見送ル: ある臨床医の告白

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103299424

作品紹介・あらすじ

『偽善の医療』『衆愚の病理』の著者が描く、医者と病院の真実! 医者だって人間だから、患者の好き嫌いは当然あるし、贔屓もすれば、外科と内科の対立も日常茶飯事。ほとほと疲れる日もあるけれど、輝く笑顔で退院する患者を、見送る。力を尽くしてもひっそりと消えゆく命を、見送る。どちらも私が選んだ仕事……。現役医師だからこそ「小説」でしか描けなかった、命の現場のいま。

感想・レビュー・書評

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  • 自伝だと言われても疑わないリアリティ。
    医者だって1人の人間なのだよなと感じさせられる。

  • 言葉は悪い?強いけど、愛情を感じた 。医師が必死に患者さんに向き合っている姿だと思ったし、うちの先生達も言葉にしなくても、こんな風にあがきながら、必死に頑張っているのかなと思ったり。

  • 自らも喘息持ちということから呼吸器内科を専門とする現役医師が、「小説」として描いた本。特に肺がん患者の治療、その後の経過観察、ターミナルケア、そして看取りまでが詳しく描かれている。
    ここでの主人公「里見先生」は、自信過剰なんじゃね?的だけれど、それだけの仕事もされる医師で、病気になったらこんな先生に最期まで診てもらいたいと思える医師だ。

    延命という名目のもと、沢山のチューブに繋がれ意識のないままに“生かされている”。
    家族は1分でも長く…かもしれないけれど、それが患者本人のためになっていることなのか?
    家族も、治療する医師も、患者を上手に“見送ル”。患者自身も自分の納得できる“見送ラレ”方をされる。
    現実の臨床では理想論なのかもしないけれど、自分が病気になったときにこの本のことを思いだそう。

    里見先生の患者・家族へのインフォームドコンセントは、絶妙!!

  • 「白い巨塔」からペンネームを里見としたとか。

    医者の本音。

    がんの治療は外科的手術と放射線、抗がん剤がある。
    医者の思いと患者の希望。それぞれ死生観も違うし 経済的理由や家族の意見や上につく教授の考えなど 簡単ではない。先生たちも患者にどう気持ちを伝えるか、副作用との兼合いなど悩んでいる。

    小説というよりノンフィクションかと。

  • 常識的で優しそうな人ほど残酷で、冷たそうな人ほど誠実だと感じる小説。

  • 小説の体はなしていない。手記というわけでもなく、他人に見られることを想定して書いている日記みたいな中途半端さ。
    内容としては、まぁこれが現実なんだろうなという感じ。

  • 医者であること。

  • 昨今の医療ドラマとは違い、著者が臨床医であることからくる生々しさや臨場感が伝わってきました。

  • 人は必ず死ぬ。どうやって死にいたるかが千差万別なんだな。この本は肺癌にかかったケース。
    まずはヤブ医者にはあたりたくないな。病院も選ばなきゃいけない。癌研は癌が治らないと判った瞬間に病院から出て行けって言われるんだそうだ。ツライね。
    治る見込みもないのに、医者や家族の体面だけで延命や治療をされるのも勘弁だな。心臓マッサージをやると肋骨が数本折れるんだそうだ。

    じゃあ、どうしたらいいんだろうね。運を天に任せるってことかな。

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