電車道

著者 :
  • 新潮社
3.18
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本棚登録 : 187
感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103177128

作品紹介・あらすじ

鉄道開発を背景に、日本に流れた百年の時間を描いた著者最高傑作! 橋を架け山を切り開き、四六時中ひっきりなしに電車を走らせよう。そうすればこの国の人間たちも、絶望の淵からほんの何歩かは引き戻されるはずだから――。日本の近代から現在に至る百年の時間を描き、自然災害、戦争、さらには資本主義経済と抗いがたいものに翻弄されながら、絶えまなく続いてきた人間の営みを活写した長編小説。

感想・レビュー・書評

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  • 昔の人が書いたみたいな独特の文体で、読みにくいと感じる部分もあったが、最後までは読めた。モデルとなっているのは小田急かしら。学校はどこだろう?という興味が湧いた。

  • 桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
    https://indus.andrew.ac.jp/opac/volume/1127165

  • 明治から大正・昭和・平成へ、変わりゆく日本の「風景」を百年にわたる群像劇で描く。
    軸に据えられるのは、鉄道敷設と宅地開発。

    だがそのテーマは直截的には主張されない。
    文体も個性的だ。
    章の区切りもなく、いつの間にか場面と時代と登場人物がシームレスに切り替わっていく。
    その流れに身を任せているうちに、自然とテーマが浮かび上がってくる。

    人々の生活(養蚕農家、丁稚奉公)、娯楽の在り方(リゾート地、映画)、そして震災と戦争、復興。
    メインの舞台となる「高台のまち」は、成城学園がモデルなのかなとも思った(東宝の映画スタジオも近いし)が、学園創立者のプロフィールを考えるとある程度モデルにはしていたとしても、実話に基づいているわけではないのだろう。

    表紙の装丁もとてもよい。

    磯崎ワールドを堪能できる一冊。

  • 文学

  • 2015.03.26 出口氏の書評より

  • 鉄道会社を興した男の人生を当時の時代背景をベースに描きながら綴られた物語。女優の件は何となく小津安二郎の映画になりそうな雰囲気を感じながら読んでいた。

  • 20161210読了
    #鉄道

  • これまでの著者の短編小説と同様、時の流れをテーマとしているのだろうけど、人生の半分に差し掛かったアラフォーの私にとっては、この早すぎる時間経過と徒労感は凹む。今日、会社帰りに散歩してたら、昔お世話になったライブハウスが駅前の再開発のせいか跡形もなくなくなっており、この小説の事と少し重なってさらに凹んだ。

  • 家族を捨てて農村の洞窟に住み着く男がいる、選挙に敗れ湯治場でただ湯に浸かるだけの日々を過ごす男がいる、凍りつくような真冬の京都で裸足で使いに出される丁稚の少年がいる…そんな書き出しにひょっとしてこれは連作の短篇集なのでは?と思ったりするが実はいくつもの路線がひとところに集まるターミナル駅のような凝った創りになっていたのだ。
    明治大正昭和と100年の線路を辿る鉄道王一族と彼らによって切り拓かれて変貌を遂げていく街の物語、その独特なリズムを掴むまでに少し戸惑うが糸口を掴むと一気に流れる。
    ただこれだけの長編、巧さだけではちょっとしんどい。
    ドラマあってこそのターミナル、単なる起終点ではつまらないではないか

  • 小田急線!?

    3世代の歴史を描く。

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著者プロフィール

1965年生まれ。商社勤務の傍ら40歳を前に小説を書き始め、2007年に「肝心の子供」で第44回文藝賞受賞。2008年の「眼と太陽」(第139回芥川賞候補)、「世紀の発見」などを経て、2009年、「終の住処」で第141回芥川賞受賞。その他の著書に『赤の他人の瓜二つ』(講談社)がある。

「2011年 『小説家の饒舌 12のトーク・セッション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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