草祭

著者 :
  • 新潮社
3.74
  • (97)
  • (169)
  • (168)
  • (19)
  • (4)
本棚登録 : 885
レビュー : 167
  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103130413

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 切り絵にさまざまな色のセロファンを貼り、後ろからろうそくで照らしてみた。そんな感じの小説。なんとも美しく幻想的で仄かに怖い。そう、どの部分も突出している訳ではないので印象に強烈に残ることは無いのだけど、「なんとなく美しくて怖い小説だった」という感覚だけは残る。確実に。

  • 今私が一番新刊を楽しみにしている人なのです。

    「夜市」は越えてないけど、
    これもいいです。

    この本は短編同士が少しずつ繋がっています。
    この中では「くさのゆめものがたり」がいいです。

    ちょっと雨月物語みたいなかんじの
    不思議で時代を超越した雰囲気が好きです。


  • 団地の奥から用水路をたどると、そこは見たこともない野原だった。
    「美奥」の町のどこかでは、異界への扉がひっそりと開く―。
    消えたクラスメイトを探す雄也、衝撃的な過去から逃げる加奈江…異界に触れた人びとの記憶に、奇蹟の物語が刻まれる。
    圧倒的なファンタジー性で魅了する鬼才、恒川光太郎の最高到達点。

    美奥という町を舞台にした5つの短編集。
    う〜ん。
    流し読みをしてしまいました(汗)
    私的には、イマイチだったかな〜

  • 美奥が成り立つ話がよかった。
    全体的にひっそりとした雰囲気が漂っている。

  • 美奥という架空の土地にまつわる短編集。さまざまな年代のいろんな視点から語られるお話の数々が何らかの形ですべて「美奥」という土地に関わっている、というところが面白いなぁと思いました。けっこうエグイ描写もあるんですが、それがイヤな感じに後に残らないのがこの作家さんのいいところだと思います。

  • 団地の奥から用水路をたどると、そこは見たこともない野原だった。「美奥」の町のどこかでは、異界への扉がひっそりと開く―。消えたクラスメイトを探す雄也、衝撃的な過去から逃げる加奈江…異界に触れた人びとの記憶に、奇蹟の物語が刻まれる。

  •  ある五月の裏庭で,かげろう蜥蜴はじっと動きを止めていた。
     なんとしても捕まえたかった長船さんは,ふと近くにあるアザミの花を動かしてみた。そうすると,かげろう蜥蜴の色が薄くなった。長船さんは息を呑んだ。スコップでゆっくり土を削り,根を傷つけないようにしてナデシコの花も動かしてみた。
     そうするとかげろう蜥蜴は空気に溶けるように消えてしまった。
     あわてて花を元に戻したけれど庭の片隅の狭い一画に,もうかげろう蜥蜴は現れなかった。消えるのはいつものことだったが,翌日になっても,翌年になっても,二度と姿を現さなかった。
     ――花と土と季節と,微妙で危ういバランスのところにいたものなんだと思う。俺がそれを崩しちゃったんだね。花を動かしたことで殺してしまったのか,見えなくなっただけなのか,どこかに去ったのか,わからない。後悔して泣いたよ。親は「かげろう蜥蜴ごときでめそめそと」なんて馬鹿にしていたけどね。かげろう蜥蜴は特別に存在があやふやな領域に棲んでいたんだろうけど,考えてみれば今世に在るものも,みな多かれ少なかれあやふやなバランスに在るものなんじゃないかと思うよ。何か一つの要因をずらしたり,入れ替えたりしたら,ふっと消えてしまうものはたくさんあるんじゃない。
    (「朝の朧町」本文p.206-207)

  • 『美奥(びおく)』と呼ばれる不思議な土地で起こる/生きる不思議な出来事/人物を描いた短編5編。相変わらず恒川ワールド炸裂で大満足。寡作な人だって事だけが残念です。

  • 「美奥」という、どこなでもありそうな、でも現実には絶対なさそうな、架空の街が舞台。

    最初の話、「けものはら」が一番インパクトがあった。

  • それぞれ関連してくる連作短編。蟲師のような伝奇ファンタジーのような雰囲気がある

全167件中 121 - 130件を表示

著者プロフィール

1973年東京都生まれ。2005年、『夜市』で日本ホラー小説大賞を受賞しデビュー。同作で直木賞候補に。14年、『金色機械』で日本推理作家協会賞を受賞。著書に『雷の季節の終わりに』『秋の牢獄』『南の子供が夜いくところ』『竜が最後に帰る場所』『金色の獣、彼方へ』『南の子供が夜いくところ 』『スタープレイヤー』『ヘヴンメイカー』などがある。

「2019年 『白昼夢の森の少女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

草祭のその他の作品

草祭 (新潮文庫) 文庫 草祭 (新潮文庫) 恒川光太郎

恒川光太郎の作品

ツイートする