梨の花咲く町で

  • 新潮社 (2011年11月30日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (200ページ) / ISBN・EAN: 9784103216049

感想・レビュー・書評

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  • 音のない本。
    読んでいると、自分が水に沈んでいるような気分になります。

    短編集であり、語り部はすべて違う人であるはずですが、皆同じ人に思えます。
    けなしているわけではない。
    違う人では有りますが、根幹の部分は同じと思えるのですが、そこにあるのは作者なのでしょうか。

    読み慣れない類の本ですが、面白かったです。
    全然筋違いのことを書いているのかもしれませんが、まあそれはそれで。

  • 短篇集だが,どの作品にもにじみ出る教養と素晴らしい登場人物が見られる.何気ない日々の中に高尚な行事が次々と出てくるのは,これまでの種まきの成果でしょう.

  • 森内先生の作品を初めて手にした。
    無駄なものをすべてそぎ落とした洗練された文章で,澄んだ水の中を漂っているような感覚に陥る。描かれている情景も,まるで写真でも見ているかのようで,素晴らしい作品でした。

  • 「梨の花咲く町で」(森内俊雄)読み終わった。いやーまいった。すばらしく洗練された作品集である。うまく言えないが、なんかこう「シュッ」とした感じ。森内氏の作品を読むのはこれが初めてなんだな。ほかの作品を読んでみたくなった。

  • この老作家は、いとも簡単に時を飛び越えて、40年いや50年前の過去の情景を語り出す。その語り口は、今現在のことがらと過去の出来事を自在に絡み合わせて、独特の味わいをもたらしてくれるのだ。

    熟練の作家が、少年の日々を語るとき、亡くなった人のことを語るとき、あるいは今世紀で火星が一番地球に近づいた年のことを語るとき、我々はこの作家の運転する古びたタイム・マシーンで、古い町並みの光の中を通り過ぎていくかのような気分になる。

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著者プロフィール

1936年大阪生まれ。早稲田大学文学部露文科卒業(宮原昭夫、李恢成は同級生)。文芸書出版「冬樹社」で編集長を務め、69年『幼き者は驢馬に乗って』で文學界新人賞。69~72年まで芥川賞候補。73年に『翔ぶ影』で第1回泉鏡花文学賞。75~76年文學界新人賞選考委員。86年『骨の火』刊(文藝春秋、2004年講談社文芸文庫刊)。91年『氷河が来るまでに』読売文学賞・芸術選奨受賞。2016年徳島県立文学書道館で〈森内俊雄と徳島展〉開催。2017年に『道の向こうの道』(新潮社)を刊行。

「2019年 『一日の光あるいは小石の影』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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