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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784103259244
みんなの感想まとめ
人間関係の複雑さとセックスレスというテーマを通じて、登場人物たちの心の葛藤や成長を描いた作品は、リアルな感情を呼び起こします。主人公たちがそれぞれの立場で抱える苦しみや愛情の形は、読者に深い共感を与え...
感想・レビュー・書評
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ありていに言えば陳腐な話である。
一人の女性と彼女を好きになった兄弟の三角関係の話なんて少女漫画かメロドラマみたい。
とはいえ、使い古されたストーリーを窪美澄が描くとどうなるか。
“「血の通った」とはよく言われる言葉ですが、
それをここまで体現する作家は、まれだと思います。”
これは本の帯に書かれている西加奈子さんの文章。
まさにその通りで、窪さんの描く世界は圧倒的なリアルで胸に迫る。
生身の人間が傷ついたり傷つけたり恋したり欲情したり・・・。
どうにもならない人間臭さに登場人物の全員にあますところなく共感してしまった。
この物語の核とも言える“セックスレス”。
私の知人にもこれが原因で離婚した人がいる。
結婚してから一度もないなんてどういう事よ!と当時は妻の立場になり大憤慨。
でも今自分が歳を取ったせいもあるかもしれないが、この小説を読み改めて圭祐の立場になって考えると、考えがぐらぐら。
EDで離婚された男ほど辛いものないんじゃないかと。
でも、夫婦の形は人それぞれ。他人がとやかく言うもんじゃない。
改めてそんな風に感じさせてくれた小説だった。
前回の短編集でちょっとがっかり感はあったけれど、この作品はよかった。
ドロドロしているだけじゃなく、読後感爽やかな窪さんの小説が戻ってきて嬉しくなった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
きっと、あらすじを説明するのは、簡単なことだと思う。そしてその時に、誰を主語にして語るかどうかは、人によって、異なるんじゃないかな。
窪さんの独特の表現が、すごくすき。ふだん、恋愛小説を読まないわたしだけれど、この作品は、立ち読みをしていたら止まらなくなるほど、引きこまれた。
『ふがいない僕は空を見た』以来の窪さんの作品。
また、あの時と似たような感覚。
それぞれ、みんないろいろあって、それをうまく言えずに、あるいは隠して、一生懸命生きている。苦しいのは、辛いのは、自分だけじゃない。
みひろが主人公でも、裕太が主人公でも、圭ちゃんが主人公でも、胸が苦しくなった。
誰かが、何かが、悪いわけではないのに、うまくいかないことは、いくらだってある。それでもきっと、誰かのせいにして、誰かを許して、生きていくのだろう。人のぬくもりを頼りに。 -
兄、圭佑がEDで婚約者みひろとセックスレスが原因で、弟、裕太とみひろが最終的に結婚する。
3人とも商店街の幼馴染である。
人間の本能が勝り性欲の在り方が生々しく感じた。
よるのふくらみの章で、セックスレスで悩む、みひろが圭佑と別れを切り出す。
愛があるけどセックス出来ない圭佑を見ていると倦怠感しかなかった。
ヤゴが孵化し旅立つシーンが、圭佑とみひろの旅立ちの様に描かれたいる点が儚く思った。
許し許され人は繋がりを持って行く。愛の温もりを感じながら。
そんな官能的な文体が切なく綺麗に描かれていました。 -
表題作を含む6つの短編集です。
圭裕・裕大の兄弟と、みひろの3人がそれぞれ短編ごとに入れ替わり、主人公になります。
商店街で育った幼なじみでもある3人ですが、高校時代に圭裕がみひろに告白をしたところから、3人のバランスが少しずつ崩れていきます。
この小説のいいところは、同じ時間を語り手を代えて見るのではなく、次の短編へうつると時間も進んでいるところです。
3人それぞれの気持ちと体のすれちがいが、痛々しく、でも時間だけは平等に流れていくことで、変わらないように見えた3人も少しずつ前に進んでいきます。
小さな3人の輪のなかで絡み合った恋愛感情が、オトナになってもここまで絡み合うものなんだろうか?とも思います。
けれど、そう思っていてもなお、ひとつひとつの物語にひきこまれてしまうのが、窪美澄さんの小説のすごさです。
気持ちだけでも、身体だけでも、つながりきれないものがこの世の中には存在します。
