仮想儀礼 下

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 96
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  • Amazon.co.jp ・本 (445ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103133629

感想・レビュー・書評

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  • 09/05/25

  • 篠田さんの前職が 福祉の現場でらっしゃるそうで追いつめられて 宗教に逃げてくる人たちに そのあたりの経験が生きているのかな と思いますふつーのおばさんたちの造形とか。


  • 儲けるために宗教団体を興す男二人。篠田節子のいつものかっこいい女性は一人も出てこない。人を多面から描写し、煽るように読ませます。
    結末は、こうでしたか…。

  • 90点

    物事を進めていくにあたってトントン拍子に進んでいく部分、
    思わぬトラブルの部分、
    これは伏線?と思わせといてあっさり切る部分、
    もう少しのところで頂点に、、、と思わせといて激しく転落、
    これでもかこれでもかと悪い事が続いて、
    落とされながらもなんとか地道にやっていき、
    ようやく救われたと思ったらやっぱり手のひらひっくり返されたり、、、。

    個人的には決してハッピーエンドではない終わり方が少し残念ですが。。。。


    (読了日:2009/04/28)

  • 「占いも霊感も、心の持ちようで解決する問いに対しては断定的な物言いをするが、現実的な答えを要求されればとたんに逃げを打つ」

    「人間性は容貌に現れていると信じていた。・・・しか思想とは限らない」

    「あの世も輪廻も神も仏も、人の大脳の偉大な想像力のうちにしかないことを十分に認識していながら、痛切な思いですがるしかなかった。・・・ついに自分の作った宗教に飲み込まれた」

  • 「信じる者は救われる」のかもしれないけど、「信じ過ぎてしまう」のは怖い

  • 一時は大きな礼拝堂まで持ち大成功を収めたに見えた「聖泉真法会」だったが、法のメスが彼らを切り刻む。そして、狂信的に教祖である鈴木(桐生)をあがめる女性達が事件を起こす。鈴木が設けたくて宗教を始めたはずが、妙に倫理的すぎるところがどうしても馴染まず、何が伝えたかったのかよくわからなかった。誰でもこういうことに陥るってことかなぁ?一気に読めるのは読めたが、衰退していってからがくどかった。

  • エリート都庁職員として、将来を約束されていながら、趣味で始めたゲーム本の本格出版に向けて退職するが、出版は頓挫、妻にも愛想を尽かされ、次に始めたのが信教宗教の立ち上げ。食品会社の社長を信者にしてからは、信者も増え支部も造り何もかもうまくいくが、つまづきはじめると下降も早い。あれよあれよと衰退の一途。あとはお決まりの・・・・・今まで実際世間を騒がせてきた、いろいろな宗教団体の実態がはたしてどのようなものだったのか。部外者には知りようもないが、いかにもこのような事があり得るのかもしれないとぞっとする場面もある。最後は小数の残った信者により、あらぬ方向に行ってしまい教祖は反対に振り回されてしまうのが滑稽だ。彼はただ「金儲けがしたかった」だけなのに。これは著者の以前の作品「聖域」や「弥勒」と同じ部類になると思う。最初ぶ厚いと思ったがテンポ良くあっという間に読み終えた。☆4つなのは、テーマがちょっと好きになれないから。 

  • (あらすじなど)急速に膨れ上がった教団は、信者が起こした事件や奪回家族の運動などに押され、壊滅状態になる。狂信的な女性信者五名は教祖とともに教団に残り、信仰にいれあげてゆく。薄気味悪くなった教祖は、全てが虚構であったことを告げ、教団の解散を決定するが、悪魔がとりついていると、逆に教徒らのリンチに遭い、拉致されるように全員で流浪の旅にでる。追いかけてきた奪回家族を殺害し、全員が逮捕される。■食われる前に食わなければ。信者は食われて幸せなのだ■結局のところ、彼らは自分の生活史に、教祖の言葉を当てはめるのだ。集合写真を渡されたとき、まず最初に自分の顔を探す。それと同じことだ。教祖の語る一般論の中から、まさに自分ひとりのケースに当てはまる言葉を探し、自らの境遇にあらためて涙する

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著者プロフィール

篠田節子 (しのだ・せつこ)
1955年東京都生まれ。90年『絹の変容』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。97年『ゴサインタン‐神の座‐』で山本周五郎賞、『女たちのジハード』で直木賞、2009年『仮想儀礼』で柴田錬三郎賞、11年『スターバト・マーテル』で芸術選奨文部科学大臣賞、15年『インドクリスタル』で中央公論文芸賞、19年『鏡の背面』で吉川英治文学賞を受賞。ほかの著書に『夏の災厄』『弥勒』『田舎のポルシェ』『失われた岬』、エッセイ『介護のうしろから「がん」が来た!』など多数。20年紫綬褒章受章。

「2022年 『セカンドチャンス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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