• 新潮社 (2005年9月30日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784103275121

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

緊張感と感動が交錯する物語が展開されます。主人公は実在のアルパインクライマーであり、幼少期からの山への情熱が、困難な冬山での挑戦を通じて描かれています。彼とその妻の過酷な登攀の道のりは、死と隣り合わせ...

感想・レビュー・書評

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  • 凄まじい内容でした。
    初めから、又中盤からラストにかけてはヒリヒリして呼んでいるだけでも緊張感で震えました。
    ここまでの、既に何回か死んでいてもおかしくないにも関わらず執念とも言える山への情熱がなぜ、どこから湧いてくるのか常人には想像も出来ませんが、このおふたりにはそれが生きているということなのかな。
    とても映像的で感覚にも訴えてくるような文章でずんずん読めました。

  • 沢木耕太郎の凍を読みました。
    主人公は実在の人物で小さい頃から山が好きで、父親に反対されても、山が自分の人生と冬山を目指します。
    女性クライマーとも出会い夫婦で山に登り続けます。
    死と背中合わせで、どうしてそこまでというのもありますね。
    高校の頃孤高の人や栄光の岸壁を読みましたが、久々の山の物語ですが、良かったです。

  • 久々の、どんどん先を読み進めたい気持ちと、終わってしまうのが嫌で進めたくない気持ちがせめぎ合う、読書の醍醐味を味わえた一冊。
    尊敬するアルパインクライマー山野井泰史さんと妻妙子さんの、ギャチュンカン登攀。過酷な、二人でなければおそらく遭難と死は必至だったであろう道程の描写に緊張が止まらなかった。
    結末を知っていても、不安になった。
    アルピニストの業、というものを知った。
    生きていることの重さを感じられた。
    読む前の自分には、必読、大満足の一冊になるよと伝えたい。

  • ノンフィクションの凄みなのか惹き込まれて一気読みしてしまった。
    以前筆者の山野井夫妻との対談書で本書の内容に触れており、読んでみたい一冊であった。

    切り立った壁、極限の寒さや雪崩の恐怖、剥き出しの大自然がヒシヒシと伝わってきた。

    狂気や中毒かとも思ってしまう山に対する姿勢と日常の生活があまりにもストイックであるが、これが生死を分ける境目なのかもと納得した。
    極限の状況で揺るぎない夫妻の信頼感とリスペクトは何とも言えずいいなぁと思った。

    凍傷により以前のような動きができない中でも次の目標を見据え、チャレンジし成し遂げる姿にただただ感動。
    自分の意思で変えられないことはさっさと見切りを付ける潔さは見習いたい。

  • ブクログの「あなたへのおすすめ」より。山歩きに親しんでいたからか、山野井さんご夫妻のお名前に記憶があったので、読んでみることに。沢木耕太郎さん初挑戦。
    お二人の、自身の内なる欲求のみに従って生きている、その迷いのなさが実に清々しかった。こんな風に生きていくことができるのかと。
    究極の状況にありながら、まるで日常のような些事を考えてしまう様が、どことなくユーモラスで、その淡々とした文体と独特な視点の動きもあいまって、重苦しくなく読み進めることができた。想像を絶する世界を、全く違和感なく読ませてしまう作者の力は、本当にすごいと思う。

  • 面白かった
    奥さんが凄い人だと思った。
    山登り自分はやらないけど、そこまでしてやる魅力があるんだろう。
    自分も小さな山でいいから登ってみたい

  • ノンフィクションの面白さはそれが実際に起こった事である、という所だと思う。ノンフィクションを読むたびに「人間ってすごい可能性があるのだなぁ」と感動するし、自分自身も頑張ろう、と思う。
    本書ではその醍醐味を思う存分味わえた。

    山に全く登らない私としては、登山者がどうして困難な山に挑戦するのか良く分からなかった。本書を読んだ今、「彼らには理由などなく、ただ登りたいから挑戦するのだ」というのが感覚的に分かった。それはきっと本能的な物で、部外者には理解しがたいものなのだろう。

