HIV マリコの場合

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 1
  • Amazon.co.jp ・本 (311ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103287810

作品紹介・あらすじ

これは、HIVに感染した19歳少女の物語です。死に場所を求め、単身ハワイへ渡った彼女が生きた、あまりにも凄絶なる10年間の人生-。著者はそれを全力で受け止め、描き切りました。

感想・レビュー・書評

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  • 「HIV(ヒト免疫不全ウイルス)は、主に、性交渉によって感染するが、特に、同性愛者が行う、不自然なアナルセックスによって感染の度合いを高めるということで、メディアが大々的に取り上げ、ー 303ページ」
    という表記は同性愛者への差別を助長するのではないでしょうか。「不自然」という言葉には「正しくない」という価値評価が含まれるように思います。
    また
    「女性の場合は、母子感染の危険が大きく、出産をためらわざるを得ない。ー 306ページ」
    という表記も気になります。母子感染の危険は1%(石井光太さんは0.5%と書いていたと思いました)に満たない現況、出産をためらう人も多いでしょうが、「ためらう人が多い」じゃなく「ためらわざるを得ない」と言い切るのはどうなんでしょうか。
    確かにマリコは可哀そうでした。犯罪被害によってHIVキャリアになってしまったのだから。しかし、その薄幸さが強調されることで、犯罪のないところでHIV感染した人が不利益を被らないように祈ります。
    マリコという女性の運命にそくして読めば、不運に翻弄されながらも悪に染まり切らず、最後には大切なものを見つけた物語(ドキュメント)であり、縁あってマリコを見守り続けた著者の、友愛とその限界のドキュメントでもあります。とても貴重なドキュメントだと思います。

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