サーカスの夜に

著者 :
  • 新潮社
3.28
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感想 : 153
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103311928

作品紹介・あらすじ

サーカスに魅せられ、綱渡り師を目指す少年の冒険と生長。心躍る物語。離ればなれになった両親とかつて一緒に見たサーカス。忘れられないその不思議な世界の一員になることを目指して入団した少年の前に現れる、自由で個性の強い人々。クラウン、ピエロ、ブランコ乗り、ジャグラー、そして美味しいお菓子やスープを作ってくれるコック。少年は少しずつ綱渡りを学んでゆく。新鮮な長編小説。

感想・レビュー・書評

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  • 成長しない体になってしまった少年が、グランマのもとを離れサーカスに入団します。団員との交流を通して成長していくお話です。

    少年が入団したレインボーサーカスは、個性的な団員がいて「食べ物」に由来したニックネームがついているのですが、少年が厨房で下働きしていて料理や食材の話もでてくるので、だれがどれだかわからなくなって面白さが半減した感じです。

    自分の体は窮屈な「キグルミ」。綱渡り師のナットーが男性の体というキグルミから蝶のように脱皮してズフラとして生まれ変わったことを少年が知り、これ以上大きくならない自分の体は所詮「キグルミ」なんだと気付くシーンが読ませどころですね。

    「食べ物は争いの元になる。ハングリーとアングリーは根っこでは繋がっている」というコックの名言が一番印象に残りました。

  • サーカス団に入った少年の物語。
    全体的に不思議な雰囲気。謎な人たちが多いせいもあるかな。遠い国や時代の話に感じるからかも(読んでいくとどうも現代らしいけれど)。

    ナットーの美しい綱渡り、見てみたいな。
    でも個人的には、命綱やネットをつけてくれた方が安心して見られる気がする。だって落ちて大惨事になったらと思うと怖いもん。

    本筋とはあまり関係ないのだけど、「仕事っていうのは、たいてい苦しくてつまらないものさ。その中から、小さな喜びややりがいを見出すことに意味がある」というコックの台詞にぐっときた。そうだよなぁ。小さな喜びを探して頑張ろう。

  • 1人の身長の小さい少年が13歳でサーカスに入り、デビューするまでのはなし。

  • 魔女の宅急便みたいな
    ジブリの映画みたいな物語でした。
    少年が前を向いて少しずつ進んでいく
    みんな色々あるけれども前向きに生きていく

    一生懸命に誠実にいると自然とまわりの人たちもついてきてくれる

  • 珍しく、少年が主人公。前を向いて生きることに全力、というメッセージは伝わる。物哀しさがベースにあるサーカスの雰囲気と未来に踏み出そうとする少年のバランスが絶妙。

  • 両親をなくし、
    育ててくれたグランマの元を離れ
    あるサーカスへ潜り込む少年の話


    なんだかふわふわとした心地の作品で
    そのままふわふわとしたまま
    終わってしまったー

    サーカスの空気感は好きだったんだけど。


    サーカスにいる人たちが
    ありのままの自分を受け止めて
    それを芸に変えていく姿や
    少年の成長が
    もう少しグググっとくるものがあればな
    と思ったり

    なんだかふわふわしてるうちに終わってしまって
    もったいないなー


    昔読んだダレンシャンを思い出しました

    好きだったなーダレンシャン

  • 面白くてするする読めた。
    日本ではないどこか寒い国の一昔前の話かと思いきや、スマホやインターネットが出てきて驚いた。
    更に『ナットー』『ミソシル』『トロ』なんて名称も出てきて親日の国なのかなぁなんて。
    スーパーサーカスはシルク・ド・ソレイユがモデルだろうか?
    病気を治す薬のせいで10歳の体から大きくならなくなってしまった設定は、盤下のチェス差しリトル・アリョーヒンを思い出させた(小川洋子さん『猫を抱いて像と泳ぐ』)。

    登場人物皆優しく面白く魅力的だった。
    最初から最後まで少年の名前は明かされず、最後に芸名(皆好きな食べ物の名前を付ける)のソリャンカとだけ呼ばれる。
    それもローズの言う『大事なことは、めったに他人に漏らさない。』ことの1つなのだろうか。
    それにしても、サーカスを訪れてまず力を入れたのが汚いトイレを綺麗にすることで、毎日毎日人が嫌がることを率先する少年はものすごい徳積みをしているなぁと思った。
    少年ならきっと『雨上がりの空に虹を見つけた時のような素敵な気持ちになる綱渡り師』になれる。
    今後どんな活躍をするのか少年とレインボーサーカスとナットー=ズフラ(金星・宵の明星)のその後が気になります。

  • 主人公に感情移入するというより、
    客観的に物語を外から見ている雰囲気で読み進んでいきました。

    舞台設定がどこか海外を思わせる雰囲気が更に
    想像力を膨らまさせてくれました。

    またたまに出てくる想像力を掻き立ててくれる表現などが
    素敵な物語だったと思います。
    ねずみのおならみたいに、ぽわんと甘い匂い、、、とか、
    虹を見ている時のような気分になる、綱渡り師になりたい
    とか。

    そして、むかし、レインボーサーカスで起きた大事件のあった日が満月だった。たまたまその日が満月だったのか、それとも満月がなんらかの形でその事件に影響を及ぼしたのかは定かではないんだけど、
    という場面では、満月ってやっぱり不思議な力を持っているんだなぁ〜と、浸ってしまいました。

    全体的に静かに少年の成長を見つつ、
    周りの人との関わりが温かい物語だったと思います。

    大きく感情が盛り上がることもなかった反面、
    静かにじわぁ〜っと心に染みる感じが良かったです。

  • 病気の薬のせいで、10歳から大きくならない13歳の男の子が主人公。

    両親が別れてしまい、グランマと住む主人公は、グランマの負担になりたくないということで、家を出てレインボーサーカスという所へ。

    サーカスで色々な人と出会い、成長していきます。

    多分、少年の名前を探す話なのかなぁと。

  • 主人公の少年の目線で描かれているので、サーカスの舞台裏を知って行くワクワク感があった。

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著者プロフィール

作家。デビュー作『食堂かたつむり』が、大ベストセラーとなる。その他に、『喋々喃々』『にじいろガーデン』『サーカスの夜に』『ツバキ文具店』『キラキラ共和国』『ミ・ト・ン』『ライオンのおやつ』『とわの庭』など著書多数。

「2023年 『昨日のパスタ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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