- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103259213
感想・レビュー・書評
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「セイタカアワダチソウの空」が凄絶だった。
ヤングケアラー問題を具体的に書いた物を読んだのが初めてで、想像を絶する絶望感だった。
登場人物はみんな心が壊れる一歩手前のような感じ。幸せは他者との比較で決めるものではないけど、自分の現状がいかに幸せかを強く感じた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
うひゃあ苦手な感じのやつや
ストレートで爽快な物語を読んだ後だったのでなおさらそう考えたのかもしれないけど
この深い感じ
苦手や
性描写がダメってこともないんだけど苦手な感じのやつやった -
窪美澄さんの作品は『水やりはいつも深夜だけど』に続き2作目
妊娠・出産をテーマにした作品が多い作家さんとは知っていたが、本作は露骨で生々しい性の描写が多い作品だった。
小さな街で起こる出来事と、それを取り巻く人々の生き様や描写が湿っぽくて息苦しさを感じた。
主人公の卓巳だけでなく、バイト先で勉強を教えてくれる田岡や、団地に住む友人の良太とあくつ…
それぞれの心の隙間に、性への固執や、妬みや歪みが生じている様子がリアルで、好き嫌いの分かれそうな作品だと思う。
問題を起こした卓巳目線での心理描写が、後半に殆ど無かった為、その後の卓巳の行動や態度は何を意味するのかを汲み取る事があまり出来なかったのが残念だった。「ふがいなさ」という点では共感できる箇所もあったが、良くも悪くも女性目線に徹しているように感じた。
装丁デザインも一見すると綺麗な青空とシャボン玉だが、地面から見上げた構図で、全体に蔓草が絡んだ小さなトンネルとその先には屋根が朽ちた廃屋のような建物や枯れ果てた植物が印象的だった。読後に改めてみると、現実が辛くても上を向いて生きていくしかないと物語っているようだった。 -
ずっと気になっていて、やっと読んだ作品。
5編の話はそれぞれ違う目線から描かれている。
最初の話は性描写が激しくて、えー?っていう感じがしたが、読み進むにつれ引き込まれていく。
最後には同じ年頃の子をもつ私は、母親目線で涙が溢れた。
それは温かい涙かな。 -
話の内容は◎、文章(文体?)が△
これは文章が下手とかではなくて、個人的な好みに合わなかったという意味です
ストーリーや着眼点はめちゃくちゃ好きなのだが、描写(とくに性描写)があからさまというか露骨な言葉が多くて好みに合わず…。逆にその辺が気にならない人はいいかもしれない -
R-18だけあって最初のページからきわどかった…
5編に別れているけど登場人物は友達や彼女や皆繋がってます。
それぞれエピソードは全く違うけど、どれも読後切ないような気持ちになる。
窪先生はエモいんだよな。
泣いてしまった。 https://t.co/ewcvBixJtX -
図書館より。
男子高校生と主婦の不倫関係を中心に据え、その当事者や周りの人々の姿を描いた連作
連作の初めを飾る『ミクマリ』の性描写がいきなり強烈。女による女のためのR-18文学賞の大賞だったので、多少の性描写は覚悟していたのですが、その斜め上を普通にいかれてしまいました……。
連作としてはどうなんだろ? 『ミクマリ』は男子高校生目線、2編目の『世界ヲ覆フ蜘蛛ノ糸』は主婦目線の話となっていて、自分自身初の官能的な小説だったので、その描写の生々しさに加え、それぞれの上手くいかないモヤモヤした感情も想像することができ、良かったと思うのですが、3編目、4編目と話が当事者の二人視点でなくなってくると、なぜ連作でこの話を書いたのかな、と思ってしまいました。
それぞれ出来が悪いというわけではないのですが、冒頭の二人がドラマチックだっただけに、他の登場人物にもそういう話を背負わせると、ちょっと話の軸が見えなくなってしまった印象です。独立した短編集ならあまり気にならなかったと思うのですが……。
それぞれの短編に安易なハッピーエンドや、問題がすべて解決された描写を用意せず、かと言って全くの救いがないようにも描かないのがこの連作のミソなのかな、と思います。そういう点ではとてもリアルな作品でした。生きるって上手くいかないよなあ、でも生きないとなあ、としみじみ思った作品です。
第8回女による女のためのR-18文学賞〈大賞〉受賞作『ミクマリ』収録
第24回山本周五郎賞
2011年本屋大賞2位
著者プロフィール
窪美澄の作品





