- Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103223214
作品紹介・あらすじ
敗戦直後に逝ってしまった兄と父、大事故や災害の悲劇、尊厳死という選択、「がん」で死ぬということ、そして次男の自死-。幼少時代から見てきた幾多の死を、著者はどう乗り越え、考えてきたか。著者が半世紀をかけて見つめ綴ってきた「生と死」、その集大成。
感想・レビュー・書評
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☆ふむ
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私も書くという業が欲しい。
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ノンフィクション作家が病死やがん死の観点から生と死の問題に向き合った論考集。少年時代の空襲体験と、父と次兄の病死。著者は、そのころから日常のなかに死があったという。
NHKの記者時代より、戦争、災害、事故、公害、薬害など、現場における生と死の形を見つづけた。医師による心蘇生術のためにかえって死にゆく者のよきイメージがそこなわれることがあることも知った。そのなかで57歳の夏に、次男が自死してしまう。聴覚だけは最後まで生きていると看護師に教わり、昏睡状態だった息子に話しかけ11日間やれるだけのことはやったという思いが、その後、愛する者との死別を受け入れることにつながった。
在宅ホスピスという言葉が登場して久しいが、これからの医療に必要なのは、患者とその家族の視点。そして残された人の中に生き続ける故人の精神的ないのちを守ることだという。
(「週刊朝日」 2011/12/02 西條博子) -
本書を2/3ほど読み終えて、ふと著者の名前にち注目。てっきり民俗学者の柳田「國」夫と思っていたら、柳田邦夫だったという事実。それはおいといて、生と死の受け止め方について目から鱗の内容だった。単なる精神論ではなく、死生観、臨床、そして生の意味。誰もが直面する死。それを人称でカテゴライズしているのもわかりやすかった。