一瞬の夏

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (572ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103275091

感想・レビュー・書評

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  • フィールドワークで推薦されている本である。研究書というよりはノンフィクションである。
     カシアス内藤というボクサーがカンバックして試合を行い、最後に韓国の朴との試合で負けるまでのストーリーである。どこがフィールドワークであるかよくわからないであろう。「かつて白い海で戦った」というノンフィクションの5巻で読んだ。
     これでフィールドワークに関する本はほとんど読んだことになる。

  • これはボクサーのカシアス内藤(元・世界ミドル級1位)という実在の人物と沢木さんが行動を共にし、詳細に記したドキュメンタリーである。

    著者の沢木さんにかかると、ただの黒人のハーフのボクサーが落ちぶれて、突然再度復帰し、その試合の行方を書いただけなのに、ものすごくドラマチックでまるで小説を読んでいるみたいに気になってどんどん引き込まれてしまう。

    沢木さんって本当にすごいな。

    だって私は女で、特にボクシングなんてこれっぽっちも興味も知識も持ち合わせていないのに、夢中になってしまったのですから。

    そして沢木さんのその行動力に驚かされるね。
    人間味もあるし。

    いやぁ、第一回新田次郎文学賞だけあるわ。

    実は、ボクシングだからと後回しにして読まなかったのですよ。
    ボクシング好きでも嫌いでも、とっても面白く読めます。

  • アリスの「チャンピオン」はこの作品からインスパイアされた?

    今なら「Number」あたりで普通に読めそう

  • 主人公カシアス内藤、トレーナーのエディ、カメラマンの利郎、そして著者である沢木耕太朗。無垢の信頼心で結ばれたこの四人が過ごした過酷な一年、そして一瞬の夏。
    ボクシングに偶然の一発は無い。
    たった一発に多くのボクサーが沈み、ほんの一握りの者だけが浮上する。それが力量であり、それこそがボクシングなのである。
    この世は報われない努力で満ち溢れている。それを承知の上で、この闘いに内藤が勝つことこそ 〈 poetic justice (詩的正義) 〉 ではないかと猛烈に思った。

  • 沢木耕太郎の自己陶酔的な面がプラスに働いている作品。熱い本だ。

著者プロフィール

1947年東京生まれ。横浜国立大学卒業。73年『若き実力者たち』で、ルポライターとしてデビュー。79年『テロルの決算』で「大宅壮一ノンフィクション賞」、82年『一瞬の夏』で「新田次郎文学賞」、85年『バーボン・ストリート』で「講談社エッセイ賞」を受賞する。86年から刊行する『深夜特急』3部作では、93年に「JTB紀行文学賞」を受賞する。2000年、初の書き下ろし長編小説『血の味』を刊行し、06年『凍』で「講談社ノンフィクション賞」、14年『キャパの十字架』で「司馬遼太郎賞」、23年『天路の旅人』で「読売文学賞」を受賞する。

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