ツナグ 想い人の心得

著者 :
  • 新潮社
4.12
  • (164)
  • (245)
  • (81)
  • (9)
  • (2)
本棚登録 : 2039
レビュー : 210
  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103283232

作品紹介・あらすじ

もう一度だけ亡くなったあの人に会えるとしたら、あなたは何を伝えますか? 死者との再会を叶える使者「ツナグ」。長年務めを果たした最愛の祖母から歩美は使者としての役目を引き継いだ。7年経ち、社会人になった彼の元を訪れる依頼者たちは、誰にも言えぬ想いを胸に秘めていた――。後悔を抱えて生きる人々の心を繫ぐ、使者の物語。シリーズ累計100万部の大ベストセラー、9年ぶりの待望の続刊!

感想・レビュー・書評

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  • あー、辻村さんいいわぁー。。。
    としみじみ感じた一冊。どのお話もとてもあったかかった。読めて感無量。

    ツナグを読んだのはもう9年も前。(えっ待ってもうそんなに経つの?時間泥棒来ちゃった?´д` ;)
    ツナグの世界でも時が流れ、歩美くんは社会人になっていた。
    前作では足元がふわふわした感じだったと思うのに、木の玩具を作るお仕事をしながら、しっかり使者(ツナグ)として役目を果たしていて。

    すべてはご縁。
    何度かけても繋がらない人がいる一方で、必要な人にはちゃんと繋がるようになっているという。
    亡きあの人に会いたいー。
    願いと祈りをこめてかける電話。
    使者は、死者との一回限り、一夜だけの対面を繋ぐ。

    どのお話もよかったけれど、母の心得は、涙なくして読めない。
    朝日が差し込み、腕の中で眠っていた娘の重みが消えていく。姿はなくなっても腕に残る熱。娘のぬくもり…。
    あわわ、だばー(涙)。次の日も、仕事しながらふと思い出しては涙ぐんでた私です。

    歩美くんは、想い人に気持ちを伝えられたのかな。
    同じ時代に今ともに生きていれば、直接言葉をかわすことができる。その当たり前の日常の大切さにも気づかされる。

    ★4.5

  • 『死んだ人間と生きた人間を会わせる窓口』である使者(ツナグ)。
    ただし、死者が生者に会えるのは一度だけ。つまり他の誰かが既に会いたい死者と会っていると、いくら使者に頼んでも会わせては貰えない。そして死者が生者に会うことを拒めばこれまた会うことは出来ない…。

    前作を読んだのが記録をたどってみると2011年だった。9年も経っている。
    中身を忘れて付いて行けなくなっているのでは?と思ったものの、読み始めれば大丈夫だった。

    とは言え、第一話はツナグが女の子になっていて戸惑う。世代交代なのかと思ってしまった。だがそれも杞憂で、きちんと設定がわかり、第二話からは前作同様、歩美がツナグの役目を果たしている。

    今回は、顔も知らないまま死に別れたろくでなしの父親、半生を懸けて研究してきた歴史上の人物、早くに亡くした娘、そして長年仕えてきて密かに想っていたお嬢様に会いたいという話。

    突然の死の場合は、一体彼が彼女が何を考え自分に対し何を思っていたのかを知りたいのは理解出来る。
    だが現実問題として生者が死者に会うことは出来ないのだから、残された生者は死者の思いを自分なりに解釈しあるいは解釈出来ないままやり過ごすしかない。
    しかし死者に会わせてくれるというツナグに出会えたら…それは非常に稀な機会で、いくら死者に会いたいと切望してもご縁がなければツナグには出会えない、さらに死者に会えるのはたった一度の機会しかない、そのチャンスが得られたなら、一体人は何を死者に伝え何を聞くのか。そしてそこからどう生者は進んでいくのか。

    どの話も良かったのだけど、意外にも印象に残っているのは歴史研究をしてきたおじいさんの話。
    人から変わり者と言われ、家族もいない、ただ郷土の英雄の研究に半生を捧げてきたおじいさん。
    その英雄に会って長年の謎が解けたとき…それが自分が考えていたような深い内容でなかったとしても、なんとも晴れがましいような、満足した様子のおじいさんが良かった。
    そして会った側の郷土の英雄の反応も良かった。自分の人生が誰かに影響を与えるとは、驚きと同時に喜びもあっただろう。

    そしてもう一つ、上記には書かなかったが、実はツナグの役目を果たさなかった話もあった。
    意外な展開だったが、こういう話も良い。現実には皆がこうして前へ進んでいくのだから。そしてこの話の主人公のなんと力強く粘り強いことか。
    ツナグの歩美にとっては生者を死者に会わせられないことは申し訳ないこと、と思ってしまいがちだが、死者の声を『直接聞くことがすべてではないのだ』と悟ったことは、これからの歩美にとって新たな一歩となりそうだ。

    前作を読んだときに歩美の設定は現実的な青年ではなくて、もっとミステリアスな、人間なのかどうかも分からない怪しげなキャラクターにして欲しかったと感じたが、今回は歩美の、ツナグではない、もう一つの青年としての、あるいは木材玩具メーカーの企画担当として働く社会人としての姿が物語として活きている。
    自分がツナグであることを誰かに打ち明ける日が来るのか、ツナグである歩美が誰かと生きていく日が来るのか、そんな未来も感じさせる。
    また第一話で代理ツナグとして活躍した杏奈のこまっしゃくれ感が歩美と対照的で面白い。
    さらなる続編もあるのだろうか。

  • ★4.5

    もう一度だけ亡くなったあの人に会えるとしたら、
    あなたは何を伝えますか?

