ふるさとをあきらめない フクシマ、25人の証言

  • 新潮社 (2012年2月24日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (400ページ) / ISBN・EAN: 9784103299226

感想・レビュー・書評

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  • 【本から】
     [話] 須藤栄治さん・38歳
     避難所では、救援物資をいただき、たくさんの支援を受けま
     した。そうした時間の中で、被災者はいったい何ができるん
     だろうと考えた。で、こう思ったんです。今の自分たちが返せ
     ることは、「ありがとう」という 言葉や思いしかないんだ。
     「ありがとう」は  誰もが言えるし、「ありがとう」 からネガ
     ティブなことは連想できないと思った。何でもいい、「プラスの
     もの」がほしかったんですよ。

     [伊藤朗子(あきこ)さん]・50歳
     後始末できないようなものを、自分でスイッチを切れないよ
     うなものを、作ることに対する怒りですよね。原子力ってすご
     くハイテクだと思っていたら、スイッチを切っても止まらないよ
     うな、そんなものだったのか、と。そういうことも知らずに、
     私たちはいきていたのかという自分への 怒りもありました。
     原爆を落とされた国なのに、なんでそんなものを作らせて
     平気でいたんだろう、みたいな。それを許していた自分への
     怒りもあった。

     [山口松之進(しょうのしん)さん]・41歳
     全県民の医療費を無料にして健康調査をすべきだと思う。
     とにかく早期発見を徹底して、「健康」を看板としたまちづくり
     をしたらいい。今回の事故を逆手にとって、プラスに変えられ
     るんではないかなあ。これをマイナスのままにしていたら、
     補償だけの話に終始することになる。補償は必要かもしれな
     いけれど、でも補償って貰ってそれで終わりです。
     100億円を補償してもらったって、1年間に 1億ずつ使った
     ら、100年間でなくなっちゃう。そうではなくて、自分たちの力
     で生活できる方法、つまり「働き場」を創造すべきなんです。

     [高橋香(かおる)さん]・33歳
     実際、障害児が自分の家族の中にいなきゃ分かんないって
     ことって、いっぱいある。たとえば、ホールボディカウンター
     による放射性物質の検査。障害児って対象外なんですよ。
     健常児は検査できるけれど、同じ小学生でも障害児は
     対象外ですから。

     [鞍田炎(ほのお)さん]・49歳
     こういう事態を招いた東京電力、政府に対する怒り。
     そして、自分たちの先人はいったい何をやってきたんだ
     という怒りもある。 怒りの感情はなかなか消えません。(略)
     本当に皆さん身近なところで悩んでいる。そうしたことをひし
     ひしと感じる。あと15万以上の人がね、いまだに県内外に
     避難している。こんな状況は異常ですよ。

    [感想]
     「ふるさとをあきらめない、フクシマ25人の証言」という
     タイトルを見た瞬間、すぐに手にとった。25人の方々の証言と
     インタヴィューされた和合さんの26人の方々の「思い」は、
     故郷の母、兄夫婦、友人、知人の「思い」と何度も重なった。
     宮城県の亘理町、浜吉田は福島県に近いので、
     「原発事故」も直接的な問題だ。「津波は経験した者でないと
     わからない」という言葉を兄から、友人から直接聞いた。
     そうだと私も思う。経験してない私が出来ることは何か、
     そのような思いで、あの日から現在に至っている。

     
     

  • 「この震災を経て、私たち日本人の間にはいくつもの川が生まれた。」

    「ここに込められているインタビューの集合体に、いつしか私の震災の日々の思考を、他者の言葉であらゆる限りに込めたいと願うようになった。自分ではなく誰かに語ってもらったものに<宿る>何かこそが真実だと確信した」

  • それぞれの体験、それぞれの想い。読んでよかった。今、言えるのはこの一言。

  • 市図書館。

    思った以上にみんな翻弄されていた。

    あの時の選択は間違っていなかったのか、と一生思い返し続けるんだろうな。

  • 福島を知る一冊。
    福島の方が、あのときをどうむかえていたのか、何を思っていたのか。
    知っておくべき本。

  • 一人でも多くの人に読んでいただきたい一冊でした。

  • メディアが知らせていない現実を知る。

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著者プロフィール

1968年福島市生まれ。詩人。国語教師。福島大学卒。第4回中原中也賞、第47回晩翠賞、みんゆう県民大賞、NHK東北放送文化賞、福島県文学賞などを受賞。
2022年、東日本大震災直後の福島からTwitterで連作詩『詩の礫』を発表し続け、同年5月、世界三大コンサートホールであるオランダのコンセルヘボウに招致、朗読にて福島の想いを発信するなど、国内外から注目を集める。詩集やエッセイ集、絵本など多数刊行、特に震災後の著作は二十冊を超え、これらはフランス、ドイツ、ブラジルなど世界各国で翻訳、出版された。
新聞各紙にてエッセイ、時評などを連載。国語や音楽の教科書・準教科書に、作品が掲載。

「2025年 『混声合唱とピアノのための 木にたずねよ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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