四龍海城

  • 新潮社 (2011年7月22日発売)
3.59
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784103299813

感想・レビュー・書評

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  • ラストが切ない。一緒に外に出ていれば、もしかしたら、もしかしたらいつか、また出会えたかもしれないと思うと。一人は約束を信じ、一人は思い出を大事にした結果、二人の道は永遠にすれ違ってしまった。でも貴希は後悔しないだろうし、健太郎はトランペットを聴くたびになぜだか胸が締め付けられるような想いがするのだろうと思うと、じんわりと胸に迫るものがある。
    …でもやっぱり、貴希はガキで、大馬鹿者だ。

  •  乾さんの本好きです。城から出るための「出城料」が何であるか、途中でなんとなく予想はつくのですが、それでもそれぞれの下した決断のせつなさに茫然としてしまいました。
     この本に限らず私たちも日常の中で常に決断を迫られていると思います。いつか失うとわかっていても手に入れようと思うのか、手にしたものを然るべき時にきちんと手放すことができるのか。きっと、未来のために今を捨てることができ、手にした過去を後悔しないようになるのが大人になるということなのでしょう。
     いろいろ解決していない謎もあったような気がしますが、本編にはあまり関係ないですし、現実ってそんなものですよね。だらだら後日談なんて書いちゃわないところも余韻を残していてよかったです。

  • <内容>
    日本領海内にありながら、その存在を認められていない不気味な塔「四龍海城」。そこに閉じ込められた2人の少年同士が交わす友情とほの暗い冒険の物語。

    <感想>
    不穏な城、内部の町、感情を失った城人たちなど、細かい設定がなかなか面白いファンタジーだった。物語の鍵である「出城料」については結構早い段階で気付いてしまい、また、そこから最後の結末までもなんとなく予想がついてしまったのがちょっと残念。ただ、それでも貴希と健太郎の友情の描写が眩しく綺麗で、だからこそわかっていてもラストは切なかった。

    読んでいて共感を覚えたのは、2人の少年よりも関という登場人物だった。貴希や健太郎よりも後から入城しながら、2人を明るく励ましつつ未来への道標を立ててやる人物として描かれており、読んでいて気持ちのいいキャラクターだったように思う。末っ子だからこそ、歳若い少年たちを前にして兄貴面をしてしまうメンタリティみたいなものもちょっと自分に似ていて、中盤は関と自分を重ねながら読んでしまった。思えば自分は主人公たちよりも関のほうの年齢に近く、彼のように少年たちに良い影響を与えていかねばと反省する次第。

    ともあれ、少年たちの友情や関を含めた3人のやりとりが妙に温かく微笑ましい一冊だったと思う。

  • 読んだことを後悔しそうになるほど切ない話。
    でもすごく大事なことが描かれている。
    映像化されたら美しいだろうなあ。

  • オホーツク海に佇む謎の影「四龍海城」とは、いったい何を意味するのでしょう(電力会社という設定なのですが・・・) そこに入ってしまった者は「出城料」を支払わない限り、出て行く事が出来ない。その「出城料」が何なのか、謎を追い始める二人の少年。

    ファンタジーは、ちょっと苦手。。。でも、この不思議な世界観は楽しむことが出来ました。

    「・・・もう二度と戻らない時間を見ている気がする。きれいに思うのはきっとそのせいです」少年貴希の言葉が印象に残ります。

    余談ですが、日本の総電力の四割以上を担える波力発電所、本当にあったらいいのに。。。

  • 中学生の夏休みの出来事…にしてはハードな設定だ。

    大体、学校もソコへは近づいてはいけないと言っている時点で少し無理があるか?

    半分位読んでいて大体コレが出城料かな?というのは判るのでは。

    ジャンル的には青春物でしょうか?

  • あまりにも切ないラストに愕然。少年たちの心の動きがみずみずしく、希望も見えて、輝いていた。それだけにあのラストはいたたまれない。泣けてくる。

  • 四龍海城なる城に閉じ込められた主人公。そこで出会った人達と脱出を試みるが。どうやったらでれるかが鍵になっている。城人化というものが少しぼんやりしていたかなと。ケータイ小説ということもあり読みやすさ重視みたいなところはあったと思いました。

  • 作者はどうしてこんな話を書くのだろうと思う。
    失うことで成就する、純粋な愛? 確かにその気持ちが描きたいなら、このラストしかないのだろう。若干ピンとこない感じは、もしかしたらこの話を異性愛に置き換えたら、違ったものに感じられたのだろうか? うーん、異性愛だったらより凡庸に見えるのかもしれない。上川さんと天野さんのエピソードのように。この年代の男の子同士の友情だから(女の子同士の友情でも良かったんだろうけど)より純粋に感じられるのかもしれない。

    でもそういう「純粋さ」を、今の僕は求めていなかったように思う。それこそ彼らの同年代だったら感動したのかもしれない。あるいは、そういう純粋さだったら、短編でなら楽しめたかもしれない。

    長編では、より具体的なものへの執着と戦いを見たい。
    そういう意味では、最初に読んだ『水底のスピカ』で、作者が女の子たちに最後まで戦いぬくことを求めていたのは、この現実世界において彼女が大切にしていって欲しいと信じているものだったように思う。

  • 「四龍海城」という北海道近海の謎の城に拉致されてきた男子中学生2人、城を出て日本に戻るには「出場料」が必要で、それが何かを探るうちに、2人の間に友情が生まれる。

