ゆらぐ玉の緒

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 164
レビュー : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103192114

作品紹介・あらすじ

陽炎の立つ中で感じるのも、眠りの内のゆらめきの、余波のようなものか。老齢に至って病いに捕まり、明日がわからぬその日暮らしとなった。雪折れた花に背を照らされた記憶。時鳥の声に亡き母の夜伽ぎが去来し、空襲の夜の邂逅がよみがえる。つながれてはほどかれ、ほどかれてはつながれ、往還する時間のあわいに浮かぶ生の輝き、ひびき渡る永劫。一生を照らす生涯の今を描く全8篇。古井文学の集大成。

感想・レビュー・書評

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  • 文体の美しさに気を取られてもうなにがなんだか(阿呆)。

  • 俳句の余韻をずっと味わっていたような読後感。
    電車の中ではなく、静かな場所で心地よい椅子に座ってじっくり読みたい。

  •  古井由吉の最新(?)の短編集。名人芸といって済ませるのはやはり申し訳ない。一作、一作丹念に工夫が施されていて、ゆっくり、ゆっくり読むことになる。巻頭の「後の花」の感想をブログに書きました。どうぞ、お読みいただければ嬉しいです。
    https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/201912260000/

  • 明確なストーリーはなく,季節のうつろいと,作者を彷彿とさせる老人の心情が詩情豊かに描かれています。

    意味を捉えるのもなかなか難しく,私は読み終えるのにとても時間がかかりましたが,とても常人には真似のできない高尚な表現力に,本格的な文学というのは本書のような小説をいうのだろうと思いました。

  • <図書館の所在、貸出状況はこちらから確認できます>
    https://libipu.iwate-pu.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=329765

  • 読書芸人又吉直樹オススメ

  • 生者か死者なのかもわからない声たちがひしめきあう交響楽。固有名詞といえばもはや、一千年以上前の歌人たちの名くらいしか登場せず、現在はもはや名を持たない混沌。
    はじめに混沌ありき、そして最後も混沌に還ってゆく。その束の間の過程にかすかに揺らぎ立つもの、それが玉の緒、つまり陽炎。

  • 書評でよいと
    2017.4.16〜

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著者プロフィール

ふるい・よしきち(1937・11・19~)小説家。東京生まれ。東京大学大学院修士課程修了。大学教員となりブロッホ、ムージル等を翻訳。文学同人誌「白描」に小説を発表。1970年、大学を退職。71年、「杳子」で芥川賞受賞。黒井千次、高井有一、坂上弘らと〈内向の世代〉と称される。77年、高井らと同人誌「文体」を創刊(80年、12号で終刊)。83年、『槿』で谷崎潤一郎賞、87年、「中山坂」で川端康成文学賞、90年、『仮往生伝試文』で読売文学賞、97年、『白髪の唄』で毎日芸術賞を受賞。その他の作品に『山躁賦』『野川』『辻』『白暗淵』『蜩の声』『雨の裾』『この道』等がある。

「2020年 『詩への小路 ドゥイノの悲歌』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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