- Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103147640
感想・レビュー・書評
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ノンフィクションに近いと思うが、小説だそうです。
‘ 金融工学の入り口を勉強した彼らは、専門家の警告を無視して、価格付け不能なCDSやCDOなどの金融商品を売りまくって、リーマン・ショックを引き起したのである。
この事件のあと、ハーバード・ビジネス・スクールは、自分たちの教育方針が間違っていたことを率直に認め、これから先ニ度とこのような事件が起こらないように、教育方針を改めると宣言した。
そしてそのことを世界にアピールするため、サンデル教授の白熱教室を、その証拠物件として世界に売り込んだのである(とヒラノ教授は考えている)。さすがは、クレバーで抜け目がないハーバードである。’
という見解は誠にクレバーだと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
どこの世界も派閥やら権力闘争やら、なんやらかんやら大変らしい。
日本って、アメリカのコピーなんだね。
昔も、今も。
でもこれからは、違う道もいいんじゃないかな。 -
筆者は東工大名誉教授で、オペレーションリサーチを専門とする学者である。自身の30代をアメリカの客員教員として過ごした逸話をおもしろく書いた本である。主人公はヒラノ助教授、准教授、教授と昇進していく筆者自身のことと思われるが、なぜそういう名前なのかは本書ではわからない。先行したヒラノ教授本にその秘密が書いてあるかもしれない。専門分野の紹介はごく簡単で難しい専門用語は出てこない一方で、ストレスが溜まり、ドロドロした大学の研究世界をそんなに深刻な感じを与えずに書いてあるので、誰でもおもしろく読めるし、学問の世界の裏の嫌な面を知ることができる。70年代の話であるが、本質は今も変わらないという筆者の主張はそうかもしれないと読んでて思った。
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政府が留学留学と叫んだり、世界大学ランキングについて報道されているが、実際の経験もなく勝手にいっていることがこの本からよく理解される。サンデルの「白熱教室」が30年前からハーバードでは実施されているが、大学生が卒業したとたん金が全ての世界に入って行き、それを忘れるという指摘は、日本での宣伝で言われないことである。