楽園のカンヴァス

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 5997
レビュー : 1215
  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103317517

作品紹介・あらすじ

ニューヨーク近代美術館の学芸員ティム・ブラウンは、スイスの大邸宅でありえない絵を目にしていた。MoMAが所蔵する、素朴派の巨匠アンリ・ルソーの大作『夢』。その名作とほぼ同じ構図、同じタッチの作が目の前にある。持ち主の大富豪は、真贋を正しく判定した者に作品を譲ると宣言、ヒントとして謎の古書を手渡した。好敵手は日本人研究者の早川織絵。リミットは七日間-。ピカソとルソー。二人の天才画家が生涯抱えた秘密が、いま、明かされる。

感想・レビュー・書評

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  • アンリ・ルソーって、けっして好きな画家じゃなかったのに
    頁をめくる手が止まりません。

    倉敷、ニューヨーク、バーゼル、パリ。
    2000年、1983年、1906年。
    時間も場所も飛び越えて交錯する、壮大な謎と運命の物語。

    ブクログ仲間さんたちが絶賛されていたこの本。
    すぐ図書館に予約したのだけれど半年たっても届かず、
    それでも気になる原田マハさんの本を、『キネマの神様』、『旅屋おかえり』など
    周りからじわじわと迫るように読み進めてきました。
    キュレーターという経歴から、理知的で冷静な物語世界を予想していたら
    思いがけずぽろぽろ泣いてしまうような温かい作品ばかりで、すっかり虜になって。

    そして、ついに届いた『楽園のカンヴァス』。
    こうに違いない!と思っていた、「キュレーターだった原田マハさん」がいました。
    しかも、絵画への深い洞察と知識の上に、溢れるような情熱と愛を纏って。

    食事に事欠いても、絵を描き続けずにはいられないルソーと
    貧しい暮らしの中でカンヴァスや絵具を買って届ける、ジョゼフとヤドヴィガ。
    内なる情熱を作品として生み出さずにはいられない芸術家と
    その美しさを崇拝し、守り、永遠に遺さねばと思う人々。

    生み出す人と、守り伝える人、という図式は
    いつしか新しい命を宿し、力強く育てていくヤドヴィガや織絵の物語にも重なって
    この世に生まれ落ちるすべてのものは、等しく尊いのだと訴えかけているようで
    胸が熱くなります。

    もし本当に『夢をみた』という作品が存在していたとしたら
    その絵の中のヤドヴィガは、すっと伸ばした左手に
    秘密だけではなく、情熱だけでもなく
    未来への希望を握りしめているのです。きっと。

    • まろんさん
      noboさん☆

      今週は、『楽園のカンヴァス』に『舟を編む』と
      何か月も待っていた本が続けざまに図書館から届いて、うれしい悲鳴をあげています...
      noboさん☆

      今週は、『楽園のカンヴァス』に『舟を編む』と
      何か月も待っていた本が続けざまに図書館から届いて、うれしい悲鳴をあげています。
      noboさんのところにも、早く届きますように!

      私も絵画にはぜんぜん詳しくなくて、ちゃんと読めるかしらと不安だったりしたのですが
      そこはさすが原田マハさん、絵画に謎の本という案内役をつけて
      壮大な物語世界に一気にいざなってくれます♪
      他の作品にくらべれば、やっぱり骨太というか硬質な印象はあるけれど
      読み終えたときは、ああ、やっぱり原田マハさんだ!と、温かい感動に包まれました。
      そしてそして、この本に出てくるピカソが、なんだかとってもいいヤツなんです(笑)
      ルソーのみならず、ピカソも見直しちゃった私でした(*'-')フフ♪
      2013/04/17
    • HNGSKさん
      まろんさん。私も読みましたー。何度も何度も、装丁に描かれているルソーの「夢」を見返しながら。
      美術館に行きたくなりますね。
      まろんさん。私も読みましたー。何度も何度も、装丁に描かれているルソーの「夢」を見返しながら。
      美術館に行きたくなりますね。
      2013/04/26
    • まろんさん
      あやこさん☆

