巴里ひとりある記

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (172ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103316114

作品紹介・あらすじ

1951年、27歳、突然の渡仏。「女優・高峰秀子」を脱ぎ捨て、パリで独り暮らした半年間に見つめたものとは?生きる感動に溢れた幻の処女作、待望の新装版。

感想・レビュー・書評

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  • 2013.4.9~15 読了
    昭和26年当時に27歳の女性がパリへ一人旅とは大胆かつ怖いもの知らずだ。なんせヨーロッパ行きは南回り航空路しかなくて50~60時間かかった時代、トランジットだけでも沖縄、香港、バンコク、カルカッタ、カラチ、ベイルート、ミニイ(?)、ブリュッセルと8ヶ所も書いてある。しかし5歳の時から27歳まで200本以上の映画に出続けるという、自分の時間がほとんどない生活の連続で頭と体の引き出しが全て空っぽになったらしいから、日本を脱出して人生の思い出を作りたい、充電したい、という気持ちが強かったということか。中原淳一、高英男、黛敏郎、砂原美智子、木下恵介、藤山愛一郎、石川達三・・・とパリで会った人の名前を見ても長い戦争が終わってやっと憧れのパリへ・・・という当時の雰囲気がわかる。

  • 「高峰秀子」の紀行エッセイ『巴里ひとりある記』を読みました。

    『わたしの渡世日記』に続き、「高峰秀子」作品です。

    -----story-------------
    “デコ”じゃない、本当の私、見つけた。
    これは、「高峰秀子」版『ローマの休日』だ!

    「電話もかかってこない。訪問客もない。全く自分を自分に返して貰ったという気がする」。
    昭和26年、27歳、単身渡仏。
    「女優・高峰秀子」を脱ぎ捨て、パリで暮らした半年間、彼女が見つめたものとは? 
    瑞々しい感性に溢れた幻の処女作が今甦る。
    自筆挿画や写真を多数収録する待望の新装版。
    -----------------------

    1951年の半年間に渡る渡仏経験について日記風に描かれたエッセイです。
    『わたしの渡世日記』でも紹介されていましたね。

    写真だけでなく、本人によるイラストも多数紹介されていて、文書だけでなく、画的にも愉しめる一冊でした。

     ■出発
     ■ブラッセルまで
     ■パリについた日
     ■マドモワゼル・ソレイユ
     ■パリのチャーチル会
     ■パリ祭
     ■アッシィの教会
     ■セーヌ河のシャンソン
     ■パリの素顔
     ■蚤と裸と名画
     ■マロン・ショウとすみれの季節
     ■アメリカかけある記
     ■徳川夢声さんとの対談
     ■あとがき 人生を分けた6か月―亡き母・高峰秀子に捧ぐ(斉藤明美)

    本書は「高峰秀子」の初エッセイとして1953年に発行された作品らしく、23年後に著された『わたしの渡世日記』に比べると稚拙な部分もありますが、若々しさに溢れ、瑞々しさを感じる文章には親近感を感じましたね。

    現実から逃げ出して、パリでのんびり過ごす、、、

    その気持ち、わかる感じがするなぁ… 読んでいると、当時のパリに行ってみたくなりました。


    とはいえ、実際に行くことはできないからね… 久しぶりに1950年代のフランス映画でも観るかな。

    あの独特の雰囲気が好きなんですよねぇ。

  • 私も現実逃避してぶらりとパリにでも行きたくなりました。

  • 初版から60年近く経って新装され、出版されていることに驚き。単なる芸能人のエッセイでない、著者の筆力を感じます。ものの見方が独特で、例えばある人物の描写であれば、その一点でその人の雰囲気全てが理解できるような特徴を鋭くつかみ、鮮やかに表現します。書くことがなくて適当にごまかしてるような所もありますが、それはそれ。肩肘はらない一冊です。

  • やっぱりすてきな人だー
    求められることを返していく仕事は、自分を見失いやすいと思う。
    自分を持つことは悪いことじゃないのにね。
    パリへの憧れが増しますねぇ

  • 293.5

  • もう60年も前に書かれた若き名女優の一人旅日記。大半がパリで過ごした日々の描写で、感性の発露が随所に見られ、とても滋味ある随筆です。

  • 「つづりかた巴里」という本当を先に読み始めていたので
    内容が重なってしまったが、こちらは写真がたくさん。
    どれもコケティッシュな感じでいい。特に表紙のなど。
    挿画のイラストもカワイイ。私が知らなかった高峰秀子さん
    がいっぱい詰まってた。

  • この方の文章は、甘さがないのにどこか優しい。
    ベタベタしないのに、人なつかしい。

    誰にわかってもらえなくてもいい、
    自分が思い返すだけで幸せになれる思い出が欲しい

    という旅の動機は、
    若い彼女の中で、切実だったのがわかる。

    私自身もパリを訪れたことはある。
    彼女の写真を見ると、私が訪れた時と、
    街は変わっていないみたいに見えるけれど

    外国を訪れることの大きさや勇気の度合いは
    全然違っただろう。

    華やかな人気女優の、少し突き放したようにも見える
    率直な文章は、彼女の美しさをかえって際立たせている。

    当時交流があった人たちの群像を思うと
    一流の才能が生きていた時代なんだという
    グラフティとしても面白い。

  • すぐれたエッセイストってのは、こういう方のことをいうのでしょう。
    特別に難しい漢語をつかうわけでもなく、誰でもが知っている易しい日常の言葉で、巴里での生活が見事に描かれている。その臨場感たるや、いやお見事です。

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著者プロフィール

1924-2010 北海道生まれ。子役時代から晩年まで一貫して日本映画界を代表する名女優として名を馳せた。出演作は300本以上。代表作に『二十四の瞳』『浮雲』『名もなく貧しく美しく』など。確かな審美眼を持ち、絵画骨董にも造詣が深い。名文家としても知られ、『わたしの渡世日記』で日本エッセイストクラブ賞受賞。ほかに『にんげん蚤の市』『台所のオーケストラ』『コットンが好き』『いっぴきの虫』など著書多数。夫は脚本家・映画監督の松山善三。養女は文筆家の斎藤明美。

「2022年 『高峰秀子ベスト・エッセイ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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