それを知ることで、読み終えたとき、たいせつな人に出会えて、一緒に歩めることは、とてつもない奇跡なんだなと、思いました。 -
自分の生きている狭い世界で、生き続けていくのって難しい。商店街、兄弟、幼なじみ…自分では経験したことのない世界だけど、読んでいてしんどそうだなと思った。
三人とも自分勝手なように感じたけれど、ある意味人間らしいのかもしれない。 -
小さい棘が、知らないうちに心に刺さっていたような気分。読み終わって、晴れ晴れするわけでもないし、むしろ落ち込んでしまっている。土下座をしてまででも好きな人を手放したくなかったこと、ずっと好きだった人が忘れられないこと、誰かに負けること、全部全部がわたしの心を痛める。
途中で、みひろと裕太が腕を組んでスキップしたという描写があって、それが一番好きだったという、、、
全体的に心苦しかったけれど、みんなちゃんと道を進むのだなあと思いました。わたしもちゃんと進みたい -
ある年齢を過ぎると、してない、ということが人には言えない秘密になる。
言う機会なんてないのだが、それでも秘密を抱えている重い気持ちになる。 -
窪美澄の書くままならない人たちがもがく姿が好きだ。
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恋愛って難しい。
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同棲して結婚寸前までいった兄から弟へ、相手が変わるというのは、う〜ん、理解できない。
健司が言った「みひろはさ、昔からおまえといるときだけよく笑うんだよ」という言葉が印象的だった。自然体でいられる相手がいいということかな…。ずいぶん遠回りした二人。相手を大事にして仲良く暮らしてほしい。 -
情なのか欲なのか。
かなり近いところで線が交わる。
この結末みたいに、
みんな素直に生きて、
みんな幸せになれればいいなー。 -
読み終わって泣いた。みひろの圭ちゃんへの思い、祐太への気持ち、圭ちゃんのみひろへの思い、京子の救い、祐太の里沙さんへの思い、みひろへの思い全てが共感できて、ただただ切なかった。
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女も性欲がちゃんとあったり、色気にほだされて人を好きになったり、喜んじゃいけないところで喜んじゃったり、そういう、人間くさいところに、共感してしまう自分がいる。
窪さんの小説は、人の隠したいところをあけっぴろげにしてしまうんだけど、そこを突いて責め立てるでもなく、ありのままを描き切ってしまうので、それがなんとも言えない読後感を出しているように思います。
心だけじゃどうにもならない、身体的な男女の関係を、臆せずに、そして美化せず描き切って作家さんとして、窪さんを尊敬しています。
このお話では、3人の男女の気持ちが交互に描かれます。「ふがいない」に似ているけれど、読み終えた後なんだかスッキリした本作と、希望は見えても棘が刺さったまんま、ってかんじの「ふがいない」だと、読み終えたあとの感覚が違いました。
不思議と圭祐のストーリーが好き。 -
理性と感情、心と体はシンクロしない。自分はこの作品の登場人物ではあきらかに圭ちゃん気質なので、読んでいてちょっと辛かった。
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章ごとに語り部が変わり、それによってそれぞれの本当の感情が明らかになる。
人と人との結びつきは心だけでも、体だけでもうまくいかない。
好きな人に求めてもらえない
好きな人を抱くことができない
女の人にも性欲がある、その当たり前のようでみんなが避けることを描いていて、とても面白い作品でした。 -
どうしようもない遣る瀬無さ、後悔、でも最後にはほんのりとした救い。こういう小説が最近多いような気がする。時代の求めるところなんだろうか。
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この世のなか真っ当な生き方をしてる人間なんているんだろうかと、窪美澄作品を読むといつも思う。
みんな何かしらの後ろめたさや秘密を抱えて生きている、そういう闇の部分を描くのが本当に上手だなぁと思う。
快晴のように晴れやかな気持ちにはなれないけど、雲間から一筋の光がさすような結末に少しほっとした。
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