呪いの時代

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 1123
レビュー : 149
  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103300113

作品紹介・あらすじ

巷に溢れる、嫉妬や妬み、焦り-すべては自らにかけた「呪い」から始まった。他者へ祝福の言葉を贈ることこそが、自分を愛することになる-呪いを解く智恵は、ウチダ的"贈与論"にあり。まっとうな知性の使い方と時代を読む方程式を考える一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 読みやすい。正論を言っている。

  • ちょこっと、今個人的に、ドロップアウトしていて、本を読み漁ってて、出会得てよかった本。
    語彙が豊富なので、よくわかる。
    私的には今抱えてるしこりが
    聴き手の判断力や知性を信頼して、敬意を抱いて語れなくなる呪いにかかってるからということに気付けた。
    自分のこと、"たかだかこんな奴だけど、嫌じゃない"と自分をよしよしして、人に許せる自分を取り戻さなあかん。呪いがかかってないか、日常的にチェックもいるな。

  • 久々のウチダ本は相変わらずの切れ味。
    ワタシは内田センセイが以前から唱えている「贈与論」には強く共感している。考えてみると、先輩から「お前が先輩や上司の立場になったらおごってやれ。金はそうやって回る。」と言われていつもおごってもらったり、アントニオ猪木が「笑顔は施しだ」と言っていたり、先日読んだ『モリー先生との火曜日』でモリーが「ほんとうの満足は『自分が人にあげられるものを提供すること』によって得られる。」と言っていたのも、実は根っこは贈与論なんだと思う。贈与万歳。これからも贈与できるものは贈与しよう。

  • 日本のことを捉え直すに役に立つ好著。エッセイ的に色々な角度から日本という国を見つめ直すことができる。オバマの章にあった、アメリカを覇権国家たらしめている、根底の話が面白かった。アメリカにあって、ヨーロッパにないもの。こういうことも踏まえていかないと、日本という自分の国を理解するにあたっても、誤った理解をしてしまうと思った。英語が要らない日本という国の章も必読と思う。

  • 他者への攻撃で自尊感情を満たす行為「呪い」は、対象が抽象的になるほど威力を増して、自らを巻き込んで破壊するというお話など。私自身、レッテル貼らないで目の前の個々人やら出来事やらと向きあえてるかな、と反省。悟りきった結婚観とかペルソナの話も面白かった。



  • mmsn01-

    【要約】


    【ノート】
    ・ハッとさせられる知見や洞察、しかし、相変わらずところどころでなんか鼻につく内田節。自分にとってはちょうどいいテキストなのかも知れない。

    ・「呪い」についてのセンセーの洞察にやられちゃって買い求めた本書だが、呪い自体についての言及はそれほど多くはない。ただし、色々な形質での呪いについて言及してはいるけど。その意味では、第1章と第2章がタイトルに即応した本書のコアだと思った。

    ・最終章でポパー「開かれた社会とその敵」を題材にしていたとはすごいすごい。あまりよみこまずに、自分で読んでから照合させてもらおう。

  • 鬱々としていた頃に読んでいた本。自分でも世界を呪いながら、不特定多数からの敵意のようなものが世に満ちていることに辟易としていた。著者の勧めるように身体感覚を取り戻すことを心がけるようにし、そうこうするうちに本自体を読まなくなってしまったという、私に転機をもたらした一冊のうちの一冊。

    今の私はかつてほどビッグワードは使わないし、何かお得なことが/面白いことが/特別なことが 起きないかなぁ〜というモノ欲しい気持ちが薄れ、感謝と他者への祝福とが自然にできるようになった。

    呪いの時代なのはきっと変わっていないのだろうけど。

  • レヴィ・ストロースものかとタイトルから連想したのだが、ほぼ関係ない。人生教訓系ビジネス書に近い。とはいえ筆が達者なので、興味をそらさない。震災以降ヒステリックになり、知識人に見られた類型的独断表現がややみられる。いわく「やらないよりいいリスク回避のために疎開しなさい」

  • 階層社会では階層下位に行くほど「この世の仕組みを私は熟知している」と過剰な自己評価をする確率が高まる。現代は呪いの事態であり、ネットなどで「死ね」と中傷を受けて自殺する人は後を絶たない。反証可能性の重要性。ダメだという切り捨て方が出現したのは80年代から。マスコミも同じ風潮の論じ方をする。日本は英語を使わなくても社会的上昇が可能なまれな国。就職情報、結婚あっせん業者は同じ構造。贈与論。霊的な備えが大切。リスクとデインジャー。

  • 「呪い」の言葉に満ちたこの世界を、もっと幸福な世界に変えていくためのポイントは、「祝福を与えること」と「贈与を活性化すること」の二つだという。
    「私たちの意識を批判することから提言することへ、壊すことから創り出すことへ、排除することから受け容れることへ、傷つけることから癒すことへ、社会全体で、力を合わせて、ゆっくりと、しかし後戻りすることなくシフトして行くべき時期が来たと私は思っている。」(p285、あとがきより) という内田先生の主張は、シンプルで力強く、しかも温かい。それはとても難しいことだけど、単なる理想論や観念論ではなく、そうすることが一人一人を、そして世界をもっと幸福なものに変えていくためのベターな道筋だと、この本を読んで深く共感した。

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著者プロフィール

内田樹(うちだ・たつる)
1950年生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。東京都立大学大学院博士課程中退。凱風館館長。神戸女学院大学文学部名誉教授。専門はフランス現代思想、映画論、武道論。著書に『ためらいの倫理学』(角川文庫)、『「おじさん」的思考』『街場の憂国論』(共に晶文社)、『先生はえらい』(ちくまプリマー新書)、『街場の戦争論』(ミシマ社)、『困難な成熟』(夜間飛行)、『困難な結婚』(アルテスパブリッシング)、『そのうちなんとかなるだろう』(マガジンハウス)、『生きづらさについて考える』(毎日新聞出版)、編著に『転換期を生きるきみたちへ』『街場の平成論』(共に晶文社)など多数。『私家版・ユダヤ文化論』(文春新書)で第6回小林秀雄賞、『日本辺境論』(新潮新書)で新書大賞2010受賞。第3回伊丹十三賞受賞。

「2020年 『しょぼい生活革命』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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