旅のつばくろ

  • 新潮社 (2020年4月22日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784103275213

作品紹介・あらすじ

つばめのように軽やかに。人生も旅も――。沢木耕太郎、初の国内旅エッセイ。旅のバイブル『深夜特急』で世界を縦横無尽に歩いた沢木耕太郎。そのはじめての旅は16歳の時、行き先は東北だった。あの頃のようにもっと自由に、気ままに日本を歩いてみたい。この国を、この土地を、ただ歩きたいから歩いてみようか……。JR東日本の新幹線車内誌「トランヴェール」で好評を博した連載が遂に単行本化!

みんなの感想まとめ

人生や旅の深い感慨を呼び起こすエッセイ集で、著者の初めての国内旅を通じて、思い出や新たな発見が描かれています。特に東北を舞台にした旅のエピソードが多く、16歳の頃の心情と現在の視点が交錯することで、時...

感想・レビュー・書評

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  • 人との縁を大事にした日本国内の旅。
    ガイドブックには載らない、ふとした偶然でその土地での思いがけない出会いや風景に遭遇することが「ちょっとした贅沢」になっている。その土地での地元の方との交流や著名人との取材においての触れ合い、以前観た映画『火宅の人』に関する取材エピソード、斜陽館の太宰治生家の執筆部屋座布団についても興味深かった。寄り道の古書店での本との出会いなどなど。
    『縁、というものがある。眼には見えないが強く存在する何らかの関り、というような意味と私は理解している。』旅の仕方の学びになった。

  • 成行き旅(遊佐),縁を感じ縁が生れる旅(宮城),近くて遠い旅(奥多摩湖)等,国内旅エッセイ。温泉の話(厄災齎す自然が恵み齎す)や,人生で面として知る土地が豊かさに直結等味わい深い内容。旅の追体験。

  • 新幹線に乗った時に読むのを楽しみにしていた『トランヴェール』の連載をまとめたもの。

    青年時代に東北を旅した思い出と、その時に行けなかった場所を大人になって訪問した時に感じたこと、不思議な縁などについて書かれています。

    「この地に来るのが遅すぎたのではないか、もう少し早くきていればもっとすばらしい旅になったのではないか」とマラケシュに行った時に感じた著者ですが、十六歳の時にいけなかった奥入瀬を訪れた時に、「いや、むしろ今が自分にとって相応しい『時』だったのではないか」と思い直すようになったという話が印象的でした。いつ行っても『その場・その時』だよね。

    『トランヴェール』連載時は、たしか文章に写真かイラストが添えてあって、その全体的な雰囲気だ好きだったのだけど、本になったら文字だけで残念。

    【がんばれ。宇都宮線!】という電車の乗り換えが奇跡的にうまくいったという肩肘張らない系のエピソードなどもあって楽しかったです。

  • どこかでいろんな人と繋がっているんだなぁと実感しました。

  • いい意味で軽く、読後には清涼感を感じる一冊でした。忙しなく追い捲られる日々の中でも、旅を楽しむ心の余裕は持ち続けていたいですね。

  • 沢木耕太郎氏の初の国内旅エッセイという
    触れ込みです。

    深夜特急の印象が強いゆえに、国内モノは
    どうなのかなあ、と思う読者が多いからこ
    ういう引き文句になったのでしょう。

    と言いましても、行った場所を「あそこは
    こうだった。ああだった」と単に描写する
    だけではありません。

    当たり前ですよね。

    「なぜそこに行くことになったのか」「そ
    こに行ったことが、自分をどう変えたのか」
    などに主題が置かれ、「ああやっぱり沢木
    耕太郎の文章だなあ」とある意味安心感を
    抱きます。

    旅情を誘う内容というより、「旅をする時
    はもっとその時の自分の内面と向き合うこ
    とも大切なのだな」と感情を動かされる一
    冊です。

  • <筆>

    やはり沢木耕太郎が練って書いてしっかりと推敲された文章は面白い。
    先日まで読んでいた沢木の本が,しゃべりっ放しの「対談集」でしかもまとめて4冊も出てきたので僕はかなり食傷気味だった。
    その対談のなかでたまさか沢木が云っていた。「とにかく何度も推敲する・・・そして私の場合は推敲すればするほど文章は良くなる・・・」その通りであろう。僕らの様な素人感想書きでも何度か読み直してから投稿すればそうしないより良くなるのだから。

    また一冊1700円もした先の対談集に比べて本書『旅のつばくろ』は小さくて薄くて軽くて1000円ととても良い好い嬉しい!

