『無人島のふたり』に描かれた最期の日々|CORECOLOR
    https://corecolor.jp/2708

    寄り添われる、という読書(角田光代) 波2022年11月号
    https://www.shinchosha.co.jp/book/308013/#b_review

    山本文緒 『無人島のふたり―120日以上生きなくちゃ日記―』 | 新潮社
    https://www.shinchosha.co.jp/book/308013/



    • 猫丸(nyancomaru)さん
      がんを宣告された小説家が、最期の日々を綴った日記。そばにはずっと、夫がいた〜『無人島のふたり 120日以上生きなくちゃ日記』【中江有里が読む...
      がんを宣告された小説家が、最期の日々を綴った日記。そばにはずっと、夫がいた〜『無人島のふたり 120日以上生きなくちゃ日記』【中江有里が読む】 【書評】『無人島のふたり 120日以上生きなくちゃ日記』著◎山本文緒|教養|婦人公論.jp
      https://fujinkoron.jp/articles/-/7544
      2023/02/20
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      痛みも死も日常として書き続けた、がんで急逝した山本文緒の闘病記|Pen Online
      https://www.pen-online.jp/a...
      痛みも死も日常として書き続けた、がんで急逝した山本文緒の闘病記|Pen Online
      https://www.pen-online.jp/article/012699.html
      2023/03/02
  • うまく言葉が紡げない。
    山本文緒さんは、逝ってしまった。
    闘病記でなく、逃病記。
    言葉の選び方や表現がとても素敵だった。
    もう治らないと告知された後も、辛いことやしんどいこともあったと思うけれど、ポジティブにその日、その日を生きておられ、1日1日の日記のなかに山本文緒さんの生が溢れていた。その闘病を支えたご主人も素晴らしい方だと思う。
    最後まで小説家として、人生を全うされたんだなと、本当に素晴らしい

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著者プロフィール

1987年に『プレミアム・プールの日々』で少女小説家としてデビュー。1992年「パイナップルの彼方」を皮切りに一般の小説へと方向性をシフト。1999年『恋愛中毒』で第20回吉川英治文学新人賞受賞。2001年『プラナリア』で第24回直木賞を受賞。

「2023年 『私たちの金曜日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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