    正直に言うと、山に縁遠いものとしては、ちょっとうーんと思う部分もあった。妙子さんが死んだかもしれないと思うシーンでは山野井さんのドライさが何となく受け入れがたかったし、困難な山に挑戦して死にかけて荷物を置いてきてしまい、しばらく後で取りに行ったけど氷河が移動してるからありませんでした!というのは自然と対峙すると言いながらも非常に人間都合だなぁと感じた。しかしながら、そういう何となくもやっとする部分もリアルに書いてあるからこそ、山野井さんと妙子さんが身近な生きている人として生き生きと感じられ、二人の行方にはらはらさせられるのだと思う。そして、上記のもやっとした部分に関しても、最後には「私の考え方とは違っても、これが彼らの流儀なのだ」と納得させられてしまう。改めて沢木さんの文章力の凄さを感じた。

    人間って最後には精神力なんだよなぁとつくづく思った。お二人が無事に戻ってきて、今また山に挑戦していると言う事に「すごいなぁ」と思うばかりだ。

  • 山野井さんの狂気にも似た山へのこだわりに、感嘆と恐怖を感じました。山にはそれほどの魅力があるのだと思いましたが、自分はたまに小さい山に登るくらいがちょうど良いかなと。指がなくなっても、その制約の中で、また山にチャレンジする姿はシンプルに凄さを感じさせられました。

  • 実に地味な語り口で、イマイチ盛り上がらんかな?と思いきや、むしろこの過酷な展開には無用な脚色は不要です、てな気にもなってくる。
    それだけ壮絶な世界で、しかしこれ、どれだけすごい壁なのか分からん、って時は直にネットで調べられるから、便利だわ。でも写真で見ると快晴だし、その厳しさがむしろ伝わってこず、となると実は写真より言葉のほうが伝わるのね。
    しかしこういう冒険ものってけっこう盛り上がるのよ、思いの外って言ったら何だけど。ハイキングでも行ってみるかな。

  • この実話を読んでレベルの高いクライマーの世界が垣間見えた。ギャチュンカン凄いし、登り切って帰ってきた山野井夫妻凄い。山をやめようとしてまた始めてしまう山野井凄いし、俗世から遠く離れてるような妙子凄い。彼らの世界には辿り着けないだろうけど山に登りたくなった。

  • 山野井と妙子の山に対する想い、登攀の歴史、スタイルがノンフィクションだと知り驚いた。山の空気を吸いたいから、無酸素で登る。山には何も残して来ない。生きて帰る。マスコミ嫌い。凍傷で手足を失っても、山を諦めない2人がとても清々しかった。こういう夫婦のあり方も、良いなと思った。

  • 2011/10/21

  • 登山を描いた作品を読むのは初めてでしたが、緊張や興奮が文章からヒシヒシと伝わってくるようで、唯一無二の面白さがありました。専門用語も程よく補足説明がなされていて、登山経験・知識の乏しい自分でも楽しめました。

  • ギャチュンカン登山
    山野井泰史は登頂
    妻の妙子は途中断念
    下山に苦しむ、奇跡の生還と呼ばれる
    表面だけ固いモナカ雪、危ない
    斜面は1本線を引くように歩くと雪崩を起こす

  • 2019年1月14日読了

  • 子供が学校でこの本を読むように言われ
    図書館からかりてきたのを 借りてきて読んだ。

    しばらく前に アーチャーの「遥かなる未踏峰」を読んだのである程度知識はあった。
    無酸素で、また単独で8000m級の山に登る大変であること

    また 夫婦の強靭な精神、体力には驚愕するしかない。

    凍傷で指の多くを失ったことは象徴的な出来事だが

    本質は そこにはない。だれから言われたわけでもないのに
    目標と設定し、そのための準備をし

    そして成し遂げるという姿である。

    実は登山は過程は恐ろしく困難であるのに
    目標の設定は比較的簡単である。

    地図や写真であるいは麓から山肌をみることで
    目標を設定できるからである。

    目標を設定することが 何よりも先立つ

    そのことに改めて気付かされる ノンフィクションであった。

  • あまりになじみのない地名が出てくるので、
    GoogleMAPsや、写真を探して
    本書と照らし合わせながら読んでいくのが
    また色々と面白かった。

