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Amazon.co.jp ・本 (216ページ) / ISBN・EAN: 9784103114178
みんなの感想まとめ
貧困の現実を鋭く描写した作品であり、特にアフリカの貧困地域に焦点を当てています。著者は、住居や食料、医療など基本的な生活条件が欠如している状況を詳細に記録し、寄付が必ずしも効果的ではないことを示唆して...
感想・レビュー・書評
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老女の一徹。
いい意味でも悪い意味でも。
凛としている。自分なりの価値観をしっかりと持ち、それがもたらす軋轢も覚悟し、そのうえで、自分なりの価値と視点を貫く。その透明感は、老女にしか表現できないものだと思う。
バイアスを無視するのではなく、自分はこういうバイアスを持っていると宣言し、そのバイアスに確信を持っている。
あらゆるものは表現者のフィルターを経るわけであり、貧困もバイアスを抜きにはできない。
貧困を語るべきだと思い、語る自分のバイアスを明らかにし、そのうえでとことん自己の正義に従った意見を叙述する。それはなかなかできない。
だから、これはとてもいい本だ。
それがゆえに、限界もある。
「俯瞰的な見方」を自ら排除しているのだから、それがないことを批判すべきではないが、やはりここまでの人がここまでの現実を踏まえて書くのだから、俯瞰的な視点がないのは物足りない。
もっというと、俯瞰というよりも、見えない部分を書いてほしい。
不可視の部分にダイブするのは危険である。だからそれは自ら踏みこまないようにしている。それはもっともなスタンスなのだけど、そこに老女の清潔さと限界を感じてしまう。
年齢のことばかり言って申し訳ない。著者の年齢など別に問題にすべき部分ではないのは良く分かっている。だけど、そのように言いたくなってしまう。 -
住む家がない。食べるものがない。着るものがない。仕事がない。病院がない。あっても医者にかかることができない。お金がない。そして希望がない。ないない尽しのアフリカを中心とした世界貧困地帯の見聞録である。寄付を貧困国に渡すのはその国の首長を富ませるだけのこと。寄付金の使途と管理者の見極めに苦心する曽野氏の溜息が聞こえてくる。決してシュバイツアーのように『全く余計な感情を入れずに、あるがままの事態と、困惑や苛立ちを記録』されているわけではない。『もしも世界が100人の村だったら』や『あの金で何が買えたか』に加え、著者が実際に遭遇した貧困から「格差問題」を考えるキッカケになればよいと思う。ただ、日本の国会における格差論議をアフリカの現状と比較しながら一笑に付す姿勢はいただけない。上も下も見渡せばきりがないのは世の常。程度の差こそあれ、安全な場所からものを言うのは同じ穴のムジナの所行である。この点について自覚がなければ傲慢と誹られても仕方がないだろう。格差の問題は遙か離れた遠くの大陸で進行しているのではない。私たち自身に内包されているごく身近な問題であることに気付いてほしい。想像力を働かせてみると、状況は違えどアフリカも日本も同種の問題に躓いていることがよくわかる。進行した格差の拡大は連綿と続き、貧困は世代を超えて連鎖する。この悪循環は何が何でも断ち切らなければならない。私自身もこのテーマにはさらなる勉強が必要だ。
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□選定理由
・アフリカ旅行に行き、更に深掘りしたくなった為
□感想
・日本を含む先進国が、アフリカ各国に対して、過去から多大な支援をしてきたものの、未だ貧困層が多い大陸である。その現状を説明したもの。
・性悪説に基づく人々への支援は、支援する側の善意や根気をことごとく奪うものだと思った。 -
978-4-10-311417-8 212p 2007・2・25 4刷
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筆者がいう貧困の定義とは、「その日、食べるものがない状態」だそうだ。
この点では、日本ではおそらく一人も当てはまらないだろう。
人は自分が見たことや、聞いたことないことは、想像できない。
いくらアフリカが貧しい、援助をしなくてはいけないと知識では知っていても、中々その実情を想像することは難しい。
本書など貧困に関する本を読んで、世界の貧困の姿を知ってほしい。