      そうそう!読みながら、ルソーの「夢」の絵の細部が気になって
      何度も表紙を見てしまいますよね。
      大学の周りは美術館や博物館だら...
      あやこさん☆

      そうそう!読みながら、ルソーの「夢」の絵の細部が気になって
      何度も表紙を見てしまいますよね。
      大学の周りは美術館や博物館だらけだったのに
      どうしてあの頃、もっと訪れておかなかったのかしら! と悔やむ今日このごろです。
      2013/04/28
  • 予約してから届くのが長かった(^^ゞ 届いて果たして・・・

    芸術や美術品には詳しくないから、他の方のように
    楽しめるのか、とっても不安でした。
    私に理解が出来るのかな?格式&ハードルが高すぎるのでは?とも思いました。
    そして初の原田マハ作品。


    でも心配ご無用で、中盤からぐいぐい引きつけられて
    後半は感動して泣けて、胸は熱い想いでいっぱいになるし読書スランプもぶっ飛んでいきました。

    アートの力ってすごいね。
    今年読んだ中で一番かも。


    『芸術家のミューズ(女神)になり、永遠に生きる』

    なんて、素敵な物語なんだろう。
    ひと言で言い表すなら・・・もう感無量。
    読了後、感動してブルブルして感想書けませんでした。
    落ち着いて一呼吸置いてからじゃないと無理、で
    いま落ち着いてから書いてます。
    書ききれない想いが胸にいっぱいで、どうしましょ。

    スピンオフみたいなの書いてくれないかな~。

    本当に最高の【楽園】でした。ありがとう!原田さんって神だ。
    直木賞あげたい。

    • vilureefさん
      こんにちは!

      分かります、分かります!
      私も読んだ後放心状態でした。
      本の世界にずっぽりハマって抜けられなくなる感じ。
      これこそ...
      こんにちは!

      分かります、分かります!
      私も読んだ後放心状態でした。
      本の世界にずっぽりハマって抜けられなくなる感じ。
      これこそ読書の魅力だな~って思います。
      私も昨年読んだ本の中ではTOP3にはランクインしています♪

      マハさんの作品はまだ片手に余るほどしか読んでいませんが、私の中では一番この作品が好きです。
      最高の出来だと思うんです。
      でも、でも、直木賞も本屋大賞も逃してるんですよね。
      なんでだー!!

      まっき~♪さん、読書スランプだったのですか?
      もう抜けだしたでしょうか!?
      余韻に浸ったままで、是非「シヴェルニーの食卓」も未読でしたら読んでみてくださいね(^_-)-☆
      2013/07/05
    • まっきーさん
      あやさんへ

      こんばんはー。
      いつも花丸ありがとうございます!

      もーぅぅぅ、本当に素敵でしたよ。
      読んでいる時は、本の中にどっぷり入ってし...
      あやさんへ

      こんばんはー。
      いつも花丸ありがとうございます!

      もーぅぅぅ、本当に素敵でしたよ。
      読んでいる時は、本の中にどっぷり入ってしまって楽しかったです。
      夢みたいなひとときでした(*・▽・*)

      こんなに心ふるえる本は久しぶりで、感動の涙と胸がじんじんしてしまいました。
      読んで良かったし、出会えて良かったなぁ~と幸せだなと思いました(*・▽・*)

      本当に直木賞あげたいし、今度こそ!受賞してほしいですね~。今回はいけるのでないかと応援しています。

      読書パワー一時的に戻ってきましたが、私も積本がたくさんで、あやさんと同じく

      『いつまでも積むな!読め!』の真っ最中なんですよ。うれしい悲鳴をあげつつ、読み、積み・・・の繰り返し(汗・笑)

      でも積む本があるってプレッシャーもあるけど、積本(積ゲーも)が無くなると、寂しいもんなんですよね。
      不思議な積み本症候群です。

      本っていいですね。こうしてお話出来ると、本を通じて人と出会える・・・しあわせなことだと思います(o^∀^)
      2013/07/05
    • まっきーさん
      vilureefさんへ

      こんばんはー。
      花丸たくさんありがとうございます!

