- Amazon.co.jp ・本 (159ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103239611
感想・レビュー・書評
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現役引退後、早稲田大学の大学院に進学し、最優秀論文賞を受賞した桑田真澄の論文内容を伺いしることができる貴重な一冊。
同時期に発売された原辰徳著"原点―勝ち続ける組織作り"と読み比べることで、さまざまな発見があった。
両者の決定的な違いは、学生野球の父と言われる、飛田穂洲の捉え方である。
桑田は自身の経験、また画期的といわれる現役野球選手へのアンケートを武器に飛田野球への疑問を投げかけ、再定義を求める。
一方、原辰徳が自分の監督の原点と位置付ける父原貢が、本文において原点は飛田穂洲の精神野球であると断言する。
この二人の違いは、時代性の違いか、投手と野手の違いか、仕えた指導者の違いか、考えながら読むと実に面白い。
後半、桑田は、飛田野球を再定義する、
練習量重視→練習の質の重視、絶対服従→尊重、精神の鍛錬→心の調和
そして、その主張が原辰徳の本文での内容とピタリと一致することに、さらに驚嘆をおぼえる。
思えばこの二人、同じチームでエースと4番として、監督と選手として、同じ目標に向かって突き進んだ時期がある。
スタンスは違えど、目指すべきところは同じということか、だから野球は面白い。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「運動部の悪しき伝統に一石を投じる本」
所蔵情報
https://keiai-media.opac.jp/opac/Holding_list/detail?rgtn=080315 -
スポーツビジネス論のテキストにしてもいいなと感じました。
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野球界における悪しき伝統というのは今もまだ残っている部分が多々ある。理不尽な上下関係、根性論などで才能の芽を潰すということは絶対避けなくてはならない。最近でも高校野球の暴力事件などが毎年何件か挙げられる。これは指導者の管理が行き届いていないことから生まれるのであり、高校野球指導者に対してシンポジウムなどをもっと活性化させ指導者の質を高めることが必要だと思った。
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桑田真澄さんが早稲田大学で学んだことを当時の教授と振り返った対談本。
桑田さんの生真面目さがよくわかる一冊。
野球に付き物の、体罰、いじめ、酷使等、野球道と言われてきた日本の野球を研究し、新野球道を作る志は尊敬。僕も息子が野球をはじめて認識したのは、ちゃんとした指導者がいないということ。子供に野球を教えるまでに指導者を育てなければならないということには強烈に同意。
とくに学生野球に口を出したい人は、最新の身体理論を勉強すべし。水飲むな、1000球投げろ等、勉強不足の親、指導者が多すぎる。桑田さん、頑張って野球界を変えてください。