蝶番

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 147
感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・本 (186ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103135319

作品紹介・あらすじ

東京に今年三度目の雪が降った夜、長女の艶子は出て行った。意味不明の小さなメモを残して。四姉妹の語りと日記から浮かび上がってくる、それぞれの息苦しさと生きにくさ。第4回新潮エンターテインメント大賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 文京区根津でイーディという珈琲とお酒のお店のママ、中島桃果子さん。この作品で、第4回新潮エンターテイメント賞を受賞しデビュー。
    根津の友人(女子)の知人(たぶん男性)の行きつけのお店。8月に10年振りの新作「宵巴里」プライベート出版。是非、読んでくださいねって私のところにも回ってきました。装丁の美しさにこだわりISBNを所得せず、地道に販売してるみたい。
    ちゃんと読ませていただきましたので、こちらを登録しておきますね。
    ママやりながら、小説書くなんて、来世は私もそれでお願いしたいです。と思いましたが、宵巴里は、経営しているお店をモデルにされたかなり現実に近いものかと。そうすると、コロナやらご病気やら経営やら、隣の芝生は青いって事ですかね。
    文体が特殊、思っていること言った事、そのまま文章にする感じ。(もちろんそれが作風ですよね)なので、慣れるまで小説という感じがしません。お店を覗いている感じです。
    よく飲んで、よく書いてください。

  • 読みおわると、四人それぞれがいとおしくなった。「平成の『細雪』」てうまいことをいったな!と思った。「暁の白い月」ていう表現が一番すき。

  • この作品良かったよ

  • 最初、読み難い感じがして入り込めなかったんだけど、「本谷有希子さんっぽいなぁ」と思ったら、この作者さんも演劇の人で、あーそうなのか、と思ったら場面場面の雰囲気を楽しめばいい気がして、そしたら面白く読めたようなw
    ボーっと気を抜いて読んでると、繋がり方がごっちゃになっちゃうけど、そこはまぁいいやと思って。
    このシーンすごいなー!好きだなー!みたいな感じで楽しんでみました♪
    追わないけど、また出会ったら読むかも、って感じw

  • 面白かった。
    自分には女兄弟がいないので、「姉や妹がいたらこんな感じだったのかな」とちょっとだけ寂しい思いもしました。

    劇団員など自分を表現する仕事をしつつ、夢だけでは食べていけないので夜の仕事も頑張る長女の艶子。

    ロンドンで5年暮らし、持ち前の英語力を生かした仕事に就いて毎日忙しくしているものの、同居している艶子に振り回される次女菓子。

    4姉妹の中で一番要領が良く、可愛がられ、過呼吸の発作を良く起こして家族の注目を引き、姉妹には愛されると共に「ずるい」と思われている三女虹。

    中学時代に道を外れかけ、立ち直ってからは勉強に励み、「自分には勉強しか出来ない」と自分を確立しているように見える姉たちにコンプレックスを持つ四女棗。

    話は長女の艶子が、同居している菓子に不思議な詩を残して失踪する所から始まる。当然のように心配する妹たちをしり目に最後艶子はなんでもなかったかのように帰って来る。

    そこには艶子ならではの葛藤があったのだけれど、姉妹でも、親子でも分かり合えないものはあるよなぁと思いました。でも、寄り添う事は出来ると思うんだ。それが家族でしょう。

  • これで「もかこ」先生なんだな・・・そしてまさかの大阪弁・・・。新潮エンターテイメント大賞選考の際での選考委員が、江國香織先生だったらしいですが・・・たしかに文体やら諸々、江國先生カラーが強い・・・と思われます。庶民感が強い大阪弁の江國カラー。

  • 四姉妹の話。
    語り手が四姉妹のそれぞれで、それぞれあだ名や関係で語るのでどれが誰なのかスッと頭に入らない。

    四姉妹のうち誰一人とも共感できないうえに、文体も私には合わなかったようだ。

  • 艶子、菓子、虹、棗(通称:ナメ)の4姉妹のお話。語り手が目まぐるしく変わるので、最初は誰だこいつ…とか思いながら読んでたけど、慣れてくるとそれぞれのキャラクターが浮き彫りになってきて良かった。ストーリーはよくわからんという感じだけど、雰囲気は好みだったかなぁ。次女の菓子がなんかいい。2012/247

  • 女四姉妹の話。わざとだと思うけれど、語り手が四人でバラバラと変わるので、誰が話しているのか追いかけるのに必死。

  • 図書館にて。
    構成もわかりにくいし登場人物のキャラクターも若干ぶれている気もするし、ラストもいまいちだと思ったけれど、それぞれの痛々しい部分の気持ちが自分の隠してきたことを言い当てられたような気持になった。
    親から投げられた言葉がずっと消えなかったり、弱い部分をどうしても治せなかったり、でもそんなものを抱えつつ時間が流れていく感じ。
    解決はしないかもしれないけど、現実はそんなものだろう。嫌いじゃない。

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