      予約したはいいけど読んで理解できるのか?自分!と恐る恐る予...
      vilureefさんへ

      こんばんはー。
      花丸たくさんありがとうございます!

      予約したはいいけど読んで理解できるのか?自分!と恐る恐る予約して、届いたら読めないスランプの絶不調で。。。

      冒頭から中盤まで苦しくって、「読むのやめようかな・・・(TωT)」 同じところを何度も何度も読み、内容は頭に入ってこないし・・・
      まだスランプは続いてます(^^ゞ

      でも中盤からもうぐいぐいで気持ち良かった~。
      vilureefさんと同じく読んだ後、放心状態でぼぉぉーとして、ドキドキして感動しました!

      読めなくて苦しかった分、感動も大きくってじーーーーーん…余韻が気持ちいい。

      それにしても・・・

      >でも、でも、直木賞も本屋大賞も逃してるんですよね。なんでだー!!

      本当に声を大にして『なんでたー!!』と私も叫びたいですね。

      直木賞、芥川賞の裏、陰謀?・・・色々あるのは分かるけど、素直に読者の声も取り入れてほしいですよね。
      たぶん選考員も原田マハさんの才能に嫉妬してしまったのでは?とか思ったりします。

      「シヴェルニーの食卓」さっそく予約しました。40人待ちでした(-_-;)
      でも楽しみです。マハさんの作品もっと読んでみようと思います(o^∀^)



      2013/07/05
  • ──なんとスケールの大きな小説だろう。言葉が出ないほど幸せな気持ち。心が震えた。
    こんな素晴らしい作品に出会えたことを誇りに思う。ブクログの皆様に感謝。

    アンリ・ルソー。
    不思議な色彩と変わった構図の絵を描く画家だという認識しかなかったが、この本を読み終えたとき、この表紙にもなっている彼の「夢」の絵をみると愛おしさを覚えるほど好きになった。
    文章を追いながらも、絵画のタイトルが出ると、すかさずパソコンで検索しその絵を実際に画面で見ながら小説の続きを読んだ。
    ルソー展が開催されたら、絶対見に行きたい。
    そんな読後感を抱かせてくれた稀に見る秀逸な作品。
    読み初めからページを捲る手のスピードは一向に衰えず、期待に胸を高ぶらせながら、最後まで読み終えた。
    そして訪れたなんとも言いようのない満足感と、感動。
    自分という人間が、一回り大きくなれたような感さえ覚えた。

    表紙にもなっているルソーの絵画「夢」をモチーフに繰り広げられる、キュレーター(学芸員)の世界。
    今では一介の監視員に身を落としてしまった織江とMOMAのアシスタントキュレータであるティムとの真贋対決。
    だがそれは本来、彼女と彼の二人の対決になるはずではなかった。
    まさに偶然と奇跡が起こした、でも必然であった運命のめぐりあい。

    数十年前、ピカソ、ルソー、アポリネール。パリはまさに芸術の炎で燃えていた。
    この絵は本物なのか? 
    その謎を解く鍵は、絵の所有者によって提示された七章からなる古書を読み解くこと。
    それを毎日一章ずつ読んでいく。
    ああ、なんと1日の長いことか。時の流れのもどかしいことか。
    この古書は誰が書いたのか。
    章の最後に書かれた謎めいたキャピタル(大文字)は何を意味するのか。
    最後まで読み終えたとき、どんな綴りになるのか。
    もう、考えただけで胸が躍り、とまらなかった。

    「古書」から伝わってくる数十年前の古きパリの日常、あるいは熱情。
    私は完全に感情移入して物語に入り込んだ。織江になりきって。ティムになりきって。
    一週間後、最後まで「古書」を読み終えた二人の出した答えは。
    驚くべきティムの解釈。それは織江を思いやる優しさゆえだった。
    これを愛と呼ばずしてなんと言おう。
    対して織江の出した答えは──。
    この場面、胸が熱くなるほどの二人の絵画に対する愛情が伝わってくる。
    感動で心が打ち震え、唇が乾いた。
    そして二人のルソーへの愛情は十数年後の再会への糸口へとつながっていく。
    それはこの絵画に向き合った1週間、ともに「古書」のなかの同じ空気を吸い、夜会を共にし、ピカソに出会い、ルソーを心から尊敬し愛したティムと織江だけに共有できる思い、信頼が芽生えたからこそだ。
    ルソーに愛されたヤドヴィガのように絵画の形としては永遠に残らなかったけれど、織江とティムの二人は永遠を生きたのだ。