    顔も知らない父親に、事故死した幼い娘に、
    片思いしていたあの人に、もしも会えるなら。
    一生に一度だけの死者との再会を叶える使者「ツナグ」。
    長年に亘って務めを果たした最愛の祖母から歩美は使者としての役目を引き継いだ。
    7年経ち、会社員として働きながら依頼を受ける彼の元に、
    亡き人との面会を望む人々が訪れる。
    依頼者たちは、誰にも言えぬ想いを胸に秘めていて―。


    前作からもう9年も経っていたのか~早いなぁ。
    また会えると思っていなかったので、とてもとても嬉しかった(*´ `*)
    使者の依頼は〝ご縁〟だ。
    絶対に繋がらない人がいる一方で、必要な人のところには、
    それが自然と訪れるようになっている。
    生きてる人も亡くなっている人も会えるのは一度だけ。
    今回はツナグとご縁があった5組の人達のお話。

    高校生だった歩美も社会人になり、働きながらツナグの役目をおこなっている。
    第一章には驚かされた~(@_@)
    うわ~歩美に娘ちゃんが出来たのか…って

    • やまさん
      しのさん
      こんばんは。
      いいね!有難う御座います。
      野伏間の治助 北町奉行所捕物控 シリーズの8作目です。
      長谷川卓さんの本は、「戻...
      しのさん
      こんばんは。
      いいね!有難う御座います。
      野伏間の治助 北町奉行所捕物控 シリーズの8作目です。
      長谷川卓さんの本は、「戻り舟同心」シリーズの新装版が出てから読み始めたのかな?
      はっきりは覚えていませんが、新刊が出たら読んでいます。
      読んでいて面白いです。
      中でも一番は、「嶽神」の上下巻です。
      真田忍者、伊賀忍者は出て来るは、そして武田家の遺金をめぐって壮烈な戦いです。
      是非読んでみてください。
      やま
      2019/12/09
  • 坂口文庫。
    坂口さんは わたしが選ばなそうな でもすごくいい本を毎回選ぶなぁ。
    どれもそれぞれの味があってよかったけど 
    ダントツ1位は想い人の心得。ちょっと時代劇の一場面を見てるような 切なさと暖かさで満たされる。やっと絢子さまと会えた蜂谷(あえて蜂谷)。もう一度 桜を見せることができて 肩の荷が下ろせただろうなぁ。ツンデレの絢子さまの愛らしさが微笑ましい。これが最終話に来たことで 切なさよりもしあわせな気持ちで読み終える事ができる。
    一人娘の心得もよかった。この話だけは 実際には使者の仕事はしていない。使者がいなくても ちゃんと想いが繋げた話。いつか奈緒は大将のように みんなに長く愛される木のおもちゃが作れるようになるに違いない。そこには歩美のセンスも生かされるのかな。

    子供なのに秋山家当主としての威厳さえ感じられる杏奈。
    最終話の絢子さまに通じるようなツンデレさと オトナと子供が同居するアンバランスさが愛らしい。本家の当主だったり 老舗店だったり 何某かの重いものを継ぐことを幼い頃から背負っていると こういう風に仕上がるんだろうなぁと思わせる。
    そして 使者役にぴったりな歩美。
    どちらもキャラクターが秀逸で 引き込まれる。

    辻村深月さんは 東京会館とわたしを読んで以来 久しぶりの2作目。どちらも大好きな作品になった。
    そういえば 東京会館とわたしも 坂口文庫だったなぁ。
    素敵な作品に出会わせてくれて ありがとう 坂口さん。

  • 時の流れを感じた。

    社会人となった歩美の使者としての成長はもちろん、読み手の自分も歳を重ねたことにより前作よりも物語にぐっと寄り添えた、そこに柔らかな時の流れを感じた。

    歩美が毎回心に得ていくものに何度まぶしさと温かさを感じたことだろう。

    そして人の心の折り合いの付け方も千差万別。

    こんな折り合いの付け方もあるのかと、踏み出す姿に憧れを感じたり何度も涙したり…辻村さんの紡ぐ世界、言葉の温もりで心は満たされた。

    後半は特に良かったな。

    今、そばにいる人との時間、想う気持ち、その大切さを噛み締めながら余韻に浸る。

    次の時の流れが楽しみ。

    • けいたんさん
      こんにちは(^-^)/

      こちらは購入して本棚で温めております(*≧艸≦)
      再読する余裕はないので映画を見てから読もうと思っています...
      こんにちは(^-^)/

      こちらは購入して本棚で温めております(*≧艸≦)
      再読する余裕はないので映画を見てから読もうと思っています。
      桃李くんが見たいだけじゃないよ(笑)
      歩美の成長楽しみです♪
      2019/11/25
    • くるたんさん
      けいたん♪こんにちは♪