いかに自分が、日本が恵まれているか、分かるだろう。 -
不可触民自身の中にも上下関係があるらしい。
庶民の足であるリキシャのドライバーとして働いているのは上層。農業従事者は下層らしい。
未亡人はさらに虐げられている。
多くのアフリカの学校にはトイレがないから女の子は生理が始まると学校に行かなくなってしまう。 -
海外邦人宣教者活動援助後援会に勤めていた著者が、資金を援助した際に直面した出来事について書かれている。その多くは資金が有効に使われる事の難しさについてだ。著者も正直に貧困の仕組みも救う方法も分からないとのべている。難しい。
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世界各国の貧困の状況を、著者の長年の旅の実体験を通して簡潔に解り易く書き上げた素晴らしい本です。
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曽野さんは貧困の光景を見て歩いています。
小さな貧困、大きな貧困。
深くつぶさに見ています。
それが描かれています。
貧困は国によっても地域によっても違いますが、
ある定義によれば世界では
「1日の生活費が1$以下」としているそうです。
それに照らせば、日本の最近の「格差社会」なんて
どうということはありません。
今の日本で1日100円程度で生活できるわけもないし、
栄養失調の人なんかいません。
中学までは義務教育ですから、文盲はいませんし、
高校・大学の進学状況進学率を考えても
貧困に定義されるレベルとは比べようもありません。
電気・水道・ガス・電話は料金すべてあと払い。
救急車、消防車、パトカーだって電話一本、無料で飛んできてくれます。
こんな恵まれた国で貧乏だから搾取されるなんて話が
本当にあるのでしょうか。
マスコミと政治は、国内にしか興味がないのです。
そうでなければ「格差社会」「下流社会」だなんて言葉が
出てくるわけがないのです。
曽野さんは、へき地で学校や教会を整備しようとしています。
学校の運営に一番必要なものは
机でも鉛筆でも教科書でも先生でもなく
給食だ、といっています。
学校で給食を提供すれば、
親は子供を学校に行かせるようになるし、
たとえ1食でも栄養が補給されれば、知能指数も上がるそうです。
子供が学校で元気に過ごせれば、自然に先生も集まるとか・・・。
給食費未納問題や、校内いじめは日本だけの問題です。
物質的な貧しさと精神的な貧しさ、考えさせられます。
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著者は作家で、日本の国際協力NGOを起こした人で、キリスト教徒。当然NGOもキリスト教系。援助の方法はあんまりよろしくないように思える。淡々と描かれる現地では当たり前の様子が怖い。
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著者は作家で、日本の国際協力NGOを起こした人で、キリスト教徒。当然NGOもキリスト教系。援助の方法はあんまりよろしくないように思える。淡々と描かれる現地では当たり前の様子が怖い。
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本当の貧困とはこういうことなんでしょうか。衝撃です。
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本書より
「エチオピアは物質に貧しく、日本は精神に貧しかった」 -
日本人だって格差があって,貧困は起きているんだ!
確かにそうでしょう。でも餓死するしかない貧困て日本にはありえません。
『ほんとうの「貧しさ」を知らない日本人の精神の「貧しさ」を問う』本です。 -
老眼に優しい大きめな活字でありがたい。カソリックの神父・修道女さんたちってすごいです。「貧困」やすさまじい暑さにより今日ただいまのことしか考えられない、「もし」という仮定が考えられない。という一節が重く残りました。
著者プロフィール
曽野綾子の作品
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評価を低くつけているコメントにもかかわらず、読み手に、『もう一度、そういう視点で読み直してみようかな』と思わせる部分さえあり、こういうコメントが、本を読む時や読み直す時に、とても参考になると感じました。ありがとうございます。