自縄自縛の私

著者 :
  • 新潮社
3.25
  • (5)
  • (15)
  • (18)
  • (7)
  • (3)
  • 本棚登録 :110
  • レビュー :24
  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103270119

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 最近読んだ『フィッターXの異常な愛情』がよかったから読んでみたけどアブノーマルな本だった。表題作の自縛趣味のあるふたりが全編に脇役としてでてくる。

  • タイトル作よりも「祈りは冷凍庫へ」が良かった。
    なぜ、そのような行為に及ぶのか分析されていて、
    食べることとセックスすることの対比が面白かった。
    「明日の私は私に背く」の破滅願望は自分の中にある火種が大きくなりそうな、自分を持て余している感じがシンクロしてしまった。

  • 自縄自縛の私…この手の趣味はないけどなんか楽しそう。SMならMなんだろうな。
    祈りは冷蔵庫へ…気持ちはわからないでもないけど、卵子はコレクションしたくてもできないから不公平だな。
    ラバーズ・ラバー…キャットスーツはキャッツアイに出てくるあれか。僕の理解も想像も及ばない世界観だ。
    明日の私は私に背く…評価はこの作品。絡みの描写が堪えられないほど素晴らしい。おかしくなりそう。ここまで性欲をかきたてられたのは久しぶり。
    ごみの、蜜…過去を捨て新しい恋が始まる。この本の中で一番前向きな作品かな。

  • 誰にも言えない自分だけの秘密を持つこと。それだけで勇気づけられて、甘美で寂しくて、体は熱く濡れる。

    いっけん普通だけど冴えない毎日に魔が差して、
    ある日自分自身を縄で縛ることを覚えた。

    肉体に食い込む縄を感じるだけでここではないどこかへ沈んでいけるような気がして、日々エスカレートしていく自縄自縛の私。

    他短編。
    毎日の自分がいた証拠のようなものを求めて、不特定多数の男と肉体関係を結んで、彼らの精液を集める史麻。

    ラバースーツに身を包むことでうまくいかない仕事を忘れ、ゴムのにおいに締め付けられながら快楽に目覚めた清花。

    一人の男との性行為だけでは物足りなくて、満たされない衝動でお見合いパーティーを物色する知世の失態。

    ゴミ収集車に連れて行かれるゴミたちに疼く気持ちを覚えながら、
    遠い昔に終わった恋愛と正面から向き合っていく久世。

    満たされない思い、喪失を抱えながらの日々。
    それがなんであるかも自分で把握できないまま、他のなにかで埋めようとする女たちの孤独と希望。

    ほんとに女による女のための小説って感じ。
    女装縛りの渡瀬さんどこ行っちゃったのw

    男が読んではたして面白いと感じるのか、気になる。)^o^(

  • R18文学賞受賞作。嫌悪感など全くなかった。むしろせつなさが胸いっぱいに広がった。著者、蛭田さんのデビュー作だが彼女の紡ぎ出す言葉がすんなり入ってきて、簡単な表現なのにずっしりと心に響いてくる。
    5篇の作品すべての女性が社会での生きずらさを感じ「生」を感じる為に「性」へ固執する。
    「自縄自縛の私」ではウェブ開発を手掛けキャリアを積み成果を挙げる傍ら「自分はもっとできる、という気持ちと、分不相応な無理をしていて、これ以上はもう不可能だ、という考えが交互におとずれた。知らず知らずのうちに、私は袋小路の奥はと進んだ。」という思いが膨らみ、自分を緊縛することでしか「生」を感じられなくなっていく。
    「祈りは冷蔵庫へ」は避妊具に入った男性のそれを丁寧にフリーザーパックへ保管し、冷凍庫のプラスチックケースへ整然と収納する。そのコレクションを増やす事に自分の存在価値を見出す。
    同様に食材も1週間分をきちんと下拵えし日付を記入し保存している。 「性行為」と「食事」は生きる上では同等の価値観があるという事を上手く表現していて凄い。
    この小説で「東電OL殺人事件」を思い出さずにはいられなかった。
    キャリア組の彼女は重要なポストに付いていて、今や問題視されている原子力発電におけるプレサーマル再利用についての危険性を唱えいたらしい。その一方で渋谷区円山町で売春行為に及んでおり、挙句、不慮の事件に巻き込まれ死に至った。
    当時そのギャップからマスコミの格好のネタにされたが、彼女も女として仕事に生きる中、「自分は何者なのか」と遣る瀬無い葛藤があったのではないか?
    5話全て完結系ではなく、余韻を持たせたままおわっている。「自縄自縛〜」の他の4話にも時折、自縄自縛の登場人物が顔を出すのもセンスが良い。
    いやらしさを求めるならば、それなりに性描写が事細かく書かれているので「R18」としては申し分ないだろう。しかしそれよりも、女性がひとりで生きるうちに堆積した理由のわからない不安をすばらしく切なく表現している。過剰な性癖にのめり込むかどうかは些細なきっかけかもしれない。
    綱渡りしながらみんな危うい所で生きているのだ、と感じる。

  • 竹中直人が監督して映画化されたというので読んでみた。
    以下、感想の羅列。

    ・「自縄自縛の私」⇒全然わからん。
    ・「祈りは冷凍庫へ」⇒ごめん、気持ち悪い。
    ・「ラバーズ・ラヴァー」⇒羊水に浮いている感じ=心地よい、を求める気持ち、これはここに来てやっと理解できる。フカフカで暖かくて寝心地の良いお布団を求めるのと、きっと同じだ、きっと、たぶんね。
    ・「明日の私は私に背く」⇒婚約者の男の底知れなさの方が怖いんですけど。
    ・「ごみの、蜜」⇒幼くして死んだ娘の学習机やお雛様をゴミとして捨てるか?という末節なところで夫と意見が分かれる。

    総合的には「人って自分の身体で遊べる生き物なんだなぁ(溜息)」って感じ。

  • 面白かったが後半にかけての失速は否めなかった。書き下ろしの「ごみの、蜜」は最後らしくいい感じに仕上がっていたが、その手前の「明日の私は私に背く」などはただの浮気性の女ではないか。異常性癖を抱える女性の内面の葛藤というテーマに劣っているように思われた。
    やはり一番面白かったのは表題作。R18文学賞の存在はこれで初めて知ったが、いいものだと思った。他の受賞作も読んでみたいと思う。

  • 表面的には変態さんたちのおはなしだけれど、
    何かにこだわり、何かに囚われる、人間らしくて素敵ではないかしら。
    社会生活で表に出さなければ良い秘め事であるのだから。
    作者の言葉の選び方、使い方が私はとても好き。
    平明で美しいと思う。

    映画は見ないと思う。

  • 自分を消したいと願いながら、誰かが見つけてくれるのを待っている人たちの話。
    自分のことは自分で見つけてあげなきゃ。

    問題は、自分がどんなにめぐまれてるかに無自覚で、感謝する気がさらさらないってことなんだ。
    いらないものを捨てたい。

  • 12/10月始め

全24件中 1 - 10件を表示

自縄自縛の私のその他の作品

自縄自縛の私 (新潮文庫) 文庫 自縄自縛の私 (新潮文庫) 蛭田亜紗子
自縄自縛の私 Kindle版 自縄自縛の私 蛭田亜紗子

蛭田亜紗子の作品

ツイートする