    いよいよ城を出られるときの2人のやりとりが切なかった。なんでああなるのよー!という思いでいっぱい。違う結末が見たかった。

  • 切ない。苦しくなるラスト。
    でもそれが美しく尊い…

    だいたいの謎解きができた後も、ラストはどうなるのかとハラハラ。
    序~中盤の説明文が長くて挫折しそうになったけど、最後まで読んで良かった。
    泣いた。

  • 北海道の沖に浮かぶ地図にものっておらず都市伝説のように伝わる謎の塔「四龍海城」に迷いこんでしまった少年のお話。「出城料」を払わなければ出られないが出城料がいったい何かもわからず、出会ったもう一人の少年と探して一緒に帰ろうと試みる。
    出られなければ無気力になり、閉じ込められ城人となってしまう…というダークファンタジー。

    何このラスト!!こんなの、嫌なんですけど!!もう少しなんとかなるのかと思ったけど、こんな終わり方なの!?と読後感すっきりせず。途中は読みごたえもあって面白かったから、最後はちょっと「えーー!!」が残る。

  • 2018.10.24 読了


    地図にも消されている沖の島にある四龍海城。
    たまに 人が行方不明となるのに、
    地域の人も ニュースにもならない。

    主人公の少年健太郎は 吃音症。
    明日の吃音教室に行きたくなく、
    海辺で過ごしているうちに 四龍海城へ。
    そこは 入場料ならぬ 出場料を払わないと出られない。

    出場料は 通貨ではないという。
    城で出会った もう1人の少年 貴希と探ってゆく。

    最後 切なすぎる。
    引っ張っといて それ?!みたいな。
    うそやん。。。と。



  • なんで引き返さなかったのか…と思ったけれど、引き返すほうが苦痛だったんだよなぁ。
    そんな時、先のことはわからなくても前へ前へ進みたくなるのかもしれない。
    こんな不気味な建物から出られなくなってしまったのか、と思うとゾッとするけど。
    最後、それを失うとわかっていても出るだろうな。この先また、手に入れられると思うもの。

  • 男の子の友情が大好きなので
    とても好きな作品。

    お互いがお互いの心を
    いつの間にか助けてる感じが
    素敵で涙が出た。

    終わり方に賛否両論あると思う。
    私はもし続くなら…を想像して
    勝手にハッピーエンドにしてる。

  • おすすめされてた本やっと読めた
    うーん
    つまらなくはなかったし、はほえまにやにやしたけど、
    ちょっと設定が、ファンタジー感が中途半端で、
    あとなんだろうなぁ
    性描写(というほどでは全然ない)が露骨なかんじがちょっと、うーん
    使われてる言葉がおとなっぽく‥ないかべつに

    最後がえ〰⁉(´・c_・`)ってなった
    バッドエンド‥

    戻ってふたりで出てほしい
    ケータイ番号教えておいてほしかった

    知ってる作者かと思ったらしらないひとだった
    友情にかんぱい!

  • 思いは・・・
    重いのか・・
    思い出にならなかったら
    哀しいよね

  • 中学生男子の友情が読みどころ(?)とにかく、ひた向きで直視出来ない。だからこそ最後の「誰だっけ」が切なすぎる…。関さんのくだりからそんな気はしてたけど。

  • おもしろかった。
    乾さん、初読み。

    ボーイミーツボーイ。
    いやあ、いいなあ友情っすね。
    「友達になりたい」
    ちょっと気恥ずかしいほどに純粋な想い。
    神隠し。
    日常の側にある不可思議な城に閉じ込められてしまった少年。
    そこから出るためには出城料を払わなければならない。
    その道をみつけるか、または城人となるか。
    関という青年が登場してから話の流れが一気に早くなった気がする。あのへんの仲のいい兄弟なノリは好きだった。
    城の仕組み、出城料の謎。
    少年たちの抱える気持ち。
    まあ、出城料については、殆ど最初から見当はついていたので、そんなとこだろうとは思っていたが、
    いや~そーゆーラストか~。
    うーん、とても物悲しく綺麗だけど、そっちかあ。
    いやいや、たとえそこでそれを奪われたとしても
    城を出れば、また出会えることもできたはず。
    たとえ、なくしても、もう一度出会えさえすれば、っと
    思って、いや、願っていたので、
    そうくるかあっと。
    まあ、それだけ貴希にとって、それが大事だったってこと。けど、ああ、それでもやっぱり、1人で残ってほしくなかった。泣、泣。

    つーか、耳栓売ってないのにトランペットは売ってるのか?そこは把握してなかったのか、城。
    そしてやはり黒幕は門番じじいか。

    表紙の2人はどっちがどっちだ?
    なんか右の方が貴希っぽいが確か健太郎の方が背が高いと書いてあったはずなんで、逆なんだろう。

    うう、決して読後感は悪くない。
    悪くないけど、かなしいよう~~。

  • どんどん物語に入って行けた。
    出来ることなら一緒に…
    帰ったふたりを見てみたかった

    読めて良かった 2014.7.13

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著者プロフィール

乾ルカ
一九七〇年北海道生まれ。二〇〇六年、「夏光」でオール讀物新人賞を受賞。一〇年『あの日にかえりたい』で直木賞候補、『メグル』で大藪春彦賞候補。映像化された『てふてふ荘へようこそ』ほか、『向かい風で飛べ!』『龍神の子どもたち』など著書多数。8作家による競作プロジェクト「螺旋」では昭和前期を担当し『コイコワレ』を執筆。近著の青春群像劇『おまえなんかに会いたくない』『水底のスピカ』が話題となる。

「2022年 『コイコワレ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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