冥界からの電話

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (179ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103309055

作品紹介・あらすじ

信じられないかもしれませんが、これは本当にあった話です。ある日、死んだはずの少女から電話が掛かってきた。数々の超常現象に見舞われてきた著者が、友人の医師から聞いて巻き込まれた不思議な出来事。一体これは何なのだろう……。死は人生の終点ではない。肉体は消滅しても魂は滅びない。死後の世界の真実を伝えたい、95歳の著者からの渾身のメッセージ。

感想・レビュー・書評

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  • 概要を読んで小説だと思っていたら、実際にあった話だったことに驚いた。
    ただ、こういうこともあるのかもしれないと思う。
    気になったのは、近頃の日本が感謝の波動が低いということ、もうフォロー仕切れないレベルにきているということ、天地がひっくり返るような大規模な打撃が必要なのかもしれないとおっしゃっていた事。
    平成三十年に書かれた著書はコロナ直前。
    コロナで感謝の波動は上がったのだろうか?
    次なる不平不満が生まれていないだろうか?

    感謝の波動を少しでも上げていこう。

  • 不思議な話だった。
    本当に死者が冥界から電話をかけてきたのかは疑問…。

    兄と名乗る謎の男のイタズラかもしれないし、実はそもそも兄なんかではなく、ひふみの彼氏あるいは悪友で、からかいのためにそんなことをしたのかもしれない。そんな思いすら浮かんでくる。

    はたまた、高林先生が実は錯乱していたのかな…とか、若い女の子にのぼせ上がってしまっていたのでは…とか、妄想が爆発したのかな…とか、色々考えられる。

    また、やたらと出てくる「胸をさわってごらん。膨らみはあるかい?」の言葉が、女子視点からすると大変気持ち悪い…笑
    なんだか生々しい男性の感情が私は少し苦手でした。

    ただ、東京ばな奈を供えたことをなぜかひふみが知っていたエピソードにはひっかかる。このエピソードが無かったら、この話は全部ウソなんじゃないかと思うけど、う〜ん…。

    途中に出てくる、波動の話、かつての日本人が備えていた素朴な美徳の話、「死は無ではない」という考えには大いに共感できた。大変面白かった。
    室井滋さんの解説も楽しい。

    「チベット 死者の書」より 引用されていたので、ここにも記録する。

    以下引用

    死ぬことを学ぶことによって汝は
    生きることを学ぶだろう。
    死ぬことを学ばなかったものは
    生きることを何も学ばずに
    死ぬことになるだろう。

  • 不思議な話

    結局、最後は肩透かしのような、あれ?これで終わりなの?という気持ちになったが
    だからこそ、事実をありのままに書いているということなのだろうけど。


    この世とあの世の仕組み、審神者のお話など
    大変面白かった

    大切なことは波動を上げること
    この世は目に見えることだけでなはい

  • 知人が貸してくださいました。『私の遺言』と一緒に貸してくださり、遺言を先に読んでから電話を読むのよ、そうじゃないととんでもないと思うようなことが書いてあるから、先に遺言の方を読んでから、こっちよ!っと力強く指南されました。順番通りに読んで良かったです。不思議な臨場感溢れる文章で、遺言を読んだベースがあったのが役に立ち、荒唐無稽に思えるようなこともそういうこともあるのかも?!っと思いながら最後まで読み進めることが出来ました。読み始めたら時間はかからずにパッと読了。不思議で独特な本でした。実際に出版されるに至るまでの経緯とか事情に興味が沸きつつも、知るよしもなく、当時はいま現在よりもいろいろな隙間がまだあったのかなぁなどとボンヤリ思いました。スッキリしたいけれどそうはならず、実際の体験を脚色せずに記録したのですね、という風に思いました。

  • 多分、実話を小説風に仕上げた本。
    主人公は作者の知り合いの医師の男性。
    主人公は講演会で講師として呼ばれた際に知り合った女子大生の少女と交流をもつようになる。
    会った事はなく、電話だけの交流。
    やがて、少女は事故で亡くなるも、その亡くなったはずの本人から電話がかかってくるようになる。
    彼女はもう亡くなっていて肉体がないので電話がかけられない。
    だから、彼女の兄の体を使って電話をしてくる。
    その不思議な電話はずっと続いてー。

    霊から電話がかかってくるというと、単純に恐いけれど、この話では電話をかけてくる少女が恨みをもって電話をかけてくるという感じでないし、少女の性格が純粋で清らか、という形容詞で語られているために恐いという感じはない。
    電話を受ける側も、彼女が早く成仏する事を願いつつも、電話がないと淋しいという思いを抱いたりしている。

    この本では死後の世界はこういうものだ、という風に語られているけど、私自身、まだ死んだ事がないので本当やらどうやら分からない。
    何故、死後の世界はこうだ、と言い切れるのか分からない。
    ただ、この本を読んでいて霊魂というのはあるのかもな・・とは思った。
    それと波動が大事だというのは納得した。
    人の悪口を言ったり、恨んだりという低い波動をもって神様にお願いしたりすると、却って悪いものを引き寄せてしまう、というのは恐いな・・・と思った。

