すっぽん心中

著者 : 戌井昭人
  • 新潮社 (2013年8月30日発売)
3.63
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  • 30レビュー
  • Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103178231

作品紹介

首のまわらなくなった男と男運の悪い娘、その道行き。おかしさと哀愁は他の追随を許さない芥川賞候補作。変化を求めず、目の前で起こることをやり過ごすのが人生だと思っていた休職中の田野と痛い目に遭いつづけながら、あっけらかんとしているモモ。不忍池で出会った二人は霞ヶ浦にむかう(「すっぽん心中」)。スイッチの入った男の狂騒と暴走(「植木鉢」)、屋上の狂人のバトルと本心(「鳩居野郎」)の三本立てで贈る現代の小説。

すっぽん心中の感想・レビュー・書評

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  • 場面を想像すると嫌な感じがジワリとするんだけれど、不思議と読み進んでしまう(^^;そして読み終えると、それぞれの話のアホさが笑える(^o^;)

  • 奇妙な本だった。
    題材もすっぽんやら鳩やら、なんだか少し変で、不穏な感じ。

    そして、それらに対して何か少しだけネジが狂うというか、なにかのタイミングが妙なためなのか、人が少しだけ狂気に踏み込む感じ。

    うわー、これ、私に起きてもおかしくない。
    端から見てると変だけど。

    だけどやっぱり、ちょっとおかしみを誘うのだ。

    私に起こってもおかしくないけど、でもやっぱり起こらないかな。

  • 戌井昭人氏の「すっぽん心中」を読了。軽い内容の短編が収められているだけなのであっという間に読み終わってしまった。

    戌井昭人氏の著作は人を食ったというか、いい加減というか文章に何と言いたらよいのかわからないが不思議な魅力がある。だが書かれている物語自体が本当にくだらなく人にはお勧めできない内容でありその筋も面白いと言ったらよいのかどうかわからなくなる不思議な本が彼の作品には多い。

     いあままで著者の本をどれくらい読んだのか電子書棚を確認してみたらいあままでなんと「ぴんぞろ」「どろにやいと」「まずいスープ」「ひっ」と
    4冊も読んでいることが判明。なぜそんなにかと考えてみたが彼が5回も芥川賞候補になり5回落選しているからだということに気づいた。

     やはり各賞の選者が注目している作品として、各賞の候補作品はなるべく手に入れるようにして読んできたので、彼は5回も芥川賞の候補になっているのでしかるに4冊も読んでしまったわけだ。

     彼の作品の魅力は読んだ後の脱力感だ。ちょっと小ばかにされたような気がしながらも読み終えるとか肩に力が抜けていてリラックスしている自分に気づくというのが彼の作品がもたらしてくれる変な作用である。

     なぜちょっと過激で、かなり馬鹿馬鹿しく、でも読後の脱力感をもたらしてくれる作風なのかをちょっと考えてみたがたぶんに彼が下北沢のスズナリ劇場などで公演しているパフォーマンス集団「鉄割アルバトロスケット」の劇作家でもあるからではないかという結論に至った。小劇場の不思議な空間での時間で観客を魅了するものを考えて言葉を踏むぐ努力をしていくうちに自然と身についた彼独自のコミュニケーションのとり方なのだろう。ということで、ちょといろいろ考えすぎて、軽い本を読んで笑いたいお思っている人には結構おすすめです。お堅い方はやめたほうがよいかと。

     そんな僕の大好きな役者山田孝之主演でショートムービーをとってほしくなるような笑い話を集めた作品を読むBGMに選んだのがJimmy Smithの”Christmas cookin’"。力の入ってない脱力感あふれるクリスマスアルバムです。https://www.youtube.com/watch?v=IPT-XW7CDtg

  • 2017/02/03

  • 変化を求めず、目の前のことをやり過ごしてきた田野と、痛い目に遭いつづけながらあっけらかんとしたモモ。不忍池で出会ったふたりは上野から霞ケ浦をめざす…。表題作をはじめ、全3編を収録。。

    脱力感…とも違うような、なんとも言えない読後感が残る独特な味わいの作品集。表題作は13年上期芥川賞候補作。「これは純文学だ!」と思って調べてみたら、確かに2009~14年で5回も芥川賞の候補となっていた。作者は劇作家でもあるらしい。「なるほどあのテンポは…」と納得。
    (B)

  • 「すっぽん心中」
    博多弁てかわいいよねと思いながら
    同じ名前のとあるお方に思いを馳せにやける。

    「植木鉢」
    とりあえず轢いちゃうから。

    「鳩居野郎」
    はちゃめちゃで狂ってるのに
    よくわかんないところでやさしい。
    フリスクて。

    (ト)

  • 表題作の「すっぽん心中」より併録されている「植木鉢」と「鳩居野郎」の方がおもしろかった。全体的にユーモアと情けなさが静かに効いている。

  • 超おもしろかった。

    はじめましてです。戊井さん
    すっぽん心中は、このゆるい感じで特に話も意味をなさない感じ、誰にでもかけそうなのに、きっと絶妙ななにかがあって、このような作品になったんだろう。。。
    とまあ、特に戌井さん大好き!にはなってなかったのですが、
    次の「植木鉢」と「鳩居野郎」は声をあげて笑ってしまった・・・
    植木鉢もなんなんだろう。。。短編でこんなに笑わしてくるんだろうって・・・訝しむくらいです。
    空気感というんでしょうか、男がインタビューを受けて、妻が無言・顔面蒼白の図を想像したら
    「ぶほう」っとなってしまいました。
    「鳩居野郎」も完全なるエッセイとして読んでいましたが、鳩、わたしも嫌いだし共感もありましたが、鳩を釣り糸から解放するために悪戦苦闘する姿(まわりからは狂人と思われている)素直でとてもとても面白かった。
    言葉の使い方とかもまたいいんダナ。
    「ゼーンめつだ!」とかね。

  • いかにもパフォーマンス集団にいた人らしい設定。

  • ものすごく、欲望に正直な人々の話。最近読んだ、バートランド・ラッセルの『教育論』を思い出した。ラッセルは、欲望や本能は抑圧するのではなく、のばす方法を考えねばならぬと書いていたけれど、本作に出て来る登場人物の大半は、それが成功した例ではないかと思った。つまり本能がのびのびしている一方で、そこにある種の倫理が生じている。

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