旅のつばくろ

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 740
感想 : 72
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103275213

作品紹介・あらすじ

つばめのように軽やかに。人生も旅も――。沢木耕太郎、初の国内旅エッセイ。旅のバイブル『深夜特急』で世界を縦横無尽に歩いた沢木耕太郎。そのはじめての旅は16歳の時、行き先は東北だった。あの頃のようにもっと自由に、気ままに日本を歩いてみたい。この国を、この土地を、ただ歩きたいから歩いてみようか……。JR東日本の新幹線車内誌「トランヴェール」で好評を博した連載が遂に単行本化!

感想・レビュー・書評

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  • 人との縁を大事にした日本国内の旅。
    ガイドブックには載らない、ふとした偶然でその土地での思いがけない出会いや風景に遭遇することが「ちょっとした贅沢」になっている。その土地での地元の方との交流や著名人との取材においての触れ合い、以前観た映画『火宅の人』に関する取材エピソード、斜陽館の太宰治生家の執筆部屋座布団についても興味深かった。寄り道の古書店での本との出会いなどなど。
    『縁、というものがある。眼には見えないが強く存在する何らかの関り、というような意味と私は理解している。』旅の仕方の学びになった。

  • 新幹線に乗った時に読むのを楽しみにしていた『トランヴェール』の連載をまとめたもの。

    青年時代に東北を旅した思い出と、その時に行けなかった場所を大人になって訪問した時に感じたこと、不思議な縁などについて書かれています。

    「この地に来るのが遅すぎたのではないか、もう少し早くきていればもっとすばらしい旅になったのではないか」とマラケシュに行った時に感じた著者ですが、十六歳の時にいけなかった奥入瀬を訪れた時に、「いや、むしろ今が自分にとって相応しい『時』だったのではないか」と思い直すようになったという話が印象的でした。いつ行っても『その場・その時』だよね。

    『トランヴェール』連載時は、たしか文章に写真かイラストが添えてあって、その全体的な雰囲気だ好きだったのだけど、本になったら文字だけで残念。

    【がんばれ。宇都宮線!】という電車の乗り換えが奇跡的にうまくいったという肩肘張らない系のエピソードなどもあって楽しかったです。

  • どこかでいろんな人と繋がっているんだなぁと実感しました。

  • いい意味で軽く、読後には清涼感を感じる一冊でした。忙しなく追い捲られる日々の中でも、旅を楽しむ心の余裕は持ち続けていたいですね。

  • 沢木耕太郎氏の初の国内旅エッセイという
    触れ込みです。

    深夜特急の印象が強いゆえに、国内モノは
    どうなのかなあ、と思う読者が多いからこ
    ういう引き文句になったのでしょう。

    と言いましても、行った場所を「あそこは
    こうだった。ああだった」と単に描写する
    だけではありません。

    当たり前ですよね。

    「なぜそこに行くことになったのか」「そ
    こに行ったことが、自分をどう変えたのか」
    などに主題が置かれ、「ああやっぱり沢木
    耕太郎の文章だなあ」とある意味安心感を
    抱きます。

    旅情を誘う内容というより、「旅をする時
    はもっとその時の自分の内面と向き合うこ
    とも大切なのだな」と感情を動かされる一
    冊です。

  • <筆>

    やはり沢木耕太郎が練って書いてしっかりと推敲された文章は面白い。
    先日まで読んでいた沢木の本が,しゃべりっ放しの「対談集」でしかもまとめて4冊も出てきたので僕はかなり食傷気味だった。
    その対談のなかでたまさか沢木が云っていた。「とにかく何度も推敲する・・・そして私の場合は推敲すればするほど文章は良くなる・・・」その通りであろう。僕らの様な素人感想書きでも何度か読み直してから投稿すればそうしないより良くなるのだから。

    また一冊1700円もした先の対談集に比べて本書『旅のつばくろ』は小さくて薄くて軽くて1000円ととても良い好い嬉しい!

    (余談ですw)
    この本の前に読んでいた浅田次郎『流人道中記(上/下)』の旅の目的地「三厩」がこの『旅のつばくろ』にも出てきて感慨深かった。そして本作と並行して次に読んでいる『ペスト』の作者アルバート・カミュまでもがこの作品には載っている.なぜか僕の読書リレーには偶然のこういう繋がりが何度もある。

  • 深夜特急の前の高校生の時の旅、
    過去行きそびれた場所への旅、
    沢木耕太郎のエッセイの文章は読みやすく、
    心にしみるし、気持ちが良い。

  • まず、日の丸を連想させる本のデザインが素敵。「つばめのように軽やかに」というキャッチフレーズ通り、軽やかな読み応えだが、著者がきちんと土地を踏みしめているのが伝わってきて非常に良かった。歴史や土地にまつわるあれこれを理解して旅することで、その土地の魅力がさらに増すのだと思う。旅運に恵まれた沢木さんの魅力が存分に伝わってくる。

  • 旅のエッセイ。「深夜特急」以来の好きな作家の1人です。今回の旅は、著者若い頃のスリリングな海外旅行とは違って、気ままな国内(東日本中心)旅行。十六歳の時の12日間の東北1周旅行―それが著者の旅の原点であり、半世紀を経てその旅を辿りつつ、これまでの人生を振り返る。著者は「自分は旅運が良い」と言う。旅先で予期しないことが起きたとき、それを楽しむことができるからではないか…。「旅の長者」になるためには、「面白がる精神」が必要という。外出自粛で、しばらく旅に出ていない人も多いのでは? (私もその一人)。旅行の代わりにこのエッセイ集を読んでみるのもいいかも…!

  • 初の国内旅行エッセイ。JR東のトランヴェール;新幹線に乗るとシートのポケットに挟まってるあの冊子、に連載したものをまとめたって。どれも数ページの話だが、さすが!頭にスーッと文書が入ってくる快感はこの人ならでは。読んでるとだんだん旅に行きたくなる、この時期に読むとヤバい本。おすすめしたいが薦めない。

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著者プロフィール

1947年東京生まれ。横浜国立大学卒業。73年『若き実力者たち』で、ルポライターとしてデビュー。79年『テロルの決算』で「大宅壮一ノンフィクション賞」、82年『一瞬の夏』で「新田次郎文学賞」、85年『バーボン・ストリート』で「講談社エッセイ賞」を受賞する。86年から刊行する『深夜特急』3部作では、93年に「JTB紀行文学賞」を受賞する。2000年、初の書き下ろし長編小説『血の味』を刊行し、06年『凍』で「講談社ノンフィクション賞」、14年『キャパの十字架』で「司馬遼太郎賞」、23年『天路の旅人』で「読売文学賞」を受賞する。

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