星空のおくりもの

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 10
感想 : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103316039

作品紹介・あらすじ

もしかしたら、もうひとつの人生を生き直すことが出来るかもしれない。そんな想いを抱かせるやさしい12の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 先に読んだ「恋する手」の方が文学的に深いのかもしれないけれど光の瞬きがみえるこのお話のほうが私は好き。

  • (2004.11.20読了)(2004.11.04購入)
    著者の太田治子さんは、作家の太宰治と太田静子さんの間にできた子供で、太宰治が玉川上水で、心中してしまったので、太田静子さん一人に育てられました。太宰が生きていたとしても妻ではないので、一緒に暮らす事はできなかったでしょうけど。
    太宰治は、太田静子さんの書いた日記を元に「斜陽」を書いたといわれます。
    「斜陽日記」太田静子著、小学館文庫、1998.06.01
    「斜陽」太宰治著、新潮文庫、1950.11.20

    太田治子さんを知ったのは、NHK教育テレビの「日曜美術館」を見たことによります。太宰治の子供ということで、興味を持ち、1979年8月に、2冊の本を読みました。
    「空色のアルバム」太田治子著、構想社、1979.05.31
    「青春失恋記」太田治子著、新潮社、1979.05.15
    それ以来、母についてのエッセー、絵画についてのエッセー、子供についてのエッセー、童話、小説などに付き合ってきました。
    ちょっと上品な言葉遣いが気になったり、ほほえましかったりというところはありますが、楽しく読ませてもらっています。

    今回の本は、1年前に出ていたのは知っていたのですが、他にも読む本はいくらでもあるので、つい後回しになっていました。
    星をテーマにした、12の短編小説が収められています。主人公は、どういうわけか片親に育てられた人たちです。父や母が早くになくなったり、離婚で別居だったり、という感じです。どうしても、自分の育ちが母子家庭だったので、両親のそろった家庭は書きにくいのでしょうか。
    どの短編もハッピーエンドになっているのは、著者の望みでもあるのでしょう。

    ●ヴィーナスの桜貝
    陶山星子には、もうすぐ中学生になる健太という息子がいる。夫の抱一は整形外科医で、勉強のためカリフォルニア大学に行っている。星子は、テレビの幼児番組の台本を書く仕事をしているので、その仕事を続けるために日本に残った。
    夫とは、星子が13年前暴走族のオートバイにはねられて、救急病院に運び込まれ、そのときの担当医として知り合った。小学校の時の同学年であり、眼科医の父が二人の交際を決めて、結婚することになった。母は、早くに亡くなったので、男手一つで、星子を育てた。
    星子は、抱一と結婚し一人息子がおりながら、小学生の頃イタリアへ行ってしまった影雄のことを思っている。影雄がイタリアのフィレンツェへ旅立つ時、星子に小さな茶色の革の箱を渡していったからだ。箱の中には薄いピンクの桜貝がぎっしり詰まっていた。その箱を今も大事に持っている。でもその箱のことを健太に話したら、「いつまでそんなものを大事に持っているんだ。パパがかわいそうだ。」と言われてしまった。
    実は、箱を製作したのも、桜貝を集めたのも、夫の抱一であることがわかり、一時帰国した夫から渡してもらい、めでたしめでたしで終わる。

    著者 太田治子
    1947年 神奈川県生まれ 父は、太宰治
    明治学院大学英文科卒業
    1967年 紀行文「津軽」で婦人公論読者賞受賞
    1976年~79年 NHK教育テレビ「日曜美術館」で司会アシスタントを務める
    1986年 「心映えの記」で坪田譲治文学賞受賞

    (「MARC」データベースより)amazon
    あなたも星空を見上げてみませんか。もしかしたら、もうひとつの人生を生き直すことができるかもしれない。そんな想いを抱かせる、やさしい12の物語。『りぶる』連載をまとめて単行本化。

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著者プロフィール

作家。神奈川県小田原市生まれ。紀行文「津軽」で婦人公論読者賞受賞。作品に「言いだしかねて 父、太宰治そして愛、家庭を語る」(主婦の友社)、「花の見た夢」、「風の見た夢」(講談社)、「小さな神さま」「明るい方へ 父・太宰治と母・太田静子」 (朝日新聞社)他多数。近刊「夢さえみれば──日本近代洋画の父・浅井忠」(朝日新聞社)

「2015年 『CD紀行文学名作選〈北海道、屋久島・沖縄編〉 5』 で使われていた紹介文から引用しています。」

太田治子の作品

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