木に会う

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103295075

作品紹介・あらすじ

樹齢7千年の縄文杉の下で一夜を過ごし、「北越雪譜」の秋山郷を真冬に訪ね、銀座の並木に思いを馳せ、能面師・木工師と対話する。-人間の歴史に向き合い、生命ある樹木に直接触れ合いながら、木とともにある文化、木とともにある生活、木とともにある生命への思いを綴った、ユニークで潤いに満ちた思索の結実-。

感想・レビュー・書評

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  • 「ヒトのような特異な生物が加わらないかぎり、ブナの森は去年も今年も来年も豊饒を育みつづける」
    ほんとうに駄目駄目な生物だ。

    印象的だったのは、自然界には直線がない、ということ。
    人は住居に直線を取り入れて作る。
    筆者は落ち着かない、という。
    自然界の鳥の巣に代表される住居は、曲線で構成されている。
    筆者も、古民家の梁が曲がっているとき、落ち着く、と書かれていた。
    ログハウスは本来曲がっている木を直線にしているため、落ち着かないんだ、と。

    木の暖かさは格別である。
    コンクリートの床、プラスチックの床、木の床を用意し、その上に素足で立ってみよう、と。
    それは火を見るよりも明らか。
    全然ちがいますよね。

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著者プロフィール

高田宏(たかだ・ひろし) 作家。1932年、京都生まれ。石川県江沼郡大聖寺町(現・加賀市)に育つ。55年、京都大学文学部(仏文専攻)卒。光文社に入社し「少女」編集部で狩野川台風、伊勢湾台風などの被災地を取材。アジア経済研究所を経て、63年にエッソ・スタンダード石油で企業PR誌「エナジー」を創刊。84年より著述業に専念。主な著書に、日本初の近代国語辞書『言海』を生んだ大槻文彦の評伝『言葉の海へ』(78年、大佛次郎賞、亀井勝一郎賞受賞、新潮社)、『木に会う』(90年、読売文学賞受賞、新潮社)など。2015年没。

「2016年 『荒ぶる自然 日本列島天変地異録』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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