著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (711ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103097389

感想・レビュー・書評

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  • 若い頃は継之助をなぞるように煮えたぎる思いを抱いたが、
    長い年月を経て、近隣の歴史を知るたびに、彼の選択は果てしてこれで良かったのかと疑問に思える。うちの町、官軍の本陣を置いただけで、のちに長岡藩によって丸焼けにされましたから。
    小林虎三郎に昨今光があたり、継之助は再び幕末の頃のように陰になろうしている。
    司馬遼太郎が当てた光が陰をおびはじめ、今後、どのような評価になり、どのように地元に扱われるのか見守っていきたい。

  • 長岡藩 河井継之助の一生を描く
    幕末の小藩に生まれた継之助であるが
    時勢に流れないしっかりした信念を持って行動していく姿に心打たれる。

    薩長を主体とする官軍と会津藩を中心とする東軍の間に立ち調停するという突飛な戦略を持つがなぜかそれをやり遂げるのではないかと思わせる大人物と描かれている

    しかし、あまりに小藩のためそれはかなわず戦闘することになり、最後は時代の犠牲者として逝く

    敗者であるがロマンを感じる作品であった


  • 「龍馬がゆく」と「坂の上の雲」のあいだに書かれている作品。
    そして、長岡藩執政、河井継之助を描いている数少ない作品でもある。

    文庫版を読んだのだがあまりにも長編のためここに纏める。

    地元の人からは北越戦争を引き起こし、長岡を焦土とした張本人とされ、幾度も墓を破壊されたといういわくつきの人物。
    類まれな洞察力、先見の明を持ちながらも、藩に、立場に縛られ続けた男。
    そして、当時としてはあまりにも度外れた発想力を持った男。
    その思想を理解できるものがもう少しいれば、事態は変わっていたかもしれない。

    作品中でも現実でも散々言われていることだが、小千谷談判において「薩長」はもう少し人材を選ぶべきだった。いかな理由があったとはいえ、愚行と言わざるを得ない。

    北越戦争開始までが個人的には読んでほしい箇所。
    混迷期における藩の財政建て直し、制度改革をいかに成し遂げたのか。
    社長でも政治家でも、人を率いる方には是非とも一読していただきたい。

  • 主人公の学問に対する学び方が好きじゃない。
    確かに極めようとすると時間がないが、学ぶ姿勢は大切だと思う。

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB99327229

  • 2022年6月映画化
    摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB99327229

  • 15年ぶりの再読。

  • 主人公の時代を越えた目線が好き。
    譜代大名ながら、西洋式の近代兵器を備え、北越戦争で官軍に立ち向かった。
    本質を捉えて周りとは違った考え方や行動ができる人はとても魅力的だ。

  • 時は幕末。越後長岡藩の藩士河井継之助が江戸にはじまり西へ遊学する。やがて幕府が崩壊のときを迎えたとき、継之助は家老となり一国中立(独立)の道を目指すも・・。行動の学問・陽明学を範とする一方、お座敷遊びが大好き。友人の良運、隠居の父、妻おすが、遊学先で出会ったスイス人のファブルランド、国籍不明のスネル、福地源一郎など、人に恵まれ人が好きであった。魅力的な人物である。

  • 長岡藩/河井継之助の遊学から様々な人々との出会いと立身出世。佐幕派と官軍の中立を貫こうとしたが、官軍と抗戦する状況になる。海外との貿易により藩が栄えることを夢見た。

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著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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