- Amazon.co.jp ・本 (125ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103130710
感想・レビュー・書評
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建築家といっても、いろいろいるわけであるが、
吉村順三という建築家は 人が住むことを
重視した建築家だと思った。
語られていることは、平易であり、
人間重視の人間の住処を心得た
等身大の建築家の姿が見える。
暖炉(ファイヤープレス)は、自分が火だと思って作ることだという。
火を中心にした、生活っていいなぁ。
水については、水のあるところが幸福であり、家には水がいるという。
火と水と風。そんなものが 住処に感じられることで、
木のぬくもりもよく見えてくるのだろう。
写真から見た南台の家は、しっとりと落ち着きがある。
COZYのある家。居心地がよく、くつろいで、落ち着く場所がある。
生活者の住みたいことをきちんと観察して、家を作るって、
当たり前のことだが なかなかできないことだ。
丹下健三が、部屋を全部 畳にしたので、離婚した。無理をしてはいけない。
という言葉が、なんとも 間のある言葉だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
詩集のような本
落ち着きたいときに読む -
目に止まった箇所の抜粋です。
住宅をやらせるとできない建築がいっぱいいます。有名な先生で。それは結局いくら大きなビルを造っても、中の人のことを考えていない。その人を考えるということは、その人の生活を考える訳です。その生活というのは、その土地にぞくしている訳でしょう。 -
当然に思えることを、淡々と述べているのだけれど、それを淡々と言えてしまう所がすごいのだなぁと思う。
あらゆるものを、もっと仔細にみたい。
以下引用
愛情というと、言葉が悪いのだけれど、、、誠意かな。本当に誠意を持って造った物は、本物だという感じを得ました。
今でも僕がやっていることは、今日は昨日の試行錯誤なんです。そういうふうに、少しずつ、少しずつ判ってくるような気がします
家というものは、とても便利だとか、快適だとかいう以外に、その家の品格が人に与える影響というものはすごく強いものです。
家の造形というものは、人間の精神的な面に対する影響が大きい -
この南台の家がとても居心地が良さそう。p22の庭がいい。ウチも部屋の出入り口が2つあってぐるぐる回れるようになっている。行き止まりのない家っていいです。地震には弱いかもね。
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吉村順三という人物が、とてもよく分かった。建築家としては、とても謙虚に建築に向き合い、住宅を作品ではなく、住む人の気持ちや価値を大事に仕事をされている。人と住宅の関係を、「住む人はその家に住まわされる運命、これはやむを得ないと思う。・・・だから誠意を尽くす。」との言葉が、とても印象に残った。
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理想の家
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星五つ!
建築家の建築への想いが優しく伝わってくる良書。
僕も建築への初心を忘れないように、定期的に読み直したいですね。 -
この家は、落ち着いて心が休まりそうな家である。なるほど、住む人のことを考えて家を作るとは、このようなことかと。
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○南台の家(自邸)の変遷、写真、図面
○吉村順三の講義
○対談
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グリッドの一部分が変形したときに、何か生き生きとしてくる。モンドリアンの絵を見ていてそういうことを感じたことがある。
日本へ帰ってきて、京都へ行ってみると美しい家というのは皆天井が低いんです。天井の高い家というのは、日本がその当時成金になっている時代で、アメリカあたりでも第一次世界大戦後、高度成長して、自分の富を見せたいというような時に、天井の高い家が生まれたのだと思います。
水というものは、人間の幸福に関係がある
建物じゃなくて建物のないところ、それが学園じゃないかと思う。