きことわ

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (142ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103284628

感想・レビュー・書評

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  • 貴子と永遠子が、貴子の別荘の取り壊しにで25年ぶりに再会する。

    帯に「永遠子は夢をみる。貴子は夢をみない。」とあり、どこが永遠子の夢なのか、あるいは全てが夢なのか、曖昧なまま時間がすぎていく。そうして千年も経つのだろう。
    特に何かが起こるわけではないし、髪の毛を引っぱられるオチも読者の想像のままに。
    ただ古風な言葉が心地よい。

  • 2011年芥川賞。
    きれいな文章だけれど、なにも残らないし、おもしろくなかった。

  • 子供の頃遊んでいた二人の少女が、別荘の取り壊しをきっかけに再会する。

  •  貴子と永遠子がかつて遊んでいた別荘の取り壊しにあたって25年ぶりに再会するお話。昔の記憶と現実を行き来しながらお話は進むが、劇的な展開などはなく、静かに時間が流れていく。自然描写が豊かで同じ情景を自分も見たような気がして、少しセンチメンタルになった。私個人的には、きこちゃんとわちゃんにはこの久々の再会を機に、お互いがおばあちゃんになってもずっと仲良しでいてほしいなぁと思う。

  • 傑作とは言い難い。とはいえ、こういうタイプの作品は日本文学にとって貴重だと思うし、たとえ未熟であっても歓迎したい。

  • Amazonのレビューで酷評されていますが、前々から気になっていた作品で手に取りました。
    テーマ、内容が薄いとか全く無いことはないように感じます。そもそも最初に出てくる永遠子と貴子の対比がそのものではないかと思いました。夢と現実の関係は現在でも解明されないながらも現実に感じるコトです。無意識と意識、個別の時間の流れなどユングとアインシュタインを思わせます。その他にも過去と現在、二人の身長、名前の漢字とひらがなの使い分け、お互いの父親の職、二人の記憶の食い違い、チェスと麻雀、… なども対比として使われているように感じました。そういう対比がテーマではないでしょうか。
    自分の場合、筒井康隆の夢の木坂分岐点の後に読んでいるのでそんなに違和感は無いです。
    25年を経て2人が再会する、というのはシンクロニシティですね。私も同じような体験があるので分かる気がします。
    夢は自分の都合では見られない。ということは運命も自分の都合のいいものばかりではないのでしょうか。

  • 文章と全体の雰囲気はすきだったけど、すっとは入ってきづらく、ぐいぐいページがすすむというかんじでもなく。んー。

  • すきすき とってもおもしろかった そんで好きだった
    とはいえ好きなところをあげようとするとなぜか○○ではないからなどと無粋な書きようになりそうでこわい
    フィーリングがあったとしかいいようがないが
    きらいなところやつまづくところがなくておもしろかった

    時間の不思議を丁寧に書いてあってものすごく心地よいすばらしいとおもう、
    貴子永遠子とともに長い時間や短い時間をいきつもどりつし
    彼女らの時間をふくめ自分の中にある時間もが並行になったり時には交錯したりする
    思い出の齟齬やかみあわなさも新しい過去と出会う豊かな時間になり
    現在の再会も新しい時間の始まりを予感させる
    改めて時間を思い直す知り合う経験になる

  • 2014/06/18

  • 大学の図書館で見つけたので遅ればせながら読んでみた。
    日本語の文に酔いしれたい人には至幸なんだろうな…と思ったり。私は個人的には、もうちょっと登場人物を深く掘り下げたりストーリー性をもたせてほしかったなと思ったので★みっつです。

    文章はとってもきれいです、ほんとに。

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著者プロフィール

1984年、東京生れ。2009年、「流跡」でデビュー。2010年、同作でドゥマゴ文学賞を最年少受賞。2011年、「きことわ」で芥川賞を受賞。

「2022年 『細野晴臣 夢十夜』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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