    (余談ですw)
    この本の前に読んでいた浅田次郎『流人道中記(上/下)』の旅の目的地「三厩」がこの『旅のつばくろ』にも出てきて感慨深かった。そして本作と並行して次に読んでいる『ペスト』の作者アルバート・カミュまでもがこの作品には載っている.なぜか僕の読書リレーには偶然のこういう繋がりが何度もある。

  • 深夜特急の前の高校生の時の旅、
    過去行きそびれた場所への旅、
    沢木耕太郎のエッセイの文章は読みやすく、
    心にしみるし、気持ちが良い。

  • まず、日の丸を連想させる本のデザインが素敵。「つばめのように軽やかに」というキャッチフレーズ通り、軽やかな読み応えだが、著者がきちんと土地を踏みしめているのが伝わってきて非常に良かった。歴史や土地にまつわるあれこれを理解して旅することで、その土地の魅力がさらに増すのだと思う。旅運に恵まれた沢木さんの魅力が存分に伝わってくる。

  • 旅のエッセイ。「深夜特急」以来の好きな作家の1人です。今回の旅は、著者若い頃のスリリングな海外旅行とは違って、気ままな国内(東日本中心)旅行。十六歳の時の12日間の東北1周旅行―それが著者の旅の原点であり、半世紀を経てその旅を辿りつつ、これまでの人生を振り返る。著者は「自分は旅運が良い」と言う。旅先で予期しないことが起きたとき、それを楽しむことができるからではないか…。「旅の長者」になるためには、「面白がる精神」が必要という。外出自粛で、しばらく旅に出ていない人も多いのでは? (私もその一人)。旅行の代わりにこのエッセイ集を読んでみるのもいいかも…!

  • 初の国内旅行エッセイ。JR東のトランヴェール;新幹線に乗るとシートのポケットに挟まってるあの冊子、に連載したものをまとめたって。どれも数ページの話だが、さすが!頭にスーッと文書が入ってくる快感はこの人ならでは。読んでるとだんだん旅に行きたくなる、この時期に読むとヤバい本。おすすめしたいが薦めない。

  • 新たな年のツバメが飛ぶようになってから読了。
    『深夜特急』ではユーラシア大陸の旅を
    読ませてくれた作者が
    国内の旅をまとめたということで
    こちらも読者を旅に出たくさせる。
    日本での内容だから
    小旅行のような楽しさがある。
    今は国内旅行もしにくいから
    いつの日か以前のように
    楽しい旅ができるようになってほしい。
    その時は所謂「旅行」という形にしたい。

  • 沢木耕太郎の本は、常々読んでみたいと思っていたが、これまでに読んだのは「凍」の一冊のみ。でも本棚には、「深夜特急1」「旅する力」「テロルの決算」「危機の宰相」「檀」「キャパの十字架」が並んでいる。
    私には、良い本を見つけた時に、今買っておかないと、生涯この本と再び出合う機会がないのではと思ってしまう強迫観念にいつも襲われ、ついつい本を買ってしまう。
    その結果が、膨大な積読状態が発生し、壁の作り付けの本棚だけでは足りなくなって、新しい本棚が必要となってくる悪循環に陥っている。
    昨今のように読書量が落ちてくると、処分しようとは思っているのだが・・・