      うん、絶対購入してあると思ってた♪
      そう、脳内は桃李くんだよね♡

      読めば読むほど良かった♪
      ゆっくり楽しんでね(...
      けいたん♪こんにちは♪

      うん、絶対購入してあると思ってた♪
      そう、脳内は桃李くんだよね♡

      読めば読むほど良かった♪
      ゆっくり楽しんでね(*≧∀≦*)
      2019/11/25
  • 会社の方から頂いた為、先にツナグを読み終えてから読み始めた。

    うん。これはツナグを読んでおいた方が2倍美味しい♪

    一作目から、前作から思いっきり繋がる話で、あれ?この人!?とワクワク期待感一杯。

    今回も色々な依頼がツナグの元へ。
    そして、大人になった歩美の人生も大きく動く!

    大人でも子供でも読み易い文章表現に加え、物語の進み具合も早い為、誰が読んでも楽しめる作品になっていると思う(*^-^*)

    女性は特にホッコリできるかな??

    私も読み終わってすぐに、同じ会社の女子社員へツナグの1作目と共に、この作品を自信を持ってお渡ししました(*^-^*)

    絶対イイと思います。
    読書が嫌いな方でも、楽しめる作品だと思います。
    是非読んで下さい(*^-^*)

    とお渡ししました♪

  • 前作の「ツナグ」はとても斬新なアイデアと、衝撃的な一話、そして使者側のストーリーで伏線の回収と、実にインパクトがあり非常に面白い作品でした。その続編たる本作。一言で言えば、すごく熟成されていて物語としての深みがさらに増した、という印象です。歩美の成長した姿、その後の話を読める喜びに満ち溢れていた作品ということもできるかと思います。前作よりもさらに使者としての歩美の心の様子、祖母との関係、秋山家当主の幼い杏奈とのやりとり、そして本作で最もキーとなるある一家との関係性が情感たっぷりに描かれており、読んでいてとても感情移入できた作品だったと思います。特に最も感情が揺さぶられたのが「一人娘の心得」。危うく落涙しそうになるぐらい強く感情を揺さぶられました。そして最終章の「想い人の心得」は生者と死者の関係性がこれまでとは異なるパターンで新鮮でしたし、とても情感たっぷりの話で素敵でした。切なくもとても優しく最終章にふさわしい話だったと思います。前作より歩美の話が多く、一つ一つの話も新しいツナグの話があり、とても素敵な読書時間が過ごせたという印象です。これは是非とも3作目を出してほしいですね。

  • あぁやられた。出だしから使い古されたやり口にいとも簡単に引っかかる...。杏奈と歩美の軽妙な遣り取りがこの作品に新風を吹き込んでいて面白い。そこと死者との対比が妙味となっている。「母の心得」と「想い人の心得」で号泣。また前作が読みたくなったし、続編も忘れた頃に出して欲しい。歩美と奈緒のその後を夢想...。
    「直接話したり、実際に会うことが叶わなくても、人には、時としてわかることがある。その人が残したものの端々から、聞くよりも雄弁に伝わり、感じ取れることがある」
    「幸せでしたけど、それでも、誰一人、あなたのいない人生でよかったと思った者はいませんよ」

  • 生者と死者を会わせる使者〈ツナグ〉。
    その役割を祖母から引き継いだ歩美の連作短編集。

    『ツナグ』の続編。

    「母の心得」「一人娘の心得」「想い人の心得」が泣けた。

    いくつの時であったとしても、子に先立たれた親の話は、せつないもの。
    「母の心得」は、それが二組も。
    特に、小学校入学前に亡くした娘との再会は、切なさとあたたかさで、ぐっとくる。

    「一人娘の心得」では、奈緒の芯の強さがさわやか。

    「想い人の心得」は、修行先のお嬢様との話。
    立場の差があるからこその、ふたりのやりとりが独特の距離感で、京都弁もやわらか。
    長い間持ち続けた依頼人の想いにぐっときた。

  • 今回も心温まるストーリーでした。個人的には歴史研究の心得が好きです。
    何かに打ち込める人生を私も送りたい。

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著者プロフィール

辻村深月(つじむら みづき)
1980年山梨県生まれ。千葉大学教育学部卒業後、2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。2011年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、2012年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、2017年『かがみの孤城』で「ダ・ヴィンチ ブックオブザイヤー」1位、王様のブランチBOOK大賞、啓文堂書店文芸書大賞などをそれぞれ受賞。本屋大賞ノミネート作も数多く、2018年に『かがみの孤城』で第6回ブクログ大賞、第15回本屋大賞などを受賞し、2019年6月からコミック化される。他の代表作に『子どもたちは夜と遊ぶ』『凍りのくじら』『ぼくのメジャースプーン』『スロウハイツの神様』『名前探しの放課後』『ハケンアニメ!』『朝が来る』など。新作の度に期待を大きく上回る作品を刊行し続け、幅広い読者からの熱い支持を得ている。2020年、河瀬直美監督により『朝が来る』が映画化される。

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