十字軍物語2

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 500
レビュー : 58
  • Amazon.co.jp ・本 (289ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103096344

作品紹介・あらすじ

第一次十字軍の奮闘により、聖地イェルサレムに打ち立てられた十字軍国家。だが、イスラム側に次々と現れる有能なリーダーたちによる猛反撃を前に、防衛の側に回ったキリスト教勢力は、苦境に立たされることになった。ヨーロッパから神聖ローマ帝国皇帝とフランス王が参戦した第二次十字軍は古都ダマスカスを攻めるも、なす術なく敗走。孤立した十字軍国家を束ねる若き癩王は、テンプル騎士団と聖ヨハネ騎士団の力を借りながら総力を結集し、ジハードを唱えるイスラムの英雄サラディンとの全面対決を迎えることになった-。

感想・レビュー・書評

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  • いよいよイスラムにサラディンが出てきてイェルサレムを奪還する。 この当主こそ理解力もあり、戦略も兼ね備えていた。 イスラム世界は、このサラディンを主導者として仰ぐ。

  • ただの通史ではなく、そこに生きた人々の心情まで描写する塩野七生さんの作品には歴史への愛情をいつも感じます。

    ローマ人の物語
    海の都の物語
    と並ぶヨーロッパ史3部作ですね。

  • 今回の主役達は聖堂騎士団と聖ヨハネ病院騎士団とヌラディンとサラディンとイスラエル王国の国王達。

    聖堂騎士団と言えば、以前「ダヴィンチ・コード」を読んだせいで妙に神秘的なイメージを持ちすぎていたが、かなり修正されることになった。
    聖ヨハネ病院騎士団については塩野七生氏の「ロードス島攻防記」以前の歴史として興味深かった。
    ヌラディンは初めて聞いた人物。本人としては不本意であろうが、サラディンが登場する地ならし的に歴史を構築した人物。
    サラディンは「ジハード」を初めて唱えてイスラム側をまとめ、聖地奪還をはたした人物だが、現代イスラムでは英雄なのだが、今なお迫害されがちなクルド族出身であることに驚いた。
    今回はひたすら守りに立つイスラエル王国の国王の中では、若干13歳で戴冠したライ王(ライ病のライって変換で出ない)ボードワン4世が重い病気の中、奇跡的な統治を行っているのが光る。

    聖ヨハネ病院騎士団の「クラク・ド・シュバリエ」(騎士達の城)の回廊のアーチに刻まれた言葉。
    「おまえが裕福な出であろうと、それはそれでよい。おまえが知力に恵まれていても、それはそれでけっこうだ。また、おまえが美貌に生まれたのならば、それもよし。
     だが、このうちの一つであろうとそれが原因となって、おまえが傲慢で尊大になるとしたら、問題は別になる。なぜなら、傲慢とその表れである尊大は、おまえ一人に限らずおまえが関係をもつ人のすべてを、損ない汚し卑俗化してしまうからである。」

  • 十字軍国家の成立からサラディンによる奪還までを書いた物語。読み始めると一気に読み切ってしまう迫力。
    サラディンは有名だけど、敵には恵まれなかったのだなぁと思った。希代の戦略家ではあるのかもしれないが、その実力のほどは、敵が弱かっただけには、正確にはつかめない。意外と地味な感じがした。
    ヨーロッパの歴史研究者が意外に偏狭なところも驚いた。宗教的な縛りで、経済的な観点の考察が不足しているなんてね。日本人である塩野さんの本領発揮と思った。自分もこういう形で日本人であることの利点を生かし、キリスト教的読み終わったがらみから自由でいたいと思った。

  • 第3世代以降の十字軍国家の低迷が記される。低迷の理由は人材難。もはや建国なった十字軍国家にわざわざ臣下に下る理由もないといえばそれまでだか。一方、病院騎士団、聖堂騎士団の成り立ちに紙幅が割かれる。騎士は中世の花。その騎士道精神がイエルサレムを征服するサラディンをも動かす。イスラムにも騎士道精神に通じる寛容があったのだ。

  • サラディン登場!なぜ、イスラムの英雄なのか勉強になりました。長年積ん読だったけど、

  • 12月14日読了

    十字軍とは遠征軍を指すと思いますが、この「十字軍物語」は次が最終巻だというのにまだ第二次までしか書かれていません。第十次位まであるんですよね?
    それでこの巻では十字軍は「十字軍国家」を指すのだと思いました。
    十字軍国家を維持していくためには一次の子孫たちの他に聖堂(テンプル)騎士団と病院(ホスピタル)騎士団そしてイタリア海洋都市国家(ピサ・ジェノバ・ヴェネツィア)の存在が大変重要だったのです。
    この巻で一番上手くいっているのはヌラディンに続いたサラディンなんですが、私が一番好きなのはボードワン四世。
    イェルサレム奪還が彼の時代ではなくて、姉の夫、顔がいいだけが取り柄のルジニャンが王の時でよかったー。
    でもそれ以外にも面白いキャラクターがたくさんで厚いけどどんどん読めます。
    すでに発売されている第三巻が超楽しみ♪地元の図書館で一番なのです。早くこないかなー♪

  • ううむ。塩野婆さん、この巻は中盤以降、筆が走り過ぎているんじゃないの?
    繰り返しも多いし、文章もおかしなのが散見されるし(これは編集者の責任も大きいが)もしかして◯◯てきたのでは?
    ま、ともかく次巻はライオンハートが登場する。楽しみだ。

  • エルサレムを奪ったキリスト教諸国が守りに入るが敗れ去るのがこの二巻。それはイスラム側の反撃を意味し、対十字軍の英雄サラディンの登場を意味する。エルサレムを巡る戦いはここから一つの転換点を迎え、その遺恨が現代まで尾を引きずっている。

  • サラディン現る。圧倒的な軍略を持つ天才の前に十字軍は敗れ去る。こうして100年にわたる十字軍のイェルサレム統治は終焉を迎えるのだった。

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