  • フィクション、小説として読んだ人は、消化不良過ぎて結末に不満を感じるかもしれませんね。
    でも、私は「本当にあった話」として読んだので、とてもおもしろかったです。
    最後までイッキ読み。
    そして、プロの作家というのはすごいなぁ、と思いました。私が同じ話をしても、きっとこんな風におもしろく話せないなぁ・・・というような、非常に「ビミョー」な話です。

    ひふみちゃん、という穢れなき女子高生は「最初からいなかった」、というのが、著者含め、多くの人の一致した意見じゃないでしょうか。
    私もそう思います。
    「妹の死」という重い事実を共有しているにもかかわらず、電話番号や住所を教えない、聞かれてもはぐらかす、一度も会おうとしない、というのは、やはりどう考えても変だと思います。

    Amazonなどのレビューを見ると、多くの人が、「お兄さんのいたずらなんじゃないか」と考えておられるのですね。

    私は、本の中で出てきた霊能者が言っていたように、「この世のものではない何か」のいたずらなんじゃないか、と思ったのですが。

    まず男性諸君に言いたいのですが、女子高生が、ろくに面識もない中年男性に一方的に恋心を抱く、なんてことは、絶対にありえないです。淡い想いを抱くどころか、相手するのも面倒くさい、ってのが本音ですよ。
    にもかかわらず、多くの男性がそのような可能性を夢見ていることにいつも驚きます。(男性作家の小説によく出てきますよね・・・ありえませんから!!!)

    この本のお医者さんも、もちろん、そんなことを夢見たりしていませんし、別にスケベ心を抱いているわけでもない、それは事実だと思います。
    でも、もう死んだ、ということを理解させるために、「おっぱいに触ってごらん?ふくらみがないだろう?」としつこくおっぱいにこだわるところは、「やっぱりオッサンだなぁ・・・」と思わずにはいられませんでした。私だったら、「体に触ってみて」とは言うだろうけど、いちいち「おっぱい」なんて思いつきませんよ。

    そいういうちょっとした煩悩の部分に、「この世のものではない何か」が付け込んだのではないのかなぁ、と思います。
    この方は、次の「審神者(さにわ)」の有力候補者みたいだから、それもあって、いたずら半分で力試しを挑まれたのではないかしら。なーんて。

    私は、人間には理解できない大いなるものの存在、力、隣にある見えない世界、というものをわりと信じています。
    でも、占いに従うとか、波動がどうとか、数字や雲のサインとかいう話になると、話し手によっては違和感や警戒心を感じます。本人が心の中でひそかに気にするのはいいけれど、まるで何かの証拠みたいにその日見かけたゾロ目の数字のことを言われても困ります。
    この著者の「波動を上げる」うんぬんのくだりにも、なるほど、おもしろい、とは思うけれど、だからといって実生活を支配させられたり、善行に義務感を感じたくない、とは強く思います。

    波動がどうとかあの世の仕組みがどうとか知らなくても、普通に日々を生きるだけで、ごく自然に、自分は大いなるものに生かされていると感じたり、特別なことはなくてもちょっとした偶然に感謝したり、ありのままの物事の美しさに畏怖の念を抱いたりできると思う。そういう意味で、超常的なことを信じる・信じない、というのはどうでもいいことのように思うけど、人は割と極端に二極化してリアクションするので驚きます。(毛嫌い、or 妄信、の二極化)

    とは言え、昨今の日本を支配している「キレやすい」ムード、何がおもしろいのかさっぱり理解できない飲食店バイトによる動画テロ、短期的な利益のことしか頭にない環境破壊行為などに対しては、この著者が言うようなスピリチュアル的アプローチ(波動を上げることは重要なんだよ、みたいなアプローチ)は大いにアリなんじゃないか、なんて思ったりもするので、こういう見えない世界を描いた「あやふやな本」ももっと読まれればいいのになぁ、と思います。

  • 著者の友人である医師の体験談。実話なのできちんとした結末があるわけではないのです。そしてそれが怖い。一体なんだったのか…。

  • 交通事故で亡くなった女子高校生と医師が電話で会話をする。死後の世界を語る。
    私はそんなに霊的なことに強くないので、ふーんって、一つのお話として読みました。死後の世界もまあそうなんですかと。信じる人もいれば信じない人もいる。ただ、体がなくなっても魂は滅びない、と私は思う。心の持ちようでもあり、感謝する心や、信仰は決して軽んじてはいけないのである。

  • なんだったんだ
    後で調べてみよう

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著者プロフィール

大正12年、大阪生まれ。甲南高等女学校卒業。昭和44年、『戦いすんで日が暮れて』で第六十一回直木賞を受賞。昭和54年、『幸福の絵』で第十八回女流文学賞を受賞。平成12年、『血脈』の完成により第四十八回菊池寛賞、平成27年、『晩鐘』で第二十五回紫式部文学賞を受賞。平成29年4月、旭日小綬章を授章。近著に、『こんな老い方もある』『こんな生き方もある』(角川新書)、『破れかぶれの幸福』(青志社)、『犬たちへの詫び状』(PHP研究所)、『九十歳。何がめでたい』(小学館)などがある。

「2018年 『新版 加納大尉夫人 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

佐藤愛子の作品

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