    この本は、新聞広告に出ていた日に、本屋さんでたまたま遭遇したので、買った次第です。
    これまでの反省もあり、積読ではなく、買ってすぐに読み始めた。

    内容は、JR東日本が発行している「トランヴェール」という旅の雑誌に掲載された旅のエッセイの中から41編を纏めたものである。
    旅の行き先は「遊佐(山形)」「築館町」「盛岡」「奥多摩」「箱根」「小淵沢」「輪島」「龍飛岬」「蟹田」「三内丸山」等。
    旅の途中に出会った人との交流や過去の経緯で訪れた土地での思い出等々が、1つが5ページ程にまとめられており、しかもこの著者らしく端正な文章なので、寝る前に軽く読むのに適している。

    能登の輪島では、白米(しろよね)の棚田まで足を延ばした時に、香港からのカップルと出合う。著者は彼らに「中国本土の龍勝の棚田の方が、規模も壮大で、同じ棚田ならそちらの方が良いのではないかと訊ねたら、二人は口々にこう言った。自分たちも龍勝の棚田には行ったことがある。しかし、良く手入れされているこの白米の棚田により心を動かされる。そして、こんなことも言っていた。以前は中国本土にも旅行していたが、最近は日本にしか来ない。日本を旅行していると、心が落ち着くのだ、と。」
    ・・・等々、出会った人々との心温まる交流が随所に散りばめられている。
    肩の凝らない本として、一読をお勧めします。

  • 20200425 読んで、旅に出たくなった。なんだろう。読んで共感できる事が多く、自分も同じような気持ちを体感したい。と思う。が、時期が悪かった。コロナ騒動が落ち着いたら反動で予約も大変かもしれないがとりあえずは小海線沿線に出かけてみるつもり。

    • piccolo33さん
      コロナが落ち着けば、ゆったりとした旅をしたいですね。
      コロナが落ち着けば、ゆったりとした旅をしたいですね。
      2020/06/04
  • 私が時々しているのは『旅行』であって、この本に書かれているのは『旅』 そんなふうに感じた。
    旅をしながら目の前に見えるものだけでなくその先の何かにまで思いを馳せる。こんな『旅』をしてみたい。 旅の「性善説」いいなぁ〜

  • この本を手にした理由は、ひとつではない。
    著者が沢木耕太郎だからというのもひとつ。
    『つばくろ』という言葉が好きなのがひとつ。
    旅に出たいというのも理由のひとつだ。

    どうもわたしは、著者の人物像をあまり心を動かされないと勝手に思いこんでいたようだ。
    このエッセイを読んでその思い込みは180度変わることになった。なんとも繊細で大きな情熱をうちに秘めた人なのだ。

    最後の『夜のベンチ』はすごく好きな話だ。
    いつの世も世界中どこへ行っても、こうであってほしい。
    旅への『性善説』の信奉者が増えていきますように。
    旅だけにとどまりませんように。

  • 日本の隅々までに愛着が湧く。
    いわゆる観光地じゃないただの町に旅に出たいなあ。

  • 沢木耕太郎のエッセイ、旅行に対する考え方は納得することばかりである。どこかへ出かけたくなる。

  • 肩肘張らない沢木氏の旅のスタイルが良く伝わる。深夜特急は大好きで影響受けたが。この日本の旅も、ちょい旅に行こうかな、と思わせる内容。

  • 沢木さんと出会えて良かったと思うエッセイ。
    旅についての費用のかけ方、取材との向き合い、断片の沢木さん像が少しのまとまりになってきました。

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著者プロフィール

1947年東京生まれ。横浜国立大学卒業。73年『若き実力者たち』で、ルポライターとしてデビュー。79年『テロルの決算』で「大宅壮一ノンフィクション賞」、82年『一瞬の夏』で「新田次郎文学賞」、85年『バーボン・ストリート』で「講談社エッセイ賞」を受賞する。86年から刊行する『深夜特急』3部作では、93年に「JTB紀行文学賞」を受賞する。2000年、初の書き下ろし長編小説『血の味』を刊行し、06年『凍』で「講談社ノンフィクション賞」、14年『キャパの十字架』で「司馬遼太郎賞」、23年『天路の旅人』で「読売文学賞」を受賞する。

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