    下降中の生死の狭間での体験は怖い。
    極限の寒さの中で、心臓が止まりそうに感じる、
    足が悪くなってくることが感じられる、
    眼が見えなくなる。
    そんな状況の中でも何とか生きて帰ろうとする。
    それは本当にすごいことなのだと感じる。

  • 登山家”山野井夫妻”のヒマラヤでの登山の様子を
    沢木によって纏められた”ドキュメンタリー”です。

    ドキュメンタリーではあるのですが、下手な小説よりも、
    スリルはあるし、緊迫感もあります。

    たまたま、山野井という名を知って手にした本です。

    ストーリーはヒマラヤにあるギャチュンカン(7,952m)の
    北東壁をソロクライムで登攀する予定で準備し、現地に向かうも、
    その北東壁は登攀には向かず、既に登攀されている北壁を
    夫妻で昇る事に。

    天候の崩れや不測の事態などで、ベースキャンプへ戻る予定日が
    大幅に遅れることに。

    休む事もままならない状況の上に天候悪化で多くの雪崩が発生。
    辛くも生還はしたものの、妻、妙子は以前に凍傷で失った指に
    加えて、手の指を全て失ってしまう。

    山野井自身も、凍傷から逃れる事が出来ず、右足の指を全てと
    両手から5本の指を失ってしまう。

    なぜ、そこまでして登山をするのか。
    正直、読み終えた後でもそのことは理解できませんが、
    どんなに過酷な状況というか、絶体絶命の状況で”死”よりも
    過酷は生還を選択するのは余程、生に拘っている夫妻なのだと
    思わされました。

    つまり、山を登るということはこの夫妻にとっては生そのもの。
    息をする事ぐらい当然なことなのだと言う事だと。
    それがこの夫妻を山に向かわせている原動力なのではないかと
    思わされました。

    死に対する恐怖心は無いと言う描写がありますが、
    それは強がりではなく真実だと思います。

    この2人は、死ぬ事より恐ろしいことは山に登れなくなること。
    事実、夫妻の残った指を合わせても1人分の指の数にすら達しないのに、
    未だ登山は辞めていません。

    人生の全てを登山に使う。
    本当に絵に描いたような一つのことだけに全てを使う。

    そんな人生を送れたらどんなに幸せなのか。
    過酷なドキュメンタリーを読んだのにそう思わされてしまう、1冊です。

  • 夏の帰省で本棚に眠っていたこの本を何気なく手に取りました。惹きこまれて一気読み。

    沢木耕太郎の短く鋭い文章と、極限で闘うクライマーの姿の相乗効果で、強烈なインパクトを与えてくれました。

    長く記憶に残りそうな1冊。

  • 夏なのに、寒く感じるほどの臨場感と息苦しいほどの緊張感。一気に読んでしまいました。
    でも何で山に登るのか、私には分からない…

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著者プロフィール

1947年東京生まれ。横浜国立大学卒業。73年『若き実力者たち』で、ルポライターとしてデビュー。79年『テロルの決算』で「大宅壮一ノンフィクション賞」、82年『一瞬の夏』で「新田次郎文学賞」、85年『バーボン・ストリート』で「講談社エッセイ賞」を受賞する。86年から刊行する『深夜特急』3部作では、93年に「JTB紀行文学賞」を受賞する。2000年、初の書き下ろし長編小説『血の味』を刊行し、06年『凍』で「講談社ノンフィクション賞」、14年『キャパの十字架』で「司馬遼太郎賞」、23年『天路の旅人』で「読売文学賞」を受賞する。

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