    うーむ。自分でもまどろっこしい。
    この感動をどう他人に伝えたいのか上手く表現できない。
    もっと書きたいことはやまほどあるが、それを書いたら優に一週間はかかる。
    それほど素晴らしい小説です。
    是非是非みなさまご一読ください。手元に置いておきたい珠玉の名作です。

    読み終えた今は、しゃかりきになってルソーの絵画をパソコンで検索して眺めています。
    もはや私は完璧にアンリ・ルソーという画家のファンになってしまいました──。

    註:直木賞選考時、この作品のなかで瑕疵と評されたのはインターポールのジュリエットの部分だと推測するが、私はさほど重要な瑕疵だとは思わない。
    そんな瑣末なものを凌駕する壮大さをこの作品は持っている。
    重箱の隅を突くだけが選考委員の役目ではあるまい。良いものは良いと評価すべきではないか。
    素直に二作同時受賞でよかったのじゃないか?
    作家ではなく、一読者としてこの小説を評価してほしいものだと切に願う。

    • nico314さん
      原田マハ作品はまだ1冊しか読んでいないのですが、次はこれにしようかな。読みたいリストに書いておこうと思います。
      原田マハ作品はまだ1冊しか読んでいないのですが、次はこれにしようかな。読みたいリストに書いておこうと思います。
      2012/10/10
    • マリモさん
      こんにちは。
      読後の感動がすごく伝わってきました。
      私も楽園のカンヴァス読んで、ルソーの絵を検索し、ルソー展あったら絶対行くぞ!と心に決めた...
      こんにちは。
      読後の感動がすごく伝わってきました。
      私も楽園のカンヴァス読んで、ルソーの絵を検索し、ルソー展あったら絶対行くぞ!と心に決めた者です(笑)。キュレーターであった原田さんがずっと温めてきた渾身の作品ですよね。ものすごい取材と、たくさんの資料による調査をされたのだろうなと思います。でも根底にあるのは、原田さんのルソーへのあふれんばかりの愛で、それがこの作品を揺るぎのないものにしているのだなぁと(笑)

      横から失礼しちゃいます。私も「翼をください」に一票を(笑)。史実とフィクションを織り交ぜた、楽園のカンヴァスに劣らない作品と思ってます。お時間あるときにぜひどうぞ♪
      2012/11/01
    • けいたんさん
      コメントありがとうございました(^-^)/

      すごく熱いレビューに圧倒されています。
      自分の思いを文にできるって羨ましいです。
      私...
      コメントありがとうございました(^-^)/

      すごく熱いレビューに圧倒されています。
      自分の思いを文にできるって羨ましいです。
      私もこの作品を読んだあとは、すごく熱いものがこみ上げてきて、その思いを伝えたかったのですが…
      このあとから私も少しは美術に目覚めて美術館に行くようになりました。
      賞は残念ですが、私にとって忘れられない作品となりました。
      「ジヴェルニーの食卓」が止まったままになっています。
      今年こそ読み終えたいです。
      2016/01/14
  • ようやく読めた。原田さんの最高傑作。

    MoMAのアシスタント・キュレーター ティムと、ソルボンヌで美術史を学び、コース最短の26歳で博士号を取得し、論壇を賑わせるオリエ・ハヤカワ。
    怪物バイラーは二人に、ルソーの「夢をみた」という作品の真贋を問い、勝者にはその取り扱い権利を譲渡すると告げる。

    現在、倉敷の大原美術館で監視員をしている早川織絵の回想から始まるスイス・バーゼルでの忘れがたい7日間の思い出。

    ミステリとしての完成度よりもこの世界観、ルソーやピカソへの優しいまなざしが心地よく、あっという間に引き込まれてしまった。

    文庫版は買おうと決めました。(お母さん、本増やしてごめんなさい)

  • アンリ・ルソーの幻の名画を前に、2人のキュレーターがその真贋について判断を下す。
    どちらの評価が正しいのか?
    真実はどこにあるのか?

    1983年、スイスのバーゼルのコレクター、バイラーに招待され
    ティムはニューヨークから、織江はパリからバイラーの屋敷に向かう。
    そこには、アンリ・ルソーの「夢」によく似た構図の作品が飾られていた。
    1日1章ずつ物語を読み、7日間かけて判断をせよと、バイラーは言う。
    果たして、その絵は真作なのか贋作なのか?
    物語は誰によって書かれたのか?内容はフィクションなのか?

    ティムに、なんとしても勝利をし、作品に関わる権利を手に入れよと、
    複数の人間がコンタクトしてくる。
    彼らは敵か、味方か?
    目的は何なのか?
    織江はどういう立場の人間なのか?
    ティムの目線で語られるシーンが多いが、誰もが怪しく、
    追い詰められるようで、ミステリーの要素もたっぷり。


    キュレーターとして、活躍していたマハさん。
    お気に入りの画家はルソーらしい。
    そのせいか、読んでいると
    ルソーに、芸術に、キュレーターという仕事に対する情熱が行間から窺える。
    実に「濃い」作品になっていて、読む側にも気合が満ちてくるような気がした。

    歴史とドラマ、事実と創作の境目がさっぱりわからず、混ぜこぜになって信じてしまい、
    後々違う解釈を見て驚いたり、がっかりしたりの私。
    今も「八重の桜」で松平容保@綾野剛クンに入れ込んで、苦しさの真っただ中にいる。

    それでも、このお話のようなルソーに愛情を傾ける人たちによって、
    芸術が受け継がれていくのなら、幸せだと思う。
    その周りの人も愛情を注いだ分だけ、神様からご褒美を頂けるような
    少しばかりの美しい真実に出会えたら、なおいいな。

    史実にしても、身の回りの出来事にしても、
    結局はある方向からの目線により語られるものであって、
    たくさんの線を引いてなぞっても、完璧に再現できるかというと難しい。
    真実とか、本当の思いとかって、どこにあるのでしょうね。
    世間を騒がす歴史ネタも、昨日のケンカの理由も
    すべてを明らかにしたいような、したくないような・・・。
    だからこそ、小説になる余地があるわけで
    まぁ、それを存分に楽しむのがよさそうです。

    • だいさん
      nico314さん こんにちは

      人間って、自分の中でしか考えられないと思いませんか?
      例えば、私と nico314さん の目の前で、自転...
      nico314さん こんにちは

      人間って、自分の中でしか考えられないと思いませんか?
      例えば、私と nico314さん の目の前で、自転車が転んだとして、転んだ「事実」を見た瞬間からそれぞれ違った解釈をすると思いませんか?そして、お互いに説明し合っても、それは「事実」とは、異なっている、見て考えたこと。
      なのだと思います(説明になっているかな?)
      そして、自分の中でも、外からの影響で考え方など、変わっていく。

      >多少ずれていても、
      良い意味では、学習効果の快感であり、悪く取れば、論争やケンカになるのではないでしょうか?
      2013/06/09
    • nico314さん
      だいさん、コメントありがとうございます!

      「話せばわかる」「分かり合える」という表面的な言葉を大人になって回避するようになりました。
      ...
      だいさん、コメントありがとうございます!

      「話せばわかる」「分かり合える」という表面的な言葉を大人になって回避するようになりました。
      幻想だなどと考えるのはあまりに悲観的かなとも思うのですが、その上で、解釈をすり合わせながら、お互いの認識する事実を重ね合わせる作業をするのは、
      >自分の中でも、外からの影響で考え方など、変わっていく。
      につながるということですよね。
      2013/06/09
    • だいさん
      そうです。同感。
      そうです。同感。
      2013/06/11
  • キュレーター(学芸員)だった経歴のある著者が、満を持して発表した作品。
    ルソーの名画に魅せられた人々が交錯する、凝った構成。
    絵画への愛が熱っぽく、引き込まれます。
    美術館の内幕物としても面白く、美術史の知識は余裕をもって描かれているのが、さすが。

    2000年、倉敷の大原美術館で、監視員をつとめる早川織絵は、思いがけない申し出を受ける。
    大規模な展覧会のため、アンリ・ルソーの絵を借り受ける窓口として、MoMA側から指名されたのだ。
    17年前に帰国、シングルマザーとして実家でひっそりと子育てをしていた織絵だったが‥

    1983年、スイスのバーゼルに、二人の若きキュレーターが呼び出された。
    MoMAつまりニューヨーク近代美術館のティム・ブラウン30歳。
    もう一人は新進気鋭のオリエハヤカワ26歳だった。
    大富豪で伝説的な絵画コレクター、コンラート・バイラーが秘蔵するルソーの知られざる作品「夢をみた」を見せられる二人。
    MoMAの所蔵作「夢」とそっくりな題材で、同じタッチの大作だ。
    これが真作か贋作か1週間後に講評し、バイラーが気に入ったほうにこの絵の処理権を与えるという。
    7日の間に与えられるヒントとして、毎日少しずつ古書を読まされることに。
    その内容とは‥

    ルソーの晩年、家族を失った孤独な暮らしだが、特異な作品に注目する人も出始めていた。
    近所に住む美しい洗濯女ヤドヴィガに惹かれ、何かとささやかなプレゼントや作品をあげている。ヤドヴィガは妙な絵を描く変人を最初は相手にしないが、しだいにその妙な絵にふしぎな魅力を感じ始める。
    若き日のピカソがルソーと関わりがあった様子も、いきいきと描かれていて、夢がありますね。

    世界的なオークションハウスや国際刑事警察機構まで登場、怪しげな要素が絡み合いつつ、真贋の判定やいかに?
    織絵がヒロインとするならやや説明不足で、何があったか推測は出来るけど、読者には不親切ですが~
    真のヒロインはヤドヴィガというか、彼女が入り込んだ世界、彼女の描かれた絵なのでしょう。

    芸術には人の運命を狂わせるほどの力がある。
    けれども、狂わされた運命が悪いとは限らない。ということでしょうか。
    第二の人生のスタートへ、希望の感じられる結末。

    著者は1962年生まれ。中学高校を岡山県で暮らす。
    森ビル在籍中に、ニューヨーク近代美術館にも勤務。
    2002年フリーのキュレーター、カルチャーライターに。
    2005年作家デビュー。
    この作品は第25回山本周五郎賞受賞。
    第147回2012年上期直木賞候補作。
    第10回2013年本屋大賞第3位。

  • アンリ・ルソーの「夢」がモチーフのミステリー仕立ての物語に加えて、彼の生涯と絵画の魅力を存分に伝える作品。ネットで絵を確認しながら読み進めて彼の絵画の素晴らしさも堪能できました。冒険?あり、謎解きあり、恋心あり、そして芸術の香りが匂ってくる極上のエンターテインメントだったと思います。
    最初に主人公は、早川織絵(オリエ・ハヤカワ)かと思いましたが、実はキュレーターのティム・ブラウンの方だったのですね。(笑)
    ある絵の真贋を鑑定してほしいとの怪しげな誘いを受けた主人公だったが、鑑定方法はある物語の読むことを通じてであった・・・!そして、その絵とは・・・。次第に周囲からの干渉も強まり、驚愕の背景が露わになってくる。小説内小説という凝った構成と、サスペンス的な盛り上がりに加え、アンリ・ルソーの芸術と彼が生きた時代の空気を大いに伝えてくれました。
    ただ読み終わってみると、織絵の立ち位置や物語の存在意義などディテールにおいて、今少し整合性が合わない点が気になりこの点数です。謎解きの部分の半分くらいは予想していましたが、バイラーの正体はいい意味で予想をハズしていて逆に感動できました。(笑)
    20世紀初頭の近代絵画の流れやキュレータという職業の理解もでき、また、ミステリーとしての結末も良かったので、なかなか満足できた作品でした。

    • koshoujiさん
      初めまして。いくつかレビューを拝読させていただきました。
      面白かったので、フォローさせていただきました。
      厚かましいお願いですが、1点だ...
      初めまして。いくつかレビューを拝読させていただきました。
      面白かったので、フォローさせていただきました。
      厚かましいお願いですが、1点だけ。
      長く読み応えのあるレビューですので、所々で行空けをしていただくと読みやすいなあ、と思いました。
      スマホだと問題ないのでしょうが、PCの場合、少し空行があるほうが読みやすいのです。
      今後とも、レビュー楽しみにしております。<(_ _)>
      2016/07/30
    • mkt99さん
      koshoujiさん、はじめまして。
      コメントいただきありがとうございます!(^o^)/

      拙文に過分なるお言葉をいただきありがとうご...
      koshoujiさん、はじめまして。
      コメントいただきありがとうございます!(^o^)/

      拙文に過分なるお言葉をいただきありがとうございます。m(_ _)m

      そういえば、あまり読者目線を気にせず書いていたかもしれません。(笑)

      ご指摘ありがとうございました!(^o^)

      これからはもう少し空行を意識してみます。

      今後ともよろしくお願いいたします。
      (^o^)/
      2016/07/31
  • 読み終えると雫がこぼれおちジーンとしている自分がいました。

    お話は…
    ルソーを愛するMoMAの学芸員ティム・ブラウンは、スイスの大邸宅で、MoMAが所蔵するアンリ・ルソーの大作『夢』とほぼ同じ構図、同じタッチの作を目にする。そこには日本人研究者の早川織絵もいた。持ち主の大富豪は、真贋を正しく判定した者に作品を譲ると宣言、ヒントとして謎の古書を手渡した。リミットは七日間。

    私は美術館が好きです。絵のことは詳しくないけど美術館の空間が好きです。

    物語を読む中で名画が登場します。
    iPad片手に作品を確認しつつ読み進めるのがまた楽しかった。
    Kindle本版は画像リンクとかしてあればいいのにね。

    物語のミステリー要素も愉しい。謎の絵画をめぐる駆け引きも面白い。
    さらにルソーに対する心を感じ取れたこと、美術に浸りながら素敵な読書の時間を過ごしたことが気持ちいい。
    7日間のリミットが終わり、どちらに作品の命運を渡すのかの章でグッときた。
    最終章 織絵の娘 真絵の言葉に連なる心に涙が溢れた。


    美術の世界がさらに好きになりました。
    ルソー、ピカソをじっくりと眺めたくなりました。
    MoMAをまだ訪ねていない。
    いつか行こう。
    楽しみが増えました。

    • vilureefさん
      desicoさん、こんにちは。

      良い作品でしたよね、ドラマティックで、アカデミックで。マハさんの真骨頂ですよね。

      私、MOMA行...
      desicoさん、こんにちは。

      良い作品でしたよね、ドラマティックで、アカデミックで。マハさんの真骨頂ですよね。

      私、MOMA行ったことあるんですよね。
      多分2回位行きました。
      で、全然覚えてないんです、ルソーの夢・・・。
      だめですね~、感度低すぎですね(笑)
      2013/05/13
    • desicoさん
      vilureefさん、おおっ!

      MoMA行ったことあるんだ!うやらましいです。
      私はもっぱら西海岸ばかり。
      表参道のMoMA Storeに...
      vilureefさん、おおっ!

      MoMA行ったことあるんだ!うやらましいです。
      私はもっぱら西海岸ばかり。
      表参道のMoMA Storeには行ったことあるんですが(^^;;;

      ルーブル美術館には行ったことありで、そこが舞台となった「ダヴィンチコード」にワクワクしました。
      MoMA行ったあとに本書を読み返すと違った楽しみを味わえそうな気がしてます。
      2013/05/13
    • vilureefさん
      こんにちは!

      ダヴィンチコードを読んでからルーブルに行くって良いですね!!
      私もルーブル行きましたが、ダヴィンチコードを遡ること何年...
      こんにちは!

      ダヴィンチコードを読んでからルーブルに行くって良いですね!!
      私もルーブル行きましたが、ダヴィンチコードを遡ること何年だ!??

      NYではメトロポリタンがザ・美術館であるのに対し、MOMAはとてもカジュアルな雰囲気ですね。でも料金は高かったかも(-_-;)

      宇多田ひかるのPVで有名になったロボットの展示がしてあったのは覚えているんですけどね・・・。
      久々に美術館行ってみたいな~、ふふふ。
      2013/05/14
  •  美術のことも、ルソーのことも、ピカソのことも、これっぽっちも知らなかった私でしたが、この作品を通して、美術に触れ合うことができました。

     ルソーって、こんなに素直で子どもっぽくて、自信家だったんだ。絵が売れずに、コンクールにも落ち続けて、周りからは「変な絵だなあ。下手な日曜画家の絵だ」なんて笑われているのに前向きで。親子ほどに年の離れたヤドヴィカに恋をして。

     ルソーやピカソなんて、私とはおよそかけ離れた人間なんだと思っていました。けれど、彼らは私たちと同じように、笑って、泣いて、悩んで、恋をして、そして何よりも絵を愛した。そんな人間だったんですね。なんだか、私とそう変わらないかもなあ、なんて思ってしまいました。

     絵を描くことも、文章を書くことも、誰かに何かを伝えたい、思いを永遠に残したいといった、人間の願いの固まりであるということを、この作品から切に感じることができました。

     

    • HNGSKさん
      にゃんこさん>>にゃんこさんは、絵に造詣が深いんですね。すごいです。
      絵画は、永遠を生きるというフレーズが、私はとっても好きです。
      にゃんこさん>>にゃんこさんは、絵に造詣が深いんですね。すごいです。
      絵画は、永遠を生きるというフレーズが、私はとっても好きです。
      2013/04/30
    • HNGSKさん
      まろんさん>>描きたくて、たまらない・・・本当に尊い感情ですよね。小説も、絵も、残したいと願う人々の思いを真摯に感じていきたいです。
      本、大...
      まろんさん>>描きたくて、たまらない・・・本当に尊い感情ですよね。小説も、絵も、残したいと願う人々の思いを真摯に感じていきたいです。
      本、大好きです。
      2013/04/30
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「絵に造詣が深い」
      って言うより単に享楽的なんです。
      「私はとっても好きです。」
      感動的ですよね!
      画家の思いだけじゃなく、それを受け取る人...
      「絵に造詣が深い」
      って言うより単に享楽的なんです。
      「私はとっても好きです。」
      感動的ですよね!
      画家の思いだけじゃなく、それを受け取る人の素晴しさを噛み締めました。。。
      2013/05/07
  • カフーにそれほどついよい印象を持たなかったので、原田マハの作品をそれ以降手に取ることはなかった。友人に勧められて読んでみたが、これがびっくり。同じ作家とは思えないほどの成熟ぶり。どうやら作者の専門分野だそうで。
    産業革命当時のパリの生活が生き生きと描かれ、まるで映画を見てるよう。美術に興味がなくても十分楽しめる作品に仕上がっている。
    文句なしに面白かった。

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著者プロフィール

原田マハ(はらだ まは)
1962年東京都生まれ。小6から高校卒業まで岡山で育つ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部美術史学専修卒業。馬里邑美術館、伊藤忠商事株式会社、森美術館設立準備室、ニューヨーク近代美術館での勤務を経て、2002年よりフリーのキュレーターとなる。2005年小説化デビュー作の『カフーを待ちわびて』で第1回日本ラブストーリー大賞を受賞。2012年『楽園のカンヴァス』で第25回山本周五郎賞、『キネマの神様』で第8回酒飲み書店員大賞をそれぞれ受賞。2013年には『ジヴェルニーの食卓』で第149回直木賞候補、2016年『暗幕のゲルニカ』で第155回直木賞候補となる。2017年『リーチ先生』で第36回新田次郎文学賞受賞。2019年『美しき愚かものたちのタブロー』で第161回直木賞候補に。

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