盲目的な恋と友情

著者 : 辻村深月

• 新潮社 (2014年5月22日発売)

感想・レビュー・書評

[しょーさんの感想 · 2019年7月18日]

女子ならでは…な気持ちの揺れ動きが見えて怖かった。
色んな‘女子’の心の中が見えたけど、どれにも共感出来るのが凄い。
盲目的な恋と友情。タイトルと内容の合致具合に鳥肌たった。
止まらな過ぎてすぐに読めてしまった。

[廿(*>ш<*)さんの感想 · 2019年6月29日]

この本を読んでいいて、まず自分の嫉妬と友情について似てるような所が沢山あって....グサグサやられるような記憶を呼び起こすような話でした。
嫉妬心は男女で差があると思いますが、大抵の女子グループでつるんでる子だったら、身に染みて感じると思います....
執着するのは良くないって良くわかる本です！ドロドロしてますが面白いのでオススメ！！

[herbteaさんの感想 · 2019年6月14日]

まさしく題名通りのストーリーでした。女の敵は女。これも見事に「女」の嫌な部分を書き込んでいて感心します。ラストの展開なんて意表を突かれたもののわかる気がしてしまうのが何とも苦いです。女性の友情は近すぎるとかえって難しい。これに男性が絡んだらなおさらです。それでも女性読者は共感できる部分もあってそれなりに楽しんでしまうのかもしれませんが、男性はこれを読んで楽しいのでしょうか。黒辻村も好きですが、正直私には長々と行き過ぎたドロドロを読まされだけのようで、楽しむところまでは行かずに残念でした。

[kiyom93さんの感想 · 2019年5月6日]

前半だけでは、なんかありがちな話かなと思っててたら、別の視点で同じ話。なるほど面白い。

[まふゆんさんの感想 · 2018年10月28日]

図書館で借りて一気読み。

盲目的な恋をする蘭花と、盲目的な友情に縋る留利絵。
恋パートのラストで留利絵の苗字が出てきたから、辻村さんお得意の名前マジック？かと思ったら、それは関係ないみたい。

蘭花の話はとにかくエロい（笑）官能的。菜々子の存在とかもうすげぇ。
対して留利絵の話はとにかくリアル。女子の中にはきっとこんな気持ちを持つ子供時代があったはず。
だいたいは小学生ぐらいで終わるこの気持ちを大人になるまで持ち続けてしまった留利絵が本当に読んでいてツライ。

ラストの主犯が入れ替わる瞬間はゾクゾクする。さすが辻村深月。

[めーこ@語彙力皆無。さんの感想 · 2018年4月23日]

読み終わって率直に怖いと思った。
友情もはや超えてる、と。

[綴さんの感想 · 2018年3月29日]

正直結構ドロドロだった。
最後の方はサスペンス的要素が入っていたことにも驚いた。
この本は蘭花sideの「恋」と留利絵sideの「友情」の2章からなっている。
どちらも客観的そうでありながら、欲に溺れている。
執着されたいようで本人が執着している。
茂実に関しては、悪いが「ざまあみろ」としか感じられなかった。

[muffinさんの感想 · 2018年2月16日]

一気に読んだ

留利絵 怖っ 彼女はいちいち引け目を感じていて育ってきた環境でこんなになってしまうのか もっと私に感謝して、とかかなりおかしい

蘭花ちゃん せっかく可愛いのに幸せになって欲しかった

茂美が そんなにやさぐれてボロボロになっちゃうなんて

小学校の頃から男子と打ち解けられる女子はいつの時代もいるわけで、大人になってもそんなに変わらないんだと思う

[grさんの感想 · 2018年1月9日]

よくよく考えると、菜々子のたった１つのお遊びに、こんなにも人が巻き込まれて、狂い、堕ちてゆく。
少しの退屈と、歪んだ欲が、人を殺し、心を殺す。

想いを重ねるのは、こんなにも難しい。
無知も、純情も、全ては綺麗に見えるけれど、本当はとてつもなく弱く、壊れたら一気に堕落してゆく。

自尊心を満たされる快感にしかもう何も見えなくなってくる。

側から見れば情けないが、どんな人にでも重なってしまう。人間である限り避けられない、苦しみの根源。

[ゆうゆさんの感想 · 2017年8月31日]

怖いなぁというのが第一声。恋編と友情それぞれの立場での人間模様が交錯してくるが
るりえの卑屈さとストイックな感情に恐怖すら覚えた。
同じフレーズが2度出てくるのも
全然違った意味合いで響いてきて効果的。救いがないお話だったけどぞくぞくするような寒々しさも時には良い刺激なのかも。

著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。『ふちなしのかがみ』『きのうの影ふみ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『噛みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』『闇祓』『レジェンドアニメ！』など著書多数。

「2023年 『この夏の星を見る』 で使われていた紹介文から引用しています。」