- Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103187141
作品紹介・あらすじ
妻と幼子との帯広での疎開生活から、作家として立つ道を探してひとり東京へ-。だが容易にはかなわず、結核は再発し、先の見えない不安から、詩人でもある妻は、精神的に追い詰められてゆく。終戦まもない1945年9月1日から47年7月31日まで、断続的に、きわめて克明に綴られた、作家・福永武彦誕生の記録。
感想・レビュー・書評
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福永武彦が書いた日記がなぜか古書市場に流出しており、それを集めてまとめた本です。注釈がすごく充実しています。
愛する妻と生まれたばかりの息子(池澤夏樹)に対する愛情ほとばしる文面は胸が詰まります。これを読む息子はどんな気持ちなのでしょうか。
また、買い物の値段や原稿料も書いてあり、そのへんも貴重な資料になってるのではないでしょうか。
しかし、奥さんが出版を渋るのもわかる。喧嘩生々しいです。あと、旦那が「僕のプリティガール」とか書いてるのも、ちょっと恥ずかしい・・・詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
福永武彦は大好きな作家なので、つい図書館で見つけて手に取りました。
私的な日記なので、読んで感動するかというとどうかな…というところですが、日記の中でも愛に深くついて深く考えたり、作品を何度も推敲したり、福永武彦はきっと一文を生み出すのも決して手を抜かなかったのだろう、だから作品もあれほど洗練されているのだと納得できる気がしました。
註釈は後ろにまとめられているのですが、日記と註釈をいったりきたりするのが少しくたびれましたので、日記と同じ頁に註釈を記載した方がよいのではないかと個人的には思いました。
福永武彦の日記は第2弾の出版が予定されているそうです。
せっかくなのでこちらも読んでみようと思っています。 -
文学
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2017年1月22日紹介されました!
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池澤氏が序文で述べているように、福永武彦のその後を知ってるからこそ読める日記だと思う。ここに彼の文学の源がある。
それにしても何と辛い経験だろう。魂も凍るようだ。 -
職なし家なし金なし、乏しい物資。唯一あるのが家